BT248

サンダーフォース ~正義のスーパーヒロインズ~のBT248のレビュー・感想・評価

2.9
STCのジャンル:「困難に直面した平凡なやつ」

ライトなストーリーでうるさいことにはあまり深く踏み入らず、ギャグも程よい滑り芸という感じで笑えるし、もういいよ!と言いたくなる寸前でちょうどサッと次に移る感じから、編集が上手いと思いました。

画に関しても基本は平凡な指向で、レイザーの登場だけ毎回ちょっとかっこよく撮ってたりとか、アクションシーンの撮り方だったりが丁寧だと思いました。片手間に見ていたのでダブルアクションを入れてるかどうかまで細かく見ていられませんでしたが、物体を誰かにぶつけるカットなどはしっかり痛そうな感じが伝わって、よくできていると思います。

CGに関しては、全体的に予算を感じる仕上がりでした。項目で挙げると以下の通り。

・レイザーの稲妻エフェクトがのっぺりしている

・バス持ち上げた時のバストアップショットのライティングが合成バレし過ぎて浮きまくってる(顔が暗くなるのを回避しようとしたのかもしれませんがそれにしても酷い仕上がり)

・最後の爆発エフェクトがフリーサイトで拾ったんですか?レベルの仕上がり

・CGではないけど、ワイヤーアクションの時のワイヤーが見えてくるほどワイヤー感が拭えていない。スタントもアクションもいいのに勿体無い。

です。
全体的に3DエフェクトよりもAeで上から載せた感じ?がしました。


CGよりも大きなマイナス点はプロットです。話の展開がとにかくナメクジ。いつ本題に入るの?と映画の残り時間を途中で確認してしまいました。結局残り時間2/3進んだところでやっとスーパーパワーを手に入れ、本題に入っていきました。重厚な作りでお客さんに没入感を与えるコッテリ系の映画であれば、本題に入るまでに溜めていくのも手だとは思いますが、この様なライトな映画ではミスマッチだと思います。
展開以外では、主人公2人の背景や苦難が最終的に消化しきれていない事です。判断力が劣っているというコンプレックスを克服したかの様なセリフで決着をつける形にしてはいますが、セリフでそれを言われても「あ、そうですか」って感じだし、ゴミ箱とか平凡時代のコンプレックス要素をもっと使ってもっとド派手に暴れて敵を倒してくれれば、主人公に感情移入してライトな映画でも感動できるのになぁ。ともったいない印象でした。あと序盤でフォーカスされていたエミリーのコンプレックスが解消されていません。
続編を作るつもりで続編で失敗しない様に一作目で手札を見せない様にするのはわかりますが、一作目でお客さんの心を掴まなければそもそも二作目の製作ができません。勿体ぶるのではなく、新しいアイディアで勝負してほしいものです。

とはいえプロットのマイナス部分を演技、演出、カメラ、編集と”画作り“でだいぶ補っている様な感じがあり、チームとして仕上げようという一体感を勝手に感じ、勝手にほっこりしています。
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