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B/Bのazul5のレビュー・感想・評価

B/B(2020年製作の映画)
4.9
シネリーブル梅田の【田辺・弁慶映画祭セレクション2022】中濱宏介監督DAYで鑑賞。

■あらすじ
2020年、担当大臣の汚職による東京オリンピックの中止と新興宗教による毒ガス散布未遂事件という2つの大事件が世間を騒がせていたが、その陰で通称「イカロス」と呼ばれるコンビニ経営者惨殺事件が起こっていた。被害者の息子・士郎と交流のあった紗凪は、刑事から取り調べを受けることになり、解離性同一性障害を患う彼女と、彼女の中に存在する人格たちは、それぞれの視点から回想を始める。

■感想
個人的に今大注目の倉嶋かれんさん(今泉力哉監督の「街の上で」のメンソールの女役の演技、存在感も素晴らしい)が主演との事で興味を持ち鑑賞。圧倒的な台詞量と演技の使い分けに驚嘆。
膨大な台詞量に関しては、テアトル新宿でのトークショーの様子が所属する東宝芸能のEVENT REPORTでUPされているが、「(読み合わせなどもなかったので)できるだけ現場でコミュニケーションをとりたくて、現場では台本を読まずにいようと。なので、家でセリフを覚えて、現場に台本を持ち込まなかったんです」と...
あの膨大な長台詞を現場で台本読まずにあのテンポで...もう凄過ぎる。
演技だけでなく声も魅力的な方。今後の出演作がますます楽しみになりました。
後、冒頭から光の取り入れ方や役者さんの切り取り方が凄く印象的な作品。台詞の長さや早さに耳が奪われがちになってしまうが、映像も美しかったです。

■上映後の舞台挨拶
中濱監督はMCが居ないのでグダグダな進行で...的な事を仰られていたが、監督が波佐本麻里さんの出演を決めた大阪芸大での飴の話し(勿論、それが全てでは無いだろうけど...)や西村風音さんの化粧がどんどん濃くなっていく話し。ジャン・リジェさんのすべり台を滑りたくて万全の服装で準備してきたのに滑る事が出来なかった話しなど、監督・出演者ならではの別の意味でB/Bを楽しめる舞台挨拶だったと思う。
後、個人的に神様に見えたのが、ひと:みちゃん。途中で「是非、写真撮ってくださいね!」とさりげなく仰っていただいた事は自分だけでなく他の方も神に思えたのじゃないかと...

■追伸
新興宗教による毒ガス散布未遂事件(劇中ではあまり取り上げられていなかったが...)や解離性同一障害を患う女性?十二重人格?と聞くと少し小難しそうに感じるが、先ずは何も考えずにただただ圧倒的な77分間を《音響の良い劇場の大きなスクリーンで》満喫して欲しい。

久し振りに本気で沢山の方に紹介したい作品!

久々にシネ・リーブル梅田で鑑賞したが、やっぱり良い劇場でした♪
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