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夢の向こうにのlingmudayanのレビュー・感想・評価

夢の向こうに(2020年製作の映画)
2.5
香港映画祭にて観賞。『時代革命』の監督ということで期待して観に行ったが、ちょっと冗長だったかな。ロックとヤンヤンが初めてキスするシーンでは、ロックが二つ並んだトンネルの一方から他方に移るとそこにいたヤンヤンにキスされるという形で、ヤンヤンの非実在性とランとの二面性がよく描かれている。これとは対照的に、ラストでロックとランがキスするシーンでは一方のトンネルしか使われない。

冒頭から幻想的な画と音楽が使われ、それはテーマである精神疾患を予告してもいるのだが、あまりにも叙情的なピアノの音楽が多用されるのにはうんざり。この作品の前に『ラストナイト・イン・ソーホー』を観たためかもしれないが、精神疾患を映像で表現するのもやや陳腐になってきたなという感じもする。ロックを盗み見るような視点のカメラで彼の被害妄想を示すような演出や、終盤でロックがヤンヤンとランの双方の間で苛まれるシーンは良かった。
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