Riririri

タイプライター 崖っぷちの30日間のRiriririのレビュー・感想・評価

2.9
最近はずっしりとしたテーマの作品を立て続けに鑑賞していたので、何か頭を空っぽにできるような作品を観たかった。

うん、びっくりするほど空っぽ。
賛否両論あるんだろうけれど、たまにはこういう作品が必要なことってあるよね。だから私は観てよかった。

以下、個人的なめも。

■鬼畜
30日間で長編小説1冊を執筆するなんて鬼畜すぎるって! 文学賞に向けて執筆しているから分かる。ストーリーを急展開させるためには必要だったのかも?

■期限つき
主人公は30日以内に新作の原稿を手に入れなければいけない、主人公の同僚も3回のデートをしないと別れられない、など、期限つきの展開が多め。もしかして “期限つき“ は洋画にありがち? 物語に臨場感を持たせるためによく用いられる手法だったりして。
(たしか『マイエレメント』でも2週間のうちに排水管の故障原因を突き止めなきゃお父さんのお店は営業停止、とかだった)

■ありがちパターン
主人公は女性編集者、そして小説家は男性。この設定、他でも観たことがある。『ラブ・エディター』(2019)と一緒だ! 他にも(女性は編集者じゃなくて速記者だけど)『あなたにも書ける恋愛小説』(2003)も思い浮かぶ。
女性が男性をサポートする側なのね。ぜひ、その逆も見てみたい。執筆モリモリやって頭ボサボサになっている女性の小説家をどっしり構えてサポートしている男性編集者のストーリー、誰か映画作ってください!

以下、ネタバレ含みます。




























ラスト、あれはさすがにないって!
無理あるって! 結婚式に乗り込んで花嫁かっさらって結婚って……。元婚約者の結婚式に参列する予定だった職場の皆さんが、略奪の末の結婚式でニコニコと参列しているのが恐怖だった。元婚約者は浮気をしたけれど(キスだけって言ってたけれど、多分それ以上もやらかしてる)、主人公がやってることはそれ以上よ。職場にわざわざ乗り込んで再びプロポーズをした元婚約者に「はい」と返事する前に、同僚に「大人になるわ」みたいなこと呟いていたけれど、あれどういうこと?! 愛なんてどうせ終わるものだって割り切って結婚生活送ることにするわ、それが大人になることだわ、っていうことが言いたかったの?!

86分という短い時間の中で描ききるのは難しかっただろうけれど、登場人物の心理描写が雑に感じる。30日で恋に落ちて結婚にまで至る心理描写が圧倒的に足りない。なぜ惹かれあったの? 小説が面白かったから惹かれたの? 編集してくれたから惹かれたの? 視聴者にはそれが伝わらない。

製作陣は一体なにを伝えたかったのだろう……。
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