一昔前に大流行していた人気ドラマが映画化されていることを知り、ぜひ観てみようと思いましたがドラマ版を一切観ておらずこのまま映画を観るのもなんだかなぁと思ったため全部おさらいしてから映画を観ることにしました。
・シーズン1
・スペシャル版
・シーズン2（反撃編）
・扉の向こう（Huluオリジナル）
・特別番組（スッキリコラボ）
ここまでしっかりと観ました
簡単にドラマの感想は
当時考察がどうのこうので盛り上がっていたけど、そんな深く考えるほどのドラマではない
だらだらした展開で退屈なシーンは目立つもののストーリーをギュッ！としたらそこそこ面白いと言っても過言ではないと思います
映画観るのやめとこうかなという気持ちとせっかくかなりの時間を費やしてここまで観たんやしという気持ちの葛藤の末しぶしぶ観ることにしました
ここからは映画の話
”後悔しました”
ドラマ版の大ファンであったとしてもガッカリしているはずです
個人的に好きだったことが1つだけありました
最初の住民会でドラマ版では菜奈ちゃんが行くことになってそこで殺人は動機があるとそこから犯人が割り出されることが多いため住民同士で殺したい人を交換して殺すことによってバレにくくなるのではないかという話からこの作品のテーマでもある交換殺人が始まるわけです
映画版では菜奈ちゃんではなく翔太くんが住民会に行くことになりそこでも同じように殺したい人を交換する話が出ますが
天真爛漫な翔太くんはマンション同士だと関係性が近いからすぐバレちゃうと一蹴
これにより交換殺人が行われずドラマ版との世界線が変わっていくわけです
ifストーリーなので当たり前っちゃ当たり前の展開ですが最初の展開だけあっておもしろそうな雰囲気はありました
あなたの番ですの最大のテーマでもある交換殺人を切り捨てるのか、それとも、また別の展開で交換殺人は行われるのか、また違った切り口で殺人ゲームを行うのか
楽しみは膨らんでいきます
しかし、この気持ちは打ち砕かれます
この作品はなんの変哲もないただのミステリーでした
しかも殺人の1つ1つがめちゃめちゃしょーもなくて全体のだめなところを言い始めるとキリがないので殺人にだけ焦点当てます
まず１人目の被害者
ドラマ版でもおなじみの管理人さん
この殺人はあなたの番ですの始まりですというおなじみのシーンをしたかっただけ
結局殺害する過程などは全く描かれず、一応予想は出来るものの誰が殺害したのかの言及もありません
ストーリーの事件とも関連性はなく、ただただファンにはこれしといたらいいんでしょと言わんばかりのシーンでした
2人目の被害者
ドラマ版の最後の方では結構な重要人物でもあった南
黒島を殺そうとして黒島の部屋に火を放った結果南が黒島の部屋に侵入しており火だるまになり死亡
この殺人は単純に人違いによるものであるためもちろん動機もない
重要なキャラをこんな雑な方法で退場させる演出は予告編を盛り上げるためだけのシーンではないかと思ってしまいました
3人目の被害者（時系列的には3と4は逆ですが映像の順番）
ドラマ版での黒幕でもある黒島
これもやりたかっただけ感が否めなくて意味不明です
豪華客船のマストに縛り付けられて死んでいるところを発見される
まず普通に考えて２件殺人が起きていて船に乗っている人たちは警戒しているはずです
その中で誰にもバレずに1人であんな高所に縛り上げることができるのかというとほぼ不可能
また、黒島を恨んでいる人は出てくるのでその人が殺人を犯して皆に晒上げるという意図でしたのであればバレるかバレないかは置いといて動機としてはわからんでもないです
しかし、この殺人を犯した犯人は恨んでいるとかいうわけではなくむしろ黒島のことを思ってといった動機なのでますますそんなことをした理由がわかりません
4人目の被害者
黒島のしもべである内山
特にストーリーに影響してくるわけではない
インパクトのある演出をしたかっただけでサメを船の上に引き上げると口から内山の生首が出てくる
（カテゴリーとしては十分なだけのサメの登場はあったため一種のサメ映画と言えるでしょう）
一応犯人は内山ではないかというミスリードがあり、死体が見つかった際にじゃあ一体誰なんだということがやりたかったのでしょう
建前はストーリー上のミスリードですが、本当は別にあると睨んでいて
劇場版の復習のための特別番組（スッキリコラボ）があってそこでフェイクを交えた劇場版の映像を公開したんですが、そこでサメの口から出てきたのはまさかの久住
殺されるには理由がなさすぎるけど袴田吉彦の生首がサメの口から出てきたらインパクトもあるしおもしろそうだからこっちをまず考えてから無理やり本編で内山に変えて差し込んだのではないかともとれるような演出
とにかくドラマ版で唯一の武器でもある交換殺人ゲームがなくなり、ただ単なるミステリーにした結果ストーリーは無茶苦茶でめちゃくちゃおもんない映画になってしまいました
殺人以外の部分でも言いたいことはいっぱいありますがこの辺でやめておきます
