SF、神話、巨視的時間という三角形の図式を描ける物語がモノトーンの建築や風景と重なって展開される美しいSF譚で、ある意味で正当に『ラ・ジュテ』以降の作品という認識を持った。
巨視的で膨大な時間の表現が>>続きを読む
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とにかく素晴らしい作品で、個人的なアニメ映画の鑑賞歴から見ても異質な水準の作品だった。
ミニマル、ポストクラシカル的な音楽、軽やかな髪やスカートの所作、光の鮮やかで繊細な表現、決して事件ではないが物事>>続きを読む
優れた作劇や悪役としての松田優作の怪演、という前評判に期待して観てみるとヒロイックなアクション、日本のヤクザ映画、1989年当時の大阪の記録等複数の文脈を持つ名作だった。
重要なのは主人公のニックと悪>>続きを読む
教会での聖餐式の最中に行われる殺人、事件の痕跡として飲み下される十字架、最後の殺人の構図が歪んたピエタである事など涜神という要素が散見される良いスラッシャーだった。恐怖の主体がずらされてゆく所や音楽に>>続きを読む
ヘッセ的な苦悩と内省を伴う若者の姿と若さ故の無軌道が同居する青春映画で素晴らしかった。台風の中踊り狂うシーンや舞台でのユーモアを交えたシーンなど見所が各所にあり、焼き付いて離れない作品。
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怪奇幻想的なシーンを交えつつ飛躍し、サタニズムに収束する展開が鮮やかな素晴らしいホラー映画だった。現実と虚構の境が曖昧になる感覚やラストシーンでの黒いカタルシスに『ローズマリーの赤ちゃん』との類似、若>>続きを読む
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事実と虚構が反転し続ける展開や象徴的なシーンに挟まれるダンス、壮大なピカレスクとしての物語が妄想という一点に集約され、反転するラストなど見所が多く、美しい映画だった。また落ち着いて観てみたい。