サトシ

コットンテールのサトシのレビュー・感想・評価

コットンテール(2022年製作の映画)
4.0
パトリック・ディキンソン脚本・監督、リリー・フランキー主演の日本・イギリス合作映画。

妻の明子を亡くした兼三郎は、彼女の葬式で疎遠になっていた一人息子の慧(トシ)と久しぶりに再会する。明子の遺言状には、夫婦で行きたいと思っていた、子供の頃に愛したピーターラビットの発祥地で、イギリス北部の湖水地方にあるウィンダミア湖に散骨してほしいというという内容が書かれていた。
明子の願いを叶えるべく、兼三郎は慧と彼の妻・さつき、孫のエミと共にイギリスに向かうが、心を開き合えないでいた兼三郎と慧は言い争いとなり、 兼三郎は何も言わずに一人で湖に向かうが、道に迷ってしまい、途方に暮れる。
ある農場にたどり着いた兼三郎は、そこの主ジョンと娘メアリーの世話になることになる。兼三郎はそこで過ごすうちに次第に心が安らいでいき、後を追ってやってきた慧との関係にも変化が起きる・・・。

【キャスト】
兼三郎:リリー・フランキー(若年期:工藤孝生)
慧:錦戸亮
明子:木村多江(若年期:恒松祐里)
さつき:高梨臨
ジョン:キアラン・ハインズ
メアリー:イーファ・ハインズ

リリー・フランキーの素晴らしい演技を堪能しました。
妻を亡くして昔を想い出すストーリー展開になっており、しみじみと鑑賞しました。
若年期を工藤孝生が演じていますが、何処となく似ているので違和感なく続きを観る事ができます。工藤孝生は知らなかった俳優ですが、将来リリー・フランキーになるんだろうなと想像できる物静かな性格を演じていました。
若年期の妻役を恒松祐里が演じていますが、こちらもホクロの位置から木村多江なんだと想像ができるので話しに入り込めて良かったです。
ウサギのペンダントをじっと眺めるシーンは、暑いと服をパタパタしていましたので胸元を見ているようでドキッとさせられました。
最初、リリー・フランキーが朝市でタコを買いにいき予約で断られ、その後、寿司屋にタコを持っていき買ってきたと言っていましたが、万引きしたとしか思えなかったですね。イギリスで勝手に行動して息子に電話で待ち合わせ場所を連絡してあまりにも早く到着して凄く違和感を覚えました。
リリー・フランキーがお世話になる親子は実の親子なんですよね。似ているなと思って観ていました。
木村多江の認知症が悪化していき観ていて辛くなっていきます。最後をリリー・フランキーが看取る時は胸が締め付けられました。
中々、素直に仲直りできない親子関係でも、妻の死、同じ目的でイギリスに行き、トラブルもあり最後は皆でウサギを見つけ、再び語り合える仲になったんだなと上手くまとめられています。
サトシ

サトシ