ゴウシカルメラ

テレビで会えない芸人のゴウシカルメラのレビュー・感想・評価

テレビで会えない芸人(2021年製作の映画)
4.0
僕が松元ヒロさんの事を全く存じ上げていなかった状況だった2020年2月。
ゲッターズ飯田さんと僕のバンド「カルメラ」の鹿児島でのライブによさ作曲家の吉俣良さんがサプライズをしてくれました。
その打ち上げの時に偶然、打ち上げ会場で吉俣さんが昔からファンだという松元ヒロさんにご挨拶させていただきました。

その時に吉俣さんより松元ヒロさんの魅力的をお伺いしとても興味が沸いてたもあり昨年末の「ひとり立ち」にお誘いいただきました。

その際に、トークブロックの一つで、いつもは映画や本の紹介をヒロさんの解釈も交えながら話されるとの事ですが、今回はご自身のこの映画についてお話なさってました。

そこで高まってた期待を遥かに超えてくる内容。

テレビでは、報道されてることに、前に倣え、右に倣え以外の政治的発言はタブー視されつつある世の中ですが、ただの悪態ではなく、何故、批判してるのかの理由を熱と共に語りながら、それを笑いに変換していく。
コンプライアンスがどうだのと厳しくなる昨今のテレビ界でみんなが息苦しくなる遥か昔に「テレビでは言いたいことは言えない」と見切りをつけ、板の上の人生を選択したヒロさん。
何度も爆笑しながらも、本当にカッコいいと思った。

本作品は鹿児島テレビで放送はれたドキュメンタリー番組を映画用にディレクターズエディットされたものだが、この番組に日本民間放送連盟賞、ギャラクシー賞、放送文化基金賞、FNSドキュメンタリー大賞など、テレビの人たちが揃って賞を贈った。
きっとテレビの人達も本当は思ってたことを代弁してくれてる!との何よりの証拠。

テレビが再びヒロさんを求める時代が来ると信じてる。その時はきっと日本はもっと、みんなが人に優しく、楽しく暮らせる国になってるに違いない。

そして何より音楽は我らが吉俣良さん。
メインテーマはヒロさんが舞台で闘う姿、覚悟が切なくも強く前進するタンゴの曲になってる。
劇中の曲も「ザ吉俣良」で、映画の内容がさらに大きなものとなり伝わって、何度も涙が溢れた。
とにかく最高のドキュメンタリーでした!