夫と揉めそうになり映画館へ逃げ込む。気晴らしにはちょうどいい作品、夜風にあたってから帰ろう。
全く触れてこなかった領域の作品だけれど、瞬く間に心を捕われた。上司から借りたままのDVD、観よう…
「三つ子の魂百まで」とはよく言ったもので、負の連鎖はどこまでも続いていく。
次から次へと嫌な予感が的中する。わたしはこの作品に何を求めていたのだろう。ただ じっと座って、白くてほの暗い世界を見つめ続けた。
時が流れ場所が変わっても、記憶が褪せることはない。しかし、気持ちに折り合いを付けることならできる。
バロック調の装飾や羽毛の部屋着に見惚れてから、あとは ほとんど眠っていた。
大人が思う以上に、子は親の表情を細かく捉えている。湿った夏の夜、耳を澄まして雨に混ざる虫の音を聴くのと同じように。
何度 引き離されてもなお、お互いを手繰り寄せる。人間らしさあふれる男と女は、あらゆる姿が美しい。
文化は遺物ではなく生まれ変わるもの、そのためにできることは金にならなくてもやる。そう思える物事に出会える人はこの世にどれほどいるだろうか。
思い出はそこらじゅうに転がっている。忘れたら、誰かの手を借りて かき集めればいい。
自分の当たり前が必ずしも他人の当たり前とは限らない。国籍・性別・年齢・信仰などにかかわらず、思うままに本が読める。世界のどこであっても そんな風景が見れたらいい、そういう気持ちで働いている。
雨は上がらない。泥は拭い切れない。貧困は断てない。欲望は拒めない。光はつかめない。ここからは抜け出せない。それでも、音楽と踊りが鳴り止むことはない。人は歩き続ける、人生は続く。
誰もが直面しうる気持ちが描写されていて、つい涙がこぼれた。自分の気持ちを包容したときに初めて、物事の新たな局面に出会うことができる。
観賞後 トニーズピザに寄った。ふたりが食前の祈りもそこそこに食らい付いたのはピッツァだったけれど。