Ryan

依存魔のRyanのレビュー・感想・評価

依存魔(2019年製作の映画)
3.2
映画酔いして頭痛い。


ストーリー
奥深い森。
母親が働く精神科病院で暮らす
孤独な少年ポールは、少女グロリアが施設に到着するやいなや恋をする。
精神的な問題を抱えるグロリアが
ポールに助けを求めたとたん、
彼らの狂気に満ちた闇の逃避行がはじまってしまう・。


主演 トーマス・ジオリア
監督 ファブリス・ドゥ・ヴェルツ


ベルギー闇の3部作最終章
期待の若手俳優達と大自然の殴り合い。
もし、この映画が人を不快にさせるために作られた映画ならそれは成功だろう。
常にカメラが動き、揺れながら物語が進むためとても疲れる。もっとゆっくり見たいシーンも常に揺れている。
ストーリーもあるが、今作は演技の殴り合い。そのため天才子役と呼ばれたキャストの集結だ。この映画で常にまとわりつくのが愛。普遍的な愛ではなく少し歪んだ。この物語を作るにあたり大自然の中にキャストを放り込み何が起こるかを観ている実験的な映画といえよう。とても暗く重くアーティスティックな映画のため見る人を選ぶ。
主役のポールは常にカメラの中におり彼が愛する鳥(怪我した小鳥、フクロウ、ニワトリ、鶴)がポールの精神的成長の象徴のように感じられる。どれも飛べない鳥や飛ぶのに限定的な鳥達がいかにしてポールの心情を代弁しているのか?見ものだ。
この映画はとても印象的でキャストの身体を張った演技は見るべきだがそれにしては間延びしており、映像も揺れ動くためかなりの疲労度。少年少女の歪んだ愛の形は凄まじい。

キャストがとてもユニークで
主人公ポール役は映画「ジュリアン」で天才子役と謳われたトーマスジオリア。
彼の"静"の演技は上手く、このまま行けばライアンゴズリングのような演技も見せれるかも?と期待。
ベルギー闇の3部作で必ず登場するグロリア役のファンテーヌアルドゥアンはとても釘付けになる。演技が上手く彼女は"動"の演技が上手い。そのためバランスの取れた配役と言えよう。

私は主人公ポール役のトーマスジオリアのファンなので今後も彼の新作を劇場で観られることを楽しみに待ちたい。
映画ジュリアンもおすすめです。
Ryan

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