Paula

COME TRUE/カム・トゥルー 戦慄の催眠実験のPaulaのレビュー・感想・評価

2.0
“The basis of life is not a greed to exist, not a desire of any kind. It's fear, the fear which I saw here. And not even fear; much worse. Absolute dread. Paralyzing dread so great as to produce apathy.” (First published July 1, 1972)

本編で主人公のサラが本屋でチラ見する本の作者が脳梗塞で亡くなったフィリップ・K・ディック。彼の小説『We Can Build You』より本作の核心なんちゃって⁉
(※ほかの小説の題名を転用している映画『Blade Runner』の原作者)

サラって...
ひとつひとつの顔のパーツを見ればシンメトリーの様であまり作りはヨロシクはないけれども... それらのパーツが揃ったことでキュートを絵にかいたような女性よりも可愛い固体になり、映画には欠かせないバックグラウンドの見えない、いつも悲しげなマインド・ファックされる不思議ちゃん的存在なのかもしれない。

Sarah: Are my dreams that messed
   up?
Jeremy: Sometimes. We all have
    nightmares.

映画製作者は、何故か悪夢をアート風な造形にしようとしているのかもしれないけども人間モドキを多用しているのは、あまり個人的には受け付けることができなかった。けれども、あたしみたいな単純な者に、拒否反応を起こさせる為にむしろ予め狙っていたのかもしれない。でも...?
一時間も過ぎたころにカナダのバンド、Electric Youthによるスタジオアルバム、本作と同じ題名の『Come True』から "Modern Fears" が流れると映画の空気が変わったような、そうでないような?

♪ They can
 Say what they say
 But you need a heart
 To have heart like you do...

パイロット・プリーストと言うアーティスト名を持つ本作の監督のアンソニー・スコット・バーンズは、ジョン・カーペンター巨匠のように音楽も一部製作している。
『The Outer Limits』を彷彿とさせるアナログなディスプレイや誰かが書いていたけどジョージ・A・ロメロと同じ眼鏡を使い、『ブレードランナー』の作者の本だけでなく『ターミネーター』のポスターを飾ったり、そして何と言っても原作者に断りもなく改変した "オーバールック・ホテル" のNo.237と同じ番号の病室の意味するところは... やりすぎですマス!

IF YOU'RE READING THIS.
YOU'VE BEEN IN A COMA
FOR ALMOST 20 YEARS.

WE ARE TRYING A NEW
TECHNIQUE.

WE DON'T KNOW WHERE
THIS MESSAGE WILL END
UP IN YOUR DREAM.

PLEASE WAKE UP.

カナディアン・ロッキーに近いエドモントンでロケが行われ、映像的には澄んだ淡い色を基調として美しくは撮影されているけども途中まではミステリアスで面白みもソコソコあったのに後半にかけて、サラが靴を履いたり履いていなかったりして、そんな些細なことの積み重ねが、少しずつシナリオを混沌とさせていく為にあたしの脳ミソ・ウニの理解力の範疇を越えてしまう。そんな演出の最後には決定打としてモーバイルフォンにメッセージが... 意味不明過ぎてあたしの意識は、奈落の底に蹴り落されましたとさ!
"Nokia 9000 Communicator" がスマートフォンの始まりと言われているけど彼女、サラのものとは別もの。2007年にApple社の「iPhone」なら分からないでもないけどバッテリーの寿命が2年と言われる中、20年の間、もつケータイって実在するのか?
カナダ産の映画はどれもこれも中途半端で歯車の歯が一本や二本欠けているので...明菜ちゃんじゃあないけど♪いいかげんにして~ぇ!

悪態をつきすぎたので
失礼します。
Paula

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