じょうだいさんの映画独白さんの映画レビュー・感想・評価

じょうだいさんの映画独白

じょうだいさんの映画独白

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パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

4.2

恩人の死を目の当たりにして感傷的な音楽が流れたと思ったら処刑BGMだったの爆笑。基本みんな頑丈だけど死ぬ時は死ぬ。潔すぎる「韓国おねショタ版レオン」。

ティル(2022年製作の映画)

4.8

アメリカンフィクションと完全に対をなすノンフィクション。全編美しく構成されすぎるぐらい美しい映像だからこそ、より浮き彫りになる差別者の悪意。「映画はここぞという時こそ黙れ」が最大限活きた、判決後の黒人>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

4.6

映り込む全犬がかわいい☺️の思いを全力で裏切ってくるクソ展開。ていうか隠しカメラシーケンスがずっとイカれてる。インスタのインフルエンサーみたいな女の子がどえらい姿になる。モキュメンタリーと思ったらバチ>>続きを読む

ファミリア(2023年製作の映画)

3.4

「52ヘルツのクジラたち」前に監督前作。作品のメッセージよりもツッコミどころが多すぎて...。屋上セッからの翌朝の状態とか、その動画撮ってどうするつもりだったの?とか、タブレットの説明書取り寄せたの?>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.4

アマプラ配信映画。チャチャっと仕上げた小説がバカ売れしてしまった世の中が求める「黒人の真実」。よりドラマチックに求められる悲劇、実際には地位向上や平均化された「黒人の現実」。よりよい健全な社会が目指し>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

4.8

5年ぶりぐらいに見た特級呪物。呪いであり罰でありながら、怨念でも死霊でもなく、人生の淵に立ち続けるトラウマ。開始42分で垣間見える豹変と、死んだ方がマシだったと思ってしまう8年後の現実。「もはやホラー>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.8

寄り添うという良識、踏み込まないという距離感。毒にも薬にもならないものが、真に人生の夜明けに向かわせるのかもしれない。ケリー・ライカート監督作のような、無から有を導き出すような情景描写。上昇志向がなく>>続きを読む

百花(2022年製作の映画)

4.6

川村元気渾身の超絶大傑作だった。ずっと居心地の悪い菅田将暉が心地いい。認知症になった母を通して、人間が一生の内に得られる限りない体験の中で最後に残されるもの、そこから形成される人格、その虚しさと無情。>>続きを読む

罪の声(2020年製作の映画)

4.7

消えない燻り続けた炎は、再燃した炎によって鎮火される。あくまでも炎なので開けてはいけない真実まで引きづり出してしまう。しかし、小栗旬と星野源の束の間のバディがあまりにも美しく暖かい。

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

5.0

やっぱり最高傑作は4。老害化するウッディが次世代を育て、引き際を知るとともに、それでも終わらない人生に希望を見出す構成は完全に大人のための映画。「いや実写じゃん」なカットが散見される。完全にシリーズが>>続きを読む

トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)

4.7

以前見たときはラストが好きじゃなかったけど、4年の時を経て全編最高の映画に醸成された超々大傑作!!

翔んで埼玉(2018年製作の映画)

4.3

バカ映画なんだけど、邦画界屈指のエキストラの雪崩は貴重。ラストの「埼玉とは」を畳み掛ける的を射るナレーションが気持ちいい。商業主義退廃上等の踊らにゃそんそん大金ばら撒き娯楽大作。GACKT&二階堂ふみ>>続きを読む

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

4.3

「誰だあの女の子...浜辺美波?」から数年。「えっ?あれ北村匠海だったの?」で見始めて「マジだ北村匠海じゃん!」最後の最後でミスチルメロの圧がスゲェ。極寒の動物園みたいな高校に通ってた身からするとファ>>続きを読む

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.4

去年見たかったけど行けなかったやつアマプラ100円セールで。配信向けの興味を惹き続ける展開やファストな内容とはかけ離れた「映画」。音にまみれる長々長回しの135分。本編中唯一の音楽が静かに大きく躍動す>>続きを読む

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

4.8

戦争映画は人一倍画作りにこだわり抜かないと、視聴に耐えきれず精神に異常をきたす。本作は数学的に美しい構図が続く。それでも限界ギリギリまで攻められてボロボロになる本作。それを耐え抜いた先にある"生きたい>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

4.7

他の追随を許さない"終わらせ方"に定評のあるノーラン映画において、圧倒的「希望」の眩しさが段違い。それは史実に基づくからであり、フィクションでは生まれない成分で出来ている。多分オッペンハイマーではこん>>続きを読む

キリエのうた(2023年製作の映画)

4.7

コミュ力ゼロで才能の塊キリエと、コミュ力MAXで才能のないイッコの友情の裏の憧れ合いの関係性を愛でる170分。誰かに憧れても、「自分は自分にしかなれない」という至極当然の結果に帰結。片や本当の自分を見>>続きを読む

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.7

カットの中にある「豊かさ」の正体が掴めないまま映画が終わる。過不足なく完璧であり、それを自然とゆったり見せ続けていく神の手が介在している。最も身近で、最も遠いセリーヌ・シアマの才能。

