タイムリープもの自体はごまんとあるが、今作は新しいアプローチだったので興味深く観られた。設定をあえて深堀りしないことによって生まれる余白も自分は好きだった。
非情なほどに現実的だった。芸術は必ずしも正しく、美しいわけではないことがしっかり描かれている。
お米10kgくらい全然持てるし、妥協して一緒に居続けるくらいなら1人でいいなあ、と思ってしまった。多少は目を瞑ればいいかってレベルじゃない。
かなり見応えのあるドキュメンタリーだった。
「今日撮影なんて聞いてないぞ」「こんなのに税金払えるか！」っていう怒声が現実にあったことだから胃がキリキリする。芸術というものは、不要な人にとってはとことん>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
サブスクで入り始めてすぐの頃にも観たので2回目。やはり一部のミニシアター好きにしか刺さらなさそうなコアっぷり。ところどころついていけない部分はあるが、概ね楽しめる。
『伴くん』パートが特に良すぎる。>>続きを読む
ちょっとオチが読めてしまったが、自分が何者か、どんなことをしたのかわからないままで、あのラストは後味が悪すぎる。罪悪感で記憶に蓋を閉めて、老いて認知症になって弱ったところを利用するって、なかなかグロい>>続きを読む
この露悪的な下ネタ全開コメディに、なかなか無駄に豪華なキャストが集まっているのが既に面白い。
閉店時間が迫って「誰も来るな！」って念じるのわかりすぎて笑った。学生時代のバイトを思い出す。
2人ともタイムリープしてそうとか、それくらいの予想ならつくけど、それ以上のカラッとした恐さがあって良かった。6分弱でこの満足感。
『ミッドサマー』『ヘレディタリー／継承』って全然わかりやすいし、アリ・アスター作品の中では序の口だったのか…なんて愕然とする難解さ。ヨブ記について事前に調べたとはいえ、ギリギリついていくのがやっとだっ>>続きを読む
前半はやや退屈な時間が続くので、期待しすぎたかと思ったが、中盤でのギアの上がりかたが凄まじい。口論が生々しくて胃がキリキリする。
客観よりも主観の方が真に迫っているように見えてしまう人間の浅はかさを突>>続きを読む
ささやかなプレゼントのような映画。季節でいうと秋に差し掛かった頃の人生。余計な台詞がなく、厳選された言葉たち。静かにゆっくりと触れ合う小さな愛が美しい。やはりカウリマスキは映画をつくりつづけるべき人で>>続きを読む
劇的なことはなく、事件も起こらず、淡々と過ぎゆく日々を見つめているだけなのに全く飽きない。病気や障害をエンタメとして消費しない、男女を安直な恋愛に結びつけない描きかた・展開をみて、邦画界に一縷の希望を>>続きを読む
以前から観ようと思っていたが、先日観た『哀れなるものたち』と比較でしばしば挙げられているので、取り急ぎ鑑賞。
こちらの方がややミサンドリーの色濃い描写が多かった気もするが、共通するのは「それでも私はこ>>続きを読む
気安く他人には薦められない。が、映画館で観るべき映画だった。脳が掻き乱される。我々が抱く嫌悪感や羞恥心でさえも舞台装置となってしまう。
男性たちの支配欲を知性でぶっ飛ばし、自由へと突き進んでいく姿が爽>>続きを読む
「予算3万でつくられたらしい」とか「血糊に吐瀉物を混ぜてよりリアルにした」とか聞いて、本当かどうかはわからないけど後者に関してもやりかねなさそうと思ったし、阪元監督の才能を末恐ろしく感じた。
このレビューはネタバレを含みます
しっかり怖かった。軽い気持ちで降霊術なんてするもんじゃないですね、当たり前に。
ミアは特段良い子ではないし、可哀想ではあるけど、いまいち同情ができない。依存性が強く、どこにでもいそうな普通の若者なのが>>続きを読む
誰かを笑かしたい衝動に取り憑かれるものの、社会には迎合できないという乖離。こんな悲劇的なことはない。才能ゆえの地獄。他の追随を許さぬ没頭には誰にも敵わない。胸がヒリつく生々しい映画だった。
