過去か、はたまた文明の滅んだ未来か、時代劇と西部劇が混ざった日米混在の世界観のスキヤキムービー。
園子温のハリウッドデビュー作。
日本のクソったれレイティングのリミッターを解除し、外国資本製作により、どんなスプラッシュムービーを見せてくれるかと期待していれば肩透かし。
ニコラスの動きが重い、遅い。それに作品も呼応し、展開が重い。
舞台や世界観、小道具なんかは園子温の奇妙なサーカスを想起したし、この作り物めいたメランコリックなディストピアイメージは嫌いじゃない。
ただ、あくまでルックは止め画なので、それを動かしてこそ映画になりえる。
絵になるルックは沢山あるけれど、一向にそれが活劇として連動しないのは、辛い。こちとら写真集を見に来ている訳ではないので。
あのゴースト侍達のライトに照らされたルックはめちゃくちゃ格好良いのに、まさかのお預け。彼らがアクション出来ないのは予算の都合だろうが、実に惜しい。
脚本は向こうのだし、園子温の思い描いたものがどれ程実現出来ているのかは分からないが、もう少しセットの予算削ってでもアクションを見たかったなぁ。
