JBさんの映画レビュー・感想・評価

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インターセクション(2013年製作の映画)

3.6

登場人物たちがろくでもない奴らばっかでうんざりしてくるけど、ストーリーは結構面白い。砂漠のど真ん中で遭難した者たちのサバイバル劇だけじゃなくて、それぞれに思惑があって愛憎渦巻く醜悪な争いから目が離せな>>続きを読む

ミレニアム・マンボ(2001年製作の映画)

3.8

ホウ・シャオシェンの映画は初めて。ネオンが輝く退廃的な21世紀の幕開けに一人の女性の孤独と青春をノスタルジックに丁寧にとらえていて心に残る素晴らしい作品だった。

映画内で多用されているクールな音楽と
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

4.0

青々としたドラーグ人に虫ケラのように扱われる人類が反乱を起こす物語で、アニメーションが宮殿の壁画のようでも絵本のようでもあり、斬新でどこか可愛くどこか不気味で衝撃的だった。

世界観のデザインとか演出
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キャット・ピープル(1942年製作の映画)

4.2

自分を猫族の血筋だと信じている女性の悲恋と抑圧、潜在的な解放への切望を色んなメタファーと陰影を駆使して描くのがおしゃれですごくカッコいい。

不気味な演出は確かに映えてるけどホラーというよりはちょっと
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プロメテウス(2012年製作の映画)

4.4

エイリアンシリーズの世界線と繋がるけど、エイリアンの話ではないと思う。人類の創造主を探究する未知への旅に乗り出した宇宙船員たちが思いもよらぬ事態に見舞われる。

リドリー・スコットによる神がかった世界
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フィツカラルド(1982年製作の映画)

4.3

『アギーレ/神の怒り』に引き続き夢に固執し堕ちていく男の姿を圧倒的な映像で描き出したヴェルナー・ヘルツォークのスペクタクルな一作。ここでもまたリアルで迫力のあるドキュメンタリー・タッチの映像が楽しめる>>続きを読む

言の葉の庭(2013年製作の映画)

3.8

梅雨の日本庭園で将来の不透明さや生きづらさに思い悩む二人の男女が言葉を交わす様子が和歌のように緩やかで普遍的で落ち着いた時間が流れていくような感覚が心地よかった。

雨の表現が美しくて、流石の映像に圧
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秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

4.0

学生時代から社会人になるまでを三つのパートに分け、それぞれで淡い恋模様を描いたアニメ映画の傑作。新海誠監督らしい透明感のある美しい映像が堪能できてめっちゃ良かった。

ラブストーリーとして大きなことが
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ローカル・ヒーロー/夢に生きた男(1983年製作の映画)

4.3

土地買収に田舎町に来た大企業の社員と町の住民たちの関係性や考えの変化がメインのお話。土地をめぐって大きく対立するわけでもなく、文化の違いもさらっとユーモアを含んで描くだけだが、ずっと穏やかな雰囲気でと>>続きを読む

ビッグ・ヒート/復讐は俺に任せろ(1953年製作の映画)

4.1

これぞハードボイルドというフリッツ・ラングの骨太なクライム・サスペンス。この時代の映画にしてはかなり熾烈な内容で、男だろうが女だろうが関係なくこの沸々とした熱が湧き起こる闘いに巻き込まれていく演出の仕>>続きを読む

π〈パイ〉 デジタルリマスター(1998年製作の映画)

3.9

今のところダーレン・アロノフスキー監督作には本当にハズレがない。こういう世界の真理に迫る話の独特の緊迫感が好きなのかもしれない。数字に囚われた男が現実と幻想の境目で狂っていく様が不気味に描かれていて面>>続きを読む

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)

4.1

人間の残酷さが許された時、その暴走に良心や倫理が理不尽に踏みにじられる光景が恐ろしく、歴史の暗部をまざまざと描いていて鬱々とした感情が深くもたらされる。主人公への感情移入が止まらないし、パッツィーのあ>>続きを読む

ターミネーター4(2009年製作の映画)

3.9

スカイネットが人類を支配した"運命の日"後の世界をメインで扱っているのはシリーズで多分これだけ。その荒廃したディストピア感が凄く好みで引き込まれた。

世界を救う運命を背負ったジョン・コナーと、そのた
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ピースメーカー(1997年製作の映画)

3.6

消えた10発の核弾頭を追跡する二人の対テロのプロフェッショナルを描いたサスペンス・アクション。少々荒っぽい熱血で敏腕な兵士であるジョージ・クルーニーと、知的で美しい核の専門家のニコール・キッドマンのバ>>続きを読む

グロリア(1999年製作の映画)

2.8

ジョン・カサヴェテス監督によるオリジナル版はジーナ・ローランズのハードボイルドなカッコよさが詰まっていて素晴らしかったけど、このリメイクではグロリアの取り乱すシーンも印象的で、弱さを併せ持つ愛情深い女>>続きを読む

21ブリッジ(2019年製作の映画)

3.8

チャドウィック・ボーズマンの正義を貫く刑事役がめっちゃ似合ってる。警察という組織から逸脱しても悪いものは悪いものと振り切り鉄槌を下す姿が清々しくてカッコいい。

一つの強盗事件から街を揺るがす巨大な陰
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隣人は静かに笑う(1999年製作の映画)

4.0

家庭的で好印象な隣人は裏でテロ計画を進めている。政府はテロが起きたとき、国民を安心させたいがためにもっともそうな容疑者を立て、たとえそれが真実でなくても事件は解決したと思い込ませる。だれが悪魔にせよ、>>続きを読む

