nuuさんの映画レビュー・感想・評価

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砂の器(1974年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

原作未読なので、その点は御容赦。

【和賀の動機、千代吉の嘘】
解説は野暮かもしれないが、親子が会おうとしなかった事に関して自分なりの解釈を書き記す。
結局最後は和賀も千代吉も、親子の再開は拒否する。
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晩春(1949年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

途中は少しダルかったが、構図や台詞回しが心地よかった。

京都でのお説教シーンと、リンゴを剥くシーンが良かった。特にリンゴ。

娘は「お父さんったら私が居ないと何もできないじゃない!」と心配していたが
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そして父になる(2013年製作の映画)

4.0

是枝監督は、ちょっとしたディテールから背景を想起させるのが上手だと思った。

なんで福山があんな石頭なのか、尾野真千子がどんなことを気にしながら生きてるのか、リリーの生き方に対するスタンス、真木よう子
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

Netflixのコロニア・ディグニダのドキュメンタリーを鑑賞後に見た。


【映像がヤバすぎる】
最初から映像の緊張感が凄くて、目が離せなかった。
絵を上からどんどん塗り潰すようなストップモーションア
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

この作品は、エンタメとしてのジブリが好きな人には向かない。どちらかというと作家宮崎駿に興味がある人にとって面白い作品だと言える。


【宮崎駿の作家性とは?】
ここ最近の宮崎駿の作品に頻繁に出てくるキ
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

良いところもいっぱいあったけど、惜しかった。


良いところは、部屋とか家具とか、美術周り。ラストシーン含めとても綺麗。
あと、『嫌な感じ』の演出が上手い。怖いんじゃなくて、すごく嫌な感じ。鮮度の高い
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哭声 コクソン(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

【前提知識、キリスト教】

この監督は自身もクリスチャンであり、冒頭にも聖書の一節が挟まる。冒頭に出てきたのは、

「キリストが再臨して弟子の前に現れるが、弟子はそれを復活とは認識できず『幽霊だ!』と
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女神の継承(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

【ホラー全部乗せ。熱量に喝采】


憑依、定点カメラ、POV、土着信仰、カルマなどがエッセンスとして盛り込まれており、いろんなホラー作品からのサンプリングを感じた。

個人的には、その既視感を乗り越え
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下妻物語(2004年製作の映画)

4.2

久々に鑑賞。昔から好きな作品だけど、時間が経つとまた見方が変わって面白かった。


昔は、主人公2人が仲良くなったのって、イチゴの素直さをモモコが受け入れたり、モモコの一貫した人生観をイチゴが認めたり
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空白(2021年製作の映画)

4.2

タイトルの『空白』はいろんなところにかかっている。第一には娘の不在だけど、


・明確な悪者(怒りのやり場)の不在


が一番のテーマなのかね。

全員悪くないとも言えるし、全員悪いとも言える。この何
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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

久々にとても爽やかな青春映画を見た。3人それぞれが自分の歩みたい人生を歩めると良いな。そこに別れがあったとしても。



最後に3人とも誰ともカップルにならなかったのは、個人的にはナイスだった。

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パターソン(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

平和と安定の中の、ちょっとの刺激。そんな毎日。


繰り返しで差がない毎日は辛い。その中にちょっとの変化や出来事があるから、人は生きていられる。

創作が日常にある人は、変化に敏感になる。ただ絵を見た
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ダージリン急行(2007年製作の映画)

4.0

・私は退屈な映画が好きだ。決して皮肉ではない。たまにこういう映画が見たくなる。

・色彩豊かで淡々としていて、爆笑じゃないユーモアがあって、それが如何にもウェスアンダーソンらしい。

・キンクスのイギ
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ジョーカー(2019年製作の映画)

3.8

個人的には、評価したい。

ジョーカーは前半、発作による痛々しい笑いを繰り返しているが、後半は本当に楽しくて笑ってる。悪逆の限りを尽くしてる彼なのに、何故かちょっとだけ「よかったね」と思ってしまった。
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

4.2

芸術家を志すならば、必ず観るべきドキュメンタリーの1つ。


まず驚いたのは、ホドロフスキーが自分自身の作品を心から愛し、素晴らしいものだと信じている点だった。これは芸術家としてとても正しい、あるべき
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グリーンブック(2018年製作の映画)

3.7

丁寧な作りで悪くないけど、話はわりと普通だった。実話らしいが、ちょっと疑問に思うところも多いし、脚色したであろう部分があんまり効果的じゃない。んーー、佳作止まり。


①映画として
観てて疲れることは
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.0

意味を考え出すと楽しめなくなる映画。考えるな、感じろ!!


