車で並走→窓開けた瞬間に発砲→平然と追い抜いていくサイコシュトロハイムだけは見もの
何となく田中絹代はヒロイン枠として受けつけないんだが、同じ小津組の佐分利信や坂本武が良かったので楽しめはした
この辺りから成瀬は小津とほとんど同一であった視点が乖離して、ベクトルが悲劇へ向いていくように思う
しかし結婚というより女性そのものを主題として扱う手腕は他の誰より卓越している
これは個人的に好きです
グダグダと喜悲劇を引き延ばす同時代の詩的リアリスム云々より、過ぎ去った年月の甘美に浸る大人の視点が染みる
やはりペシミスティックすぎる部分もあるが、若い男女を登場させてしまう>>続きを読む
圧倒的な速度とカット量
しかし殺陣にしてもフレーム毎の連鎖が前衛性ではなく紛れもないアクションとして成立しているので、長回しよりも遥かに強烈な映画的瞬間に収まっている
小道具の配置が見事としか言いようがない
物語上で特別な意味を帯びるわけではなくただ構図へ強かに収まっているのだが、映画が展開するうえで確実に無くてはならないもの