自分自身の根源的な感覚に触れるような、実際に体験したことがあるような。。そんな感覚とフィクションがスイッチングされながらスクリーンと自分を行き来して進んでいくような体験。
美しく淡々と描写されていく一方で時代感、不条理や葛藤であったり人間の営みが同時に入ってくる。良い意味で静と動のちょっとした違和感が心に残る。
映画においてこのような表現は適切ではないと思うが「見るより明らか」示唆されるものが生々しく直接的に入ってくる。常に僅かなの不安に晒され距離感と感覚が狂う。好きな表現。
今更観たせいかもしれないけど凄く正統派SFでもう少し外して欲しかった気もする。おそらくリアルタイムだと新しさがあったんだろうけど擦れた感じがしてしまった。とはいえ面白い映画だなと思った。たぶんあの頃の>>続きを読む
当たり前というのは必ずしも最良ではない。切り取ったのがごく一部だとしても真っ直ぐな希望と良心に触れると元気が出る。
タイトル通りまさにあの頃。一度通ってるとあるある満載。趣味に情熱を傾けるとその瞬間の幸せもあるけど、どうにも出来ない現実も悲哀もある。そのあたりのリアルさと哀愁がいい塩梅だった。
人生の限られた瞬間にしか発揮されない力強くて儚い情熱。シンプルで強い映画。元気出る。
そのまま見せられているようにも全部が嘘のようにも見える少し変わった感触が残る映画。
方向感覚が少しづつおかしくなるようなドグラマグラとかに近い感覚。そんな中にも明確な「問い」が用意されていてお見事でした。
特異な環境下での人間観察。結構やり尽くされた内容ではあったけど設定や見せ方は新しくて新鮮。現代社会の色々な影とも紐づけられているのも興味深い。
様々な問題や想いは見えないフリをしていることも含めて至るところにある。それが映画という舞台の中で絶妙な塩梅で表現されていると思った。多くの人に見て感じて考えてもらうには素晴らしい作品だと思う。
映画への愛と知識があるともっと楽しいんだろうなと想像はつく。ただ自分はそうやって映画を観てきていなかったことに気付く。主演の2人は最高だった。
寒さや退廃した建物などあらゆる要素が薄い膜を重ねてどん詰まりの息苦しさと葛藤を際立てる。カラフルなネオンとの対比が影の色を深めるように。
フィクション要素は強めだけど対比するように水に落とした墨が混ざっていくような流麗さと速さであっという間に濃淡を見せつけられる。
執着に近い緻密さと巧妙さ。それを実現し得るあらゆる要素が揃っていて、エンターテイメントとしての土俵でパーフェクトに近い映画なのではないか。
ゆらぎが重なって見えてくる美しさであったり、ゆったりとしたペースで歩む豊かさで。ゆとりを持って配されたお洒落な気遣い。そういうものに感じる気持ちの良さを感じる。
終わるはずのない夢を終わらせたってことが本当に凄かった。しかも納得出来るカタチでそれをやってのけたと思う。
一見ありきたりでチープなストーリーだけど、豊かになることで生じる様々な問題は内包していて過渡期にあるアジアとタイの今を強烈に感じる。随所にシニカルを散りばめポップにテンポ良く見せきっていて凄い。構図や>>続きを読む
足がもつれながら転びながらも進む。通り過ぎる。熱量と孤独を閉じ込めた美しい描写。
必死に蓋をしてるからといって中身はなんでもないこともある。どういう風に評していいのかわからないけど「生きる」ってことの葛藤と不条理が強く心に引っかかる。
攻殻機動隊の中で一番好きな作品。非の打ち所がないと思うこれ。
全部のパラメータ強い方に振ったらこうなったみたいな映画。天晴れ。