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

4.3

遊園地をシニア向けのキッザニアに喩えて老人視点で社会のむごさを浮き彫りにする。いわゆる"もはや"ホラーの類い。73年制作で未公開、2020年代になって世に放たれた意味を噛み締める。老いとは、いつ終わる>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.8

ずっとワンピースフィルムREDみたいだなぁと思いながら見てた。

切腹(1962年製作の映画)

4.8

タイトルからは想像もつかない、貧困不条理サスペンスだった。伏線と回収ってのはこういうのを指すんだよマジで。個人的時代劇ランキングが波乱。面白すぎた。

あしたの少女(2022年製作の映画)

4.7

オンライン試写にて。

実際の事件を基にして、創作を交えて訴えられる韓国の社会構造の一端が垣間見える傑作。

前半は事件を主人公の視点からそのまま描かれる。高校から企業へインターンのような形で就業する
>>続きを読む

ウェディング・ハイ(2022年製作の映画)

4.6

新郎新婦、友人上司恩師その他それぞれの思いが交錯するバカリズム脚本の妙。しかしハイライトはウエディングプランナーの篠原涼子パートで、大九明子監督による「自己満突っ走り女のお仕事映画っぷり」は胸が熱くな>>続きを読む

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.7

去年見てたら年間ベスト10には入れてた。可能な限り自然の美しさだけで構成され、物語はわかりやす過ぎない程度に一本道。自然の脅威に対して形成された社会は常識と偏見を生み、行き場のない少女は無情の自然に身>>続きを読む

Vフォー・ヴェンデッタ(2005年製作の映画)

5.0

今の自分にもろドンピシャなんじゃないかと思って見返したが、めちゃくちゃ感動の嵐だった。バイオテロで国を牛耳る政治家を、言葉を電波に乗せて真実と共感の訴えの伝播がそれを打破し、新しい世界を切り拓く「言葉>>続きを読む

The Witch/魔女(2018年製作の映画)

4.5

以前見たと思っていたのは「悪女 AKUJO」だったことを知り、初見。続編ありきのシナリオで、全体の構成にプロローグ感が強い。梨泰院クラスのソシオパスの娘が主演かつデビュー作。処刑〜温室炎上が最高。マト>>続きを読む

世界の終わりから(2023年製作の映画)

4.1

紀里谷監督の映画はこうであって欲しかった形に着地している。しかしやはり、話しのスケールと登場人数が合わない手に余る状況に。それが主人公ハナに託された使命とかけていても、だいぶキツくなってくる。監督作で>>続きを読む

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

4.5

民衆の貧困と売春。原理主義者の暴走。宗教と倫理道徳が直結した世界観で、善悪の天秤は何を支柱にすべきなのか。蜘蛛とは誰を指すのか。本能的にミソジニーが根底に蔓延る正義と腐敗。明確な物語進行と不明瞭なラス>>続きを読む

あの日、欲望の大地で(2008年製作の映画)

4.7

音楽がハンス・ジマー×オマー・ロドリゲス(マーズヴォルタ)なので大学時代映画館で見た数少ない映画。密かに持っていたレンタル落ちDVDを引っ張り出した。こんなに機微の凄みの塊だったのか。省略の演出が上手>>続きを読む

ヴィレッジ(2023年製作の映画)

4.6

必死で築き上げたからこそ、それを守ろうとする想いが権力に縛られる。無表情の面の穴から見える狭い視界。ムラ社会の既得権益が出来上がる様をまざまざと見せられる。逃れられない村の秩序と家族の血。
入場者特典
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ある用務員(2020年製作の映画)

4.2

時代は令和ですよ。Vシネを終わらせにきたアクション映画。MVPはやはりというか結局、伊澤彩織。演技を超えたホンマもんの殺し屋像爆誕。最後のあれギリギリまでガチで首絞めてない?

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.3

イルミネーションの癖全開で、全てのキャラとギミックの扱いが愛に溢れている。 ディズニーのような政治は一切皆無のオヤジホイホイキッズムービー。マリオでAC/DCを聴く日が来るとは誰が想像しただろうか。M>>続きを読む

希望と絶望 その涙を誰も知らない(2022年製作の映画)

4.8

日向坂46のドキュメンタリー。欅坂にキラキラしたのはいらんのよ、とスルーしていたこれまでの自分を焼却炉にぶち込みたい汗と涙と血の「真実」。大人たちは本当に容赦なく酷でしかない。結成からドームまでのあま>>続きを読む

真・事故物件 本当に怖い住民たち(2021年製作の映画)

4.0

漫⭐︎画太郎の「オラーー」と「ぐぎゃーーー」は実写化するとこんな感じなんだろうな。説明過多だけど前振りぶん投げまくった結果、スプラッターの快楽だけが残る。制作陣がホラーフェチなのは十分伝わった。

最後まで行く(2023年製作の映画)

4.6

オリジナルに+αどころかβγΖからΣまでぶち込んだ藤井道人流「孤狼の血LEVEL2」であり、ワイスピと同日にぶつけても引けを取らない邦画の希望がここに。ダメダメ泣き顔の岡田准一vsシリアスキレ芸の綾野>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.8

これは業界と表現者の新陳代謝ではないかと思い始めた。登り詰めるために戦っていた意志は自然と権威の高圧さに変貌し、周囲を萎縮させ、自らの人生すら狂わせる。

ラストは全てを削ぎ落とされた老害が、音楽だけ
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