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.4

スター・ウォーズシリーズの映画で一本だけ観てなかったやつ。ルーク・スカイウォーカーが壮大な旅に出る少し前にレイア姫に託されたデス・スターの設計図。それを手に入れた、ずっと語られてこなかった英雄たちに焦>>続きを読む

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

3.9

誕生日に謎の仮面に狙われ死に戻りから抜け出せなくなった主人公が犯人を突き止める過程で自分の生き方を見つめ直していく、ホラー映画の皮を被ったヒューマンコメディ。

仮面の正体を暴くために何度も死ぬことを
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28日後...(2002年製作の映画)

4.2

高速で動くタイプのゾンビは、ただでさえ生命力が強いのに人間を殺す能力も増していて絶望感が凄い。病院服を着た男が荒廃した世界をただ一人彷徨うところから始まり、だんだんと状況がわかってきて...という展開>>続きを読む

グッド・タイム(2017年製作の映画)

4.4

銀行強盗をした逃走中にはぐれて刑務所に収監された弟を救うために兄が奔走する。主人公が負の連鎖に巻き込まれていく様がノンストップで進んでいき、息つく間もない独特の加速する感じがクセになる。

登場人物を
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緋色の街/スカーレット・ストリート(1945年製作の映画)

4.3

陰影が映えるショットが印象的なノワール・タッチのサスペンスで、退廃的で悲劇の渦に巻かれる人物たちの哀れさがどこか滑稽で、笑えないけど面白い。

年上の男に色気振りまいて金を搾り取ろうとする女とその荒っ
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ターミネーター3(2003年製作の映画)

3.6

ストーリーの壮大さは個人的に1と2の足元にも及ばないと思ってるけど、アクションシーンは映画を印象的なものに押し上げていてめっちゃ良かった。特にクレーン車と格闘する道路でのカーチェイスが無駄がなくド派手>>続きを読む

エネミー・オブ・アメリカ(1998年製作の映画)

4.2

ひょんなことから巨大な陰謀に巻き込まれる男の闘いがテンポよく描かれていてめちゃくちゃ好き。強大な権力の前にどうしようもないと思った矢先現れる助っ人のジーン・ハックマンかっこよすぎるし、サントラも良い。>>続きを読む

ザ・インターネット(1995年製作の映画)

3.8

コンピューターが普及し始めてまだまもない頃にその危険性を題材にしたサスペンス。住所や身元を証明するデータをすべて削除され人生を奪われた女性ハッカーが孤独な戦いに挑む。

誰の助けも借りられない中でどう
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ダブルチーム(1997年製作の映画)

3.5

ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演の軽快なアクション映画だけど、正直共演のデニス・ロッドマンの印象が凄い。本人が有名なバスケットボールの選手だから、「俺はバスケの天才だぁ!」って舞い上がってるシーンが>>続きを読む

バベットの晩餐会(1987年製作の映画)

4.3

食というものは命を頂くという崇高なもので、人と人の心をつなぎ安らぎをもたらす行いだということを深々と考えさせられた。デンマークの小さな村が舞台で、その静かな美しさに魅了される中で流れるゆったりとした時>>続きを読む

ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

4.0

ベン・アフレックのガタイが良いから自分が思う会計士のイメージとはちょっと違うと思ったけど、少し堅く神経質っぽい雰囲気とスタイリッシュな暗殺シーンのギャップが上手くてめちゃくちゃカッコよかった。

主人
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.4

ヨルゴス・ランティモス特有の気持ち悪い独特な世界観がクセになってきた。マーティンも怖いけど理不尽に選択を迫られるスティーヴンも、突然の出来事だからこそ現れた本性のような感じで嫌すぎる。

悪魔的な存在
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トムボーイ(2011年製作の映画)

3.8

子供ながらの無邪気さや好奇心、多感な時期によるセンチメンタルな心情が凄く丁寧に繊細に描かれているアイデンティティーの探求映画で、短いのにとてつもなく深い後味が残った。セリーヌ・シアマは本当に現代の天才>>続きを読む

アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)

4.3

霧がかったアマゾンを広大に映し出したファーストショットからもうこの映画が他とは一線を画した別のレベルにいることがわかる。

かつて黄金郷を目指した探検隊の狂気がまざまざと描かれる。スペクタクルで神秘的
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地獄(1960年製作の映画)

4.2

罪にまみれた人間たちが地獄の業火に苦しめられる。地獄のイメージが非常に強烈で、そのビジュアルもディテールが凄く凝られていて世界観の出来にびっくりした。

終始雰囲気が不気味で嫌なことが絶え間なく起こり
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リロ&スティッチ(2002年製作の映画)

4.3

スティッチというキャラクター自体は有名でずっと前から知ってたけど、映画は見たことなかった。ディズニーによる2Dアニメーションは今となっては本当に出ないので少し新鮮。

破壊衝動を抑えられない宇宙怪獣と
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ダイ・ハード4.0(2007年製作の映画)

4.4

タフで地道な捜査を今までしてきたジョン・マクレーンがサイバーテロに立ち向かう。クラシックなスタイルを通してきたマクレーンがコンピューターという最先端技術に翻弄される様が面白い。

とにかく印象的なアク
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ダイ・ハード3(1995年製作の映画)

4.3

クリスマスムービーではなくなっても刑事アクションとして最高に面白い。ジョン・マクレーンが爆弾魔の計画を阻止するためニューヨークを駆け巡る。

犯罪者たちに翻弄されボロボロになりながらも確実にそいつらを
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グリズリーマン(2005年製作の映画)

4.2

野生生物保護活動家のティモシー・トレッドウェル思いと最期を描いたドキュメンタリー。雄大な自然の中で一人クマと戯れる彼の自由な姿は凄く魅力的に映った。

自然界への介入に関してはちゃんと線引きしてる人た
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