かしまっちさんの映画レビュー・感想・評価

かしまっち

かしまっち

映画(469)
ドラマ(0)
アニメ(0)

デッドプール&ウルヴァリン(2024年製作の映画)

4.4

強烈なコメディと眩いアクション、そして主演2人の化学反応、多くのサプライズで彩られているが、決して表面的で一過性のものではない
ショーン・レヴィはメタフィクションの枠の中でその全てを巧みに縫い合わせ、
>>続きを読む

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

4.0

大胆な構想と壮大な計画に対して得られる収穫はそれほど大きくないかもしれないが、嘘と真実を巡る信頼の情報戦を小さな人間レベルから大きな宇宙レベルまで展開し、典型な旧型ロマンスに科学的な解剖を試みることで>>続きを読む

怪盗グルーのミニオン超変身(2024年製作の映画)

4.1

テンポが早く照準が定まりにくいストーリーだが、いつも通りのカラフルな混沌と狂気的なスラップスティックコメディはある意味他に類を見ない貴重な作風であり、この無秩序すらも計算されたものである可能性を感じて>>続きを読む

キングダム 大将軍の帰還(2024年製作の映画)

4.3

迫真のサウンドと圧巻のビジュアルを兼ね備えたスクリーンに歓迎されるべきスペクタクル大作の最新作であるキングダム4作目は、大沢たかおのカリスマ性溢れる熱演によってシリーズの更なる高みに登るだろう

難易
>>続きを読む

キングダム 運命の炎(2023年製作の映画)

4.3

物語のスケールアップに合わせて見所の要である殺陣や撮影、音響といった複数の要素が前作から洗練されており、戦場の臨場感にさらに磨きがかかっている

難易度:易

キングダム2 遥かなる大地へ(2022年製作の映画)

4.3

壮大なアクションアドベンチャーと並行してストーリーの中に掴み所のある感情的な深みがあり、長いアクションシーケンスの中に状況説明やドラマを度々挿入してもその緊張感を上手く持続させている

難易度:易

キングダム(2019年製作の映画)

4.1

編集や撮影にやや粗さはあるが、視覚的な楽しさに溢れ、総じて満足のいく娯楽大作だ

難易度:易

HOW TO BLOW UP(2022年製作の映画)

4.4

若者の環境アクティビズムの破壊行為をクライムサスペンスとして映したエンタメ作品であるが、その娯楽性が根底に流れる問題意識とパワフルな訴えかけを損なう事はない
8人の登場人物の背景への共感と繰り広げられ
>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

4.6

甘くほろ苦い、そして慈愛と知性に満ちたこの暖かなヒューマンドラマは、孤独な3人の心的距離を縮めていく過程に心を惹かれる多くの瞬間が刻まれているが、それだけには留まらない
期待される実現可能性とそれを容
>>続きを読む

ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.5

社会の縮図として学校という環境に多岐にわたる問題を落とし込んだ寓話であり、個人の観測範囲内に課題を提示しながら学級崩壊の心理的スリラーとしてその連続性を持たせて描いたことで、
その山積みの課題が決して
>>続きを読む

クワイエット・プレイス:DAY 1(2024年製作の映画)

4.5

シリーズのオリジンとして黙示録的エッセンスを織り交ぜながら人間ドラマに入念に手を掛けた本作は、
洗練された音響が盛り上げる体感型ホラー映画の楽しさをそのままに、キャラクター主導の物語の中で我々の世界に
>>続きを読む

ルックバック(2024年製作の映画)

4.2

映像化による演出がやや統一感に欠け、感情の導線が物語展開を追い越しており、余白を押し狭めている印象を受けるが、
声を当てたことで熱量を増した人物達の魅力的な掛け合いや心情描写、漫画表現を引き継ぐ創造的
>>続きを読む

リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

4.4

実写的手法とアニメ的手法の混在する映像スタイルが物語るように、ドラマに提示される複数の事象の間を縦横無尽に駆け巡り、掴み所のない複雑な感情を芸術的なレベルで浮き彫りにしている
エネルギッシュでロマンテ
>>続きを読む

バッドボーイズ RIDE OR DIE(2024年製作の映画)

4.2

マイクとマーカスの陽気な掛け合いとその奥に見せる個々の抱えるドラマの交差、そしてマイケル・ベイ成分を含んだ大胆な演出と豊富なセットピースにより、シリーズの強みを発揮したアクション・コメディ映画としての>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

4.9

映画のフォーマットが成せる表現技法の枠を押し広げるほどの驚異的な演出の数々で構成された実験的作品であり、
壁に囲まれた裕福な家庭の日常を淡々と観察させることで、その単独世界と切り離された外部環境との接
>>続きを読む

違国日記(2023年製作の映画)

4.0

他者との関係性やその距離感に探りを入れ、生きづらさや喪失の受容と再生を描いているが、矢継ぎ早に描かれるドラマに提示されるテーマと人物描写はそこまでの深みを見せず、複数のエピソードは断片的なものになって>>続きを読む

成功したオタク(2021年製作の映画)

4.5

静かな怒りや虚脱感を抱える元ファン達への取材と自身の推し活に彩られた過去を省みながら、推し活とアイデンティティが如何に密接な関係性にあるか、その個人的な揺らぎが如何に社会と連結しているか、等身大の悩み>>続きを読む