①長い映画だけど、画や音楽、組み合わせなどが格好良い。ともすればコラージュ的に映像のトーンが変わるので、案外飽きずに見れる。

②ネタバレ
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トイ・ストーリー(1995年製作の映画)

3.8

この映画が世界的に流行ったせいで、オモチャを簡単には捨てられなくなってしまった御家庭もさぞ多かったことだろう。

かく言う私もその1人で、ほとんどのオモチャを捨ててしまった今でも、1歳の時に祖母が縫っ
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トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)

3.9

4鑑賞後に久し振りに鑑賞。

やはり3部作の完結編として素晴らしい。もうこんなん作られたら次が受け入れられないのも仕方がない。(4も面白かったけど。)


ロッツォがあと一歩深みがあるキャラになればも
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トイ・ストーリー2(1999年製作の映画)

3.8

4を見た後久々の鑑賞。

シリーズ通して、一番何も考えずに冒険活劇を楽しめる。


ウッディが4で自由になるまでの間、本当にいろいろな選択肢があったんだなと思い出した。

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

3.9

とても良かったけど、ちょっと要素を増やし過ぎたと思う。


①今までになかった、子供が自分で作ったオモチャ。生まれた事の意味(フォーキー)
②独立することへの是非(ボー)
③子供に遊んでもらうという喜
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

都内2館だけにしておくには確かに勿体無い佳作。悪くない。



【良いところ】
・ワンアイデア低予算映画だけど、それにしてはポップに良く出来てる。

・劇中劇に、低予算ゾンビ物のお約束が結構入ってて面
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ダークナイト(2008年製作の映画)

4.0

うっかり寝る前に適当につけたら、寝れなくなった。

アメコミ映画らしからぬ、かなりシリアスなタッチで見応えあり。満足度高い。

バットマンもジョーカーも生身の人間で、いくらバットモービルやスーツが凄か
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

クイーン好きとバンドマンは、できれば見ておくべき一本。

この映画は主に、フレディのカリスマ性と孤独、家族観、そして音楽への愛と姿勢にフォーカスしている。が、脚本にはやや浅さもあり、”芸術作品としては
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セトウツミ(2016年製作の映画)

3.8

こういう何も起こらない映画は結構好き。

深夜の15分ドラマっぽい雰囲気もあるけど、2人の会話の漫才的面白さじゃなくて、このダルッダルな空気の中にしっかり入り込むなら映画というフォーマットは良いかもし
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スリーピング ビューティー 禁断の悦び(2011年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ヒロインからも老人からも、強烈な虚脱感、絶望、諦めを感じた。

んー.....監督があまりにクレバー過ぎる。凄く執着を持って撮ってると同時に、登場人物も客もメチャメチャつけ離す。凄く完璧な標本を並べて
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愛のむきだし(2008年製作の映画)

4.1

コリント人への手紙のシーン、「そんだけ愛について知ってるのに、なんで目の前の愛に気づかないんだ」と思った。

たぶん、愛はまだ与えられてなくて、頑張ったら頑張った分だけ獲得できる”ご褒美”みたいなモノ
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.8

見終わってから「あー、そういう映画なのね。」ってなっる映画。

ペニーワイズが恐怖の象徴として在るだけで、本質はそんなにホラー映画じゃない。めっちゃ青春。何が嬉しくて、何に傷付いてて、何が怖いのか。子
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.2

とても良かった。久々に”映画らしい映画”を観た。ドラマっぽくもなく、アニメっぽくもなく、映画にしかできない事をやろうとしてる映画。

フジテレビ協賛なのに、濃厚なアングラ邦画感なのが面白い。家族と犯罪
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戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ポーランド人ピアニストがナチスの弾圧から逃れる内容。

初鑑賞の当時(小・中学生頃)、私はまだ”ショパンのバラード1番”を知らなかった。なので、あのクライマックスシーンの演奏はクラシックをベースにした
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百円の恋(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

邦画らしい空気感と倦怠感。からの、すっと前を向いて動き出す感じ。

ダメダメな時の安藤サクラの演技が良い。コケ方が上手かった。最後またあの男のところに戻っていくのは、「あーあ」と思いつつ、「それもまた
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.2

超有名作。もっと感動的で派手な作品かと思ってたが、含蓄のある渋いエンディングだった。

もう何か言葉を付け加えるのもはばかられる。プリミティブで真剣。

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

3.4

制服着た学生が理不尽に死んでいくのは、確かにショッキング。

当時はビックリしたが、あれからもう15年以上。視聴者も随分スレたもんで、何これ?怖くなくない?みたいな感想も散見される(まぁ確かにそうだけ
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ゴジラ(1954年製作の映画)

4.0

シンゴジラ鑑賞後、怪獣プロレス系未鑑賞の状態で観た。

シンゴジラが初代ゴジラの正統血統として作られたのがよく分かって面白い!ゴジラはキャラクターではなく天災の一つとして描写されてた。
ここからシンゴ
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シャイニング(1980年製作の映画)

3.8

キューブリックは相変わらず説明をしない。娯楽映画のような分かりやすさはない。

とにかく役者の怪演が光りまくってる。脚本の意図を完璧に汲み取れなくても役者の演技だけでお腹いっぱいになる。

ヒューゴの不思議な発明(2011年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ファンタジーだと思って蓋を開けたらビックリ、ジョルジュメリエストリビュートだったとは。

映像と音楽は凄く美しい。スチームパンクっぽい世界観も良い。でも、後半の”映画愛押し”がちょっと強引かも....
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