観々杉さんの映画レビュー・感想・評価 - 24ページ目

観々杉

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カサノバ(1976年製作の映画)

4.7

性豪ジャコム・カサノバの並外れた生涯を彼の放蕩を中心に描かれる。カサノバが行為に及ぶとオルゴールの音楽と共にからくり仕掛けの鳥が踊るコメディのような描かれ方である。貴族社会の皮肉に満ちた演出もたまらな>>続きを読む

ターミネーター(1984年製作の映画)

4.0

イメージと違い、アクションよりもスリラー要素が多い。今見ても恐ろしい未知の存在の不気味さをうまく表現しており、昨今の作品と比べても頭ひとつ抜けているだろう。ただし、クライマックスのあるグラフィックで表>>続きを読む

ターミネーター2(1991年製作の映画)

4.6

映像が格段に綺麗になり娯楽的にも進化したターミネーターの続編。力強いアクションが増えてスリルよりも爽快感が増した。ターミネーターには多数の続編があるが、どれもこれには敵わない名作である。

バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

4.5

タイムスリップものの代名詞。続編が二作あるが本作だけでも完璧な仕上がりだ。80年代ハリウッドの娯楽映画の中でも最高級の作品である。

シャイニング(1980年製作の映画)

4.7

鬼才キューブリックはまたも原作改変によって原作者をブチギレさせた。時計仕掛けのオレンジの方は人気上昇によって手のひらを返したが、此方は幾ら人気が出ようとも認められず、今でも叩かれ続けている。本家のSF>>続きを読む

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

4.6

タランティーノ監督の処女作であり既に完成されたタランティーノ節が情け容赦無く吹き荒れる。野蛮ながら洒落た台詞回しとイカした音楽は、監督の幾ら掘っても枯れない油田の如く膨大な映画知識から遺伝子を組み替え>>続きを読む

インターステラー(2014年製作の映画)

3.9

異星探索で地球を救う為の旅に出る。本作が2001年宇宙の旅の影響下にあることは全体的に見て取れる。具体的には宇宙の無音表現やHALのような話し方のロボットTARS、モノリスとの接触を彷彿とさせるとある>>続きを読む

きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

4.5

原題3idiotsの意味は三人のバカ、個人的に邦題の方が好みである。人生初のインド映画であり、最高の気分にさせてくれた。重い主題を扱いながらも歌とダンスとコメディで全力で楽しませてくれるため、3時間の>>続きを読む

インセプション(2010年製作の映画)

4.4

古今東西多様な表現が現れ尽くしたであろう21世紀に突如姿を見せた傑作SF作品。三層で織りなす時間のロジックはノーラン監督の本領発揮。ディカプリオと渡辺謙のカジュアルながら堅物でもある魅力的な演技も必見>>続きを読む

アメリ(2001年製作の映画)

3.9

ちょっと不思議な女性アメリの風変わりで愉快な日常の物語。この映画が公開された当時は世界中でアメリファッションが流行ったそう。誰もが真似したであろう彼女の楽しみの一つはクリームブリュレのカラメルをスプー>>続きを読む

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

3.9

スピルバーグ、ディカプリオ、トムハンクスと三拍子揃ったら、もう面白くなるしかない。天才詐欺師と捜査官の大掛かりな追いかけっこ、ストーリーはテンポよく気軽に楽しめる一作。

マイ・インターン(2015年製作の映画)

3.5

コロナウイルスの恐怖が最も大きかった昨年2月頃に何故かサブスク界で流行った気がするこの映画は、ハリウッドを代表する名優二人が見所。物語のテーマも高齢化の進む現代にピッタリだ。

ウンベルトD(1952年製作の映画)

4.6

安寧の見えない老人の行く先を描いた悲哀の物語。主人公ウンベルト・D・フェラーリは家賃を滞納している為、追い出される危機に遭う。愛犬フライクとの依存的ともいえる愛情と苦しい環境下での周囲の優しいとはいえ>>続きを読む

ダ・ヴィンチ・コード(2006年製作の映画)