原作既読。映像化によってさらに解像度が上がるのはすごい。原作になかったシーンが、まるで元々あったかのように描かれており、野木先生の手腕が光っていた。
中学生の不安定さがリアルで、大人になればなんて事な>>続きを読む
皮肉と風刺が満載のブラックコメディ。エロなしで殺人シーンもわりとマイルド。観やすいスプラッター。不謹慎だけどハムが本当に美味しそうだった。
ヴィーガンと環境保護活動家が一緒くたに扱われていたのは、あえ>>続きを読む
先の読める王道ラブコメなのに、不思議と退屈しなかった。自分を大切にしてくれる人を大切にすべきだし、幸せは案外すぐそばにある。
このレビューはネタバレを含みます
タイムスリップではなく、主人公だけが若返って、現代の家族たちと交流する設定が意外とないものなので、斬新さを感じた。
良い話風に終わったけれど、約20年もの間、子育てや家事に関しての責任を妻に押し付けて>>続きを読む
どうしても企業案件臭さは否めないものの、変わり映えがないようで、少しずつ移ろいでゆく日々の美しさを眺める、優雅な時間だった。役所広司がふと微笑むだけで映画になる。
理解されにくいマイノリティ側の苦悩ではなく、理解できないマジョリティ側の辛さがよく描かれていた。
多様性のある社会とは、自分にとってはどれだけ大事なことであっても、他人からすれば全くどうでもいいこと>>続きを読む
実際は人並み以上に親切なのに、余計なことばかり言って顰蹙を買う、メルヴィンおじさんを愛でる映画だった。この偏屈おじさんがベストセラーを連発する恋愛小説家だなんて、にわかに信じ難い…(笑)
ロードムービーの名作。ところどころ「そうはならんやろ」が発生しつつも、有無を言わさぬカタルシスを得られた。脳内がとっ散らかったときは、また観ようと思う。
美しいリズムの心地良さがそのまま具体的に映像になっていて感動する。今回で観るのは2回目だったけど、数年置いてまた観たい。
最初はシモンのことが鬱陶しく思えて仕方がなかったけど、エンドロールを眺める頃には愛おしい気持ちになっていた。
ただひたすら日常で、飛躍した非現実的なことは起こらない。これを地味と呼ぶか、慎ましいと呼ぶかはハッキリ分かれる。言葉って本来は不要なものなのかもと思わせてしまう、口数の少なさ。かっこいいなあ。
現代(2023年)を生きる個人の価値観で計ってしまえば、ユカは本当に思慮が浅くてバカな女のように映る。だけど、こういう風にしかなれないよね、と多角的な観点から察して、完全に納得してしまった。あまり素直>>続きを読む
前評判ほどの難解さは感じなかった。手放しで絶賛するほどでもないのでは、との所感は抱くものの、それなりに楽しめた。面白いともつまらないとも言い難い。これぞジブリ。宮崎駿無双。ただただ2時間打ちのめされる>>続きを読む
想像以上にアツかった。アメリカンドリーム。
ありきたりな感想すぎるけど、正直これ観たらエアジョーダン欲しくなっちゃう。
現役大学生の頃だったら、観てられなかったかもしれない。たまたま少し共通項があって、なんとなくつるんで、身のない話をしながら無為に過ごす時間。きっと3年も経てば、連絡すら取り合わなくなるだろうな、という>>続きを読む
漫画原作の実写映画は数多くあるが、今作は近年でもトップレベルの面白さだった。
荒木飛呂彦作品のキャラクターは作画も然ることながら、髪型や衣装も奇抜にもかかわらず、コスプレ感がほとんどない。
飯豊まりえ>>続きを読む
この映画は自分にとってはNOT FOR MEだった。それでも、観て良かったと心の底から思えるほどの引力がある。
「安心できるところの方が少ないじゃん。落ち着くとこばっかにいたら打たれ弱くなるから」
この白城さんの台詞が真理でしかなくて。
でも、心が弱っている時期に観たら上映中殆どずっと泣いてたかもしれない。自分>>続きを読む
