うしぱんだ

最初の54年間 ― 軍事占領の簡易マニュアルのうしぱんだのレビュー・感想・評価

3.9
備忘録。
パレスティナのことを考えると「理不尽」という言葉が浮かぶ。
今まで住んでいた土地を奪われ追われて、大人しくしていてもまた土地は奪われるし、抵抗を試みれば倍返しどころではない反撃を受け、よそからはどっちもどっちみたいなことを言われて、じゃあどうすればいいの?

この作品は私の持っていたざっくりした知識を悪い方に上書きしてくれる。イスラエルの占領政策が少しずつ変わってきているという。その方向に希望は見えない。人が生きているのに。

そんなに長くない作品だったが、情報量が多くて字幕を読むのに忙しくてでも映像も気になって、置いて行かれた部分もたくさんあった。この内容だったら、文章で読んだ方が頭に入るかもしれない。

土井邦敏さんの「沈黙を破る」というドキュメンタリー作品があったけれど(これも元イスラエル兵の若者たちが主人公だった)、この監督の団体と関係あるのかちょっと気になった。