からかい上手の高木さん(2024年製作の映画)

4.3

今泉力哉作品の中では最もピュアでライトな手触りだが、熟練のストーリーテリングの手法と絶妙な人間関係への鋭い観察眼はメジャー作品でも健在だ
思春期の多感な時期が織り成す歪みともいえるような不器用で複雑な
>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.6

ポストアポカリプスの世界で繰り広げられる超弩級アクション神話の興奮をそのままに、しかしながら前作とは全く異なるアプローチで盛大なカムバックを果たす
ジョージ・ミラーは抜群の作家性を存分に発揮しながら、
>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

3.7

前章で描かれた個の物語から転がし、人物同士の関係性の妙を射止めるドラマは続編として納得のいく報酬を用意している
しかし、もう一方の軸である社会批評については安直な政治的テーマを押し出しており、社会研究
>>続きを読む

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

4.4

アイスランドとデンマークの複雑な関係性を大胆に人間ドラマに落とし込み、歴史的背景とその構造への辛辣な批評を哲学的な思考回路上で展開する
壮大な自然を捉えた美しい映像が、その不穏な空気に満ちたドラマとの
>>続きを読む

ミッシング(2024年製作の映画)

4.4

失踪事件を軸に展開される登場人物達の群像劇を通じて、判断基準や価値基準が我々の脆弱な部分を刺激し最終的に行動へ翻訳される危うさを注意深く洞察した社会派ドラマであり、
人間心理と社会問題を深い部分で連結
>>続きを読む

碁盤斬り(2024年製作の映画)

4.2

深みのある物語がさながら落語のように段々と奥へ誘う心地よい吸引力を発揮しており、抑制の効いた描写と一筋縄ではいかないエンタメのテイストに少々困惑するかもしれないが、話を落とす瞬間には豊かなカタルシスを>>続きを読む

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

4.3

ポストアポカリプスの視点から過去の遺産となった現在の世界についての探求を持ちかける社会的に示唆に富んだ魅力的なストーリーがあり、新シリーズの方針を感じ取れる程の含みのある問いかけを果たしている
その一
>>続きを読む

またヴィンセントは襲われる(2023年製作の映画)

4.2

不穏で緊張感が漂う、時に奇妙な笑いを誘う不条理コメディスリラー
小さな起点で始まる序盤から膨張した不安感が弾ける大きな終盤の着地までの紆余曲折を巧みなストーリーテリングが支えており、
現代寓話としての
>>続きを読む

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.4

恋愛映画とロードムービーのフォーマットを引用した王道な物語を基盤にし、普遍的なテーマを覗かせる奥行きのある脚本、主人公の心情を丁寧に映し出す撮影、音楽、そしてシュー・グァンハンの素晴らしい演技力に導か>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.7

様々な社会体系と人間の持つ不確かで脆弱な性質についての静かでスリリングな研究だ
鋭い洞察力によって問題を単純な二項対立として展開せず、不透明さと不完全さを利用して緻密に構築された物語から多層で含みのあ
>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.5

切なくも愛おしいシンプルなラブストーリーだが、自身を作り上げる内的・外的要因へと幾度となく思いを巡らす哲学的な側面も兼ね備えた、決して忘れられない100分強の静かな流浪の旅である

鑑賞する時間、年齢
>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.9

優れたCGで描かれる壮大で刺激的な超スーパーヘビー級戦である今作は、
その期待に応えるように映画館で鑑賞する楽しさを提供する底抜けの娯楽超大作だが、
クロスオーバー作品としての旨味は野心的な前作よりや
>>続きを読む

ソウルメイト(2023年製作の映画)

4.5

軽妙ながら細部に至るまで緻密に計算された脚本は2人の不思議で絶対的な関係性を的確に射抜いており、それを体現する主演2人を始めとしたキャスト陣の演技も素晴らしい
広く存在する友情ジャンル作品の中でも容易
>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

4.6

不安や恐怖、喪失といった孤独を取り巻く悲痛な感情と、その感情の核に備わった他者への深い愛情について、存在概念の複雑さへ探求を持ちかける奇妙なラブストーリーであり、
キャスト陣の力強い演技と思慮深く巧み
>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.4

キャストの力強い演技と洗練された撮影技術によって導かれたひと夏の成長譚であり、
その小さな物語の中心に備わった感情的な深みは、大きな声や多弁に話す事を必要とせずとも感動を際立たせられる事を証明している
>>続きを読む

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.8

壮大な世界観に例えられるような全貌の見えない人生に関する哲学的な探求を、
ピートドクターの雄弁なストーリーテリングに始まり、美麗な映像、心揺さぶる音楽によってその輪郭を大胆に捉えており、
論理的・感覚
>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.3

心惹かれる世界観や個性的なキャラクターに加え、迫真のスタントや豊富なセットピースといった映像としての見どころを多く取り揃えた実写版ゴールデンカムイは、
映像化の課題であるケレン味とリアリティの衝突に納
>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

セリフの説明過多が読解の余白をやや狭めているように感じるが、
黙示録的日常を観察し、社会と個人の変化、自己の内面の揺らぎについて現実的な視点で大胆に検証する、興味深いSFアニメーションだ

難易度:や
>>続きを読む