福福吉吉

スペルの福福吉吉のレビュー・感想・評価

スペル(2020年製作の映画)
3.0
父の訃報によりマーキスとその家族は飛行機で故郷に向かうが、落雷による事故により墜落してしまう。意識を取り戻したマーキスはある家屋の一室におり、そこに現れたエロイーズたちにより監禁されていた。怪しい呪術を使うエロイーズたちに危険を感じ、マーキスは脱出して家族を探そうとするのだが...。

呪術を使うエロイーズたちに監禁されたマーキスの恐怖を描いた作品になり、エロイーズが本人の分身として人形(ブギティ)を作り、それを用いて行う呪術の不気味さや恐怖が印象的な作品です。

主人公マーキス(オマリ・ハードウィック)は都会で成功したビジネスマンで、どこか相手を見下すようなところがあります。過去に父から虐待を受けていたことが影響しており、ストーリーの中で何度も父の姿をフラッシュバックする様子が描かれています。しかし、このマーキスの個性や過去は本編であるエロイーズたちと関わり始めると全く意味のないものになっていて、少し残念に感じました。
しかし、マーキスはエロイーズたちの監視の中で、必死に脱出して家族を探そうとする姿はタフさと精神的な強さが見受けられて良かったと思います。

本作のキー・パーソンであるエロイーズ(ロレッタ・デヴァイン)は周辺住民に「治療」として呪術を施しており、支配者として君臨しています。彼女は一方的に話してマーキスの言葉を一切聞かないところに悪質さが感じられました。また、エロイーズがブギディを用いてマーキスに呪術を施す姿はとても狂気に満ちていて怖かったです。

ストーリーとしてエロイーズの監禁から隙をついてマーキスが脱出しようとする流れがメインとなりますが、その隙がかなり多くツッコミどころが満載で少し笑ってしまいました。エロイーズの呪術はかなり怖いはずなのに、どこかしら抜けている部分が見られて、「人形を縛っておけばマーキス逃げられないのちゃうの?」とか私の邪な心が鑑賞を邪魔してきました。

呪術の名前が「フードゥー」となっており、どう見ても某宗教にしか思えないのですが、某宗教からクレームとか無かったのか気になりました。濁点抜けば良いってものでもない気がします。

B級ホラーとしてツッコミどころも含めてなかなか面白かったです。終盤の流れもきちん盛り上がりがあり良かったです。

鑑賞日:2023年4月19日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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