菫

folklore ロングポンド・スタジオ・セッションの菫のレビュー・感想・評価

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Taylorのストーリーテリングの才能
洗練された文学作品のような楽曲たち
デリケートな思想の反映


やっぱり一番聴き返すし、一番好きなアルバム。exileのセッションが良かった。Bon Iverのボーカルも力が籠ってて、スカーフで口元を覆っている姿には懐かしさを覚えた。コロナ禍が始まってからもう4年も経つのかと実感。

quarantineがあったからこそ、彼女はここまで作曲活動に集中できたはずだし、2枚のアコースティックアルバムを立て続けにリリースするという普通では考えつかない発想が浮かんだろうな。ツアーが中止になりライブができない状況でも落ち込まず、プロダクティブに活動を続けるTaylorに、ファンはもちろん他のアーティストたちも鼓舞されたと思う。

それぞれの楽曲への思いをJackと語るシーンが見どころ。folkloreは、彼女なりの哲学や内省的な思考が詰まっているアルバム。人との決別をたくさん経験しているからこその、Karmaを始めとする宗教的なコンセプトへの依存。宗教の本質ってやっぱり救いやアシストなんだなと思った。私はatheistだけど、極限状態になったらきっと神の存在を認めて縋るようになるし。
菫