3.4

キリスト教の根本を覆すミステリー。ローマ教会からの批判を受けた曰く付きの映画であり衝撃作である。元々常識としてキリストの教えが根付いている地域の映画であるため、ダヴィンチの絵画や聖書の基本的な知識は最>>続きを読む

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.8

静止画の連続によって紡がれる芸術的SF作品。造られた年は1962年であり、カラー化が進んだ時代での実験的な作品である。同年にアラビアのロレンスや初代007ドクターノオが公開されており、カラー映画へのイ>>続きを読む

(1954年製作の映画)

5.0

今なお色褪せることのないロードムービーの歴史的傑作。万リラで親に売られたジェルソミーナを粗野に扱う大道芸人ザンパノ。彼の特技は胸に鎖を巻いて、それを胸筋の力を使い引き裂くこと。ジェルソミーナは太鼓を使>>続きを読む

オルフェ(1950年製作の映画)

5.0

ギリシャ神話をベースに当時のフランスに置き換えた芸術的な傑作。大まかな物語は原作ともいえるオルフェウスの神話冥府下りと同じであるが、結末はまた違うものであり、これが非常に趣がある。ロールスロイスのラジ>>続きを読む

セブン(1995年製作の映画)

4.1

七つの大罪を題材にした残忍な殺人事件の物語。退職を前にしたモーガン・フリーマン演じるサマセット刑事と新人であるブラッド・ピット演じるミルズ刑事が事件を追う。ひたすらに暗く厳しく恐ろしい物語であり、みた>>続きを読む

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.6

タイトルのパルプフィクションはアメリカで出版される通俗的な読み物を指し、その名の通り暴力に溢れた作品である。大衆ハリウッド映画が高級ワインにステーキを頂くならこちらはハンバーガーにスプライト、5ドルの>>続きを読む

レオン 完全版(1994年製作の映画)

4.5

殺し屋レオンと家族を殺された少女マチルダの織りなす退廃的な映像で描かれるクールなアクション映画である。悲しげな音楽と物々しい雰囲気の中で二人は共に生活することになる。熾烈な世界を生きながらどこか幼い言>>続きを読む

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

4.4

今でこそ有名であるが、公開当時はパルプフィクションやフォレスト・ガンプの影に隠れていた本作は近年多く見られる刑務所ドラマの先駆けともいえるだろう。主人公アンディは無実の罪で終身刑となりショーシャンク刑>>続きを読む

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.9

全編に渡ってゲームをしているかのような没入感があり、新しい体験であった。戦場の過酷さを追体験しているため決して楽しい作品とは言えないが、スリルのあるアトラクションのようでもあった。長い距離と様々な戦場>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.0

人生で初めて映画館で二回見た映画。初見ではQueenについて何も知らないまま視聴したが、4人の生き様、特にフレディ・マーキュリーに心を打たれた。無知であったものの聴いたことのあるメロディばかりが流れる>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.3

目眩く展開と複雑化する論理に惑わされる傑作。商業と芸術の両立において最も成功しているとされるノーラン監督の最新作、時空を意のままに操る天才が今回映像化したのは現在と未来との戦い、順行と逆行。ただでさえ>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.3

著しく危険で惹きつけられる怪作
突発的に笑ってしまう主人公アーサーのコメディアンへの道は、健やかな青年が主人公の映画なら私たちは共感し応援したくなるが、彼は只者ではない。私たちは視聴者として狂っている
>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.8

パルム・ドール、アカデミー作品賞をはじめとした数々の賞を受賞した傑作で、その肩書きも当然といえる素晴らしい映画。地上の家族に使える半地下の家族がコメディ調で描かれる。しかしここに地下の住人が加わること>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

非常に綺麗な映像で最後まで魅了された。家出少年に拳銃、ホテルでの一夜に警察からの逃走など、字面だけならアメリカンニューシネマと間違えそうな過激なパーツが、優美な雰囲気と音楽によって美しくさえ感じられる>>続きを読む

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