朱さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

朱

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CURE キュア(1997年製作の映画)

4.1

間宮の「で、あんた誰?」の一言で自分の今まで何も疑わず属していた組織、家族、アイデンティティの拠り所に対する無条件の信頼を崩壊させて、不安にさせたところで無意識に抱いていた怒りにフォーカスさせて殺人に>>続きを読む

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.5

狂気の夢の中の秘密の青い箱。箱の中に入る(出る?)と吹きさらしの現実へ。ハリウッドの夢、嫉妬心、陰謀論、あらゆる黒い欲望をリンチの絶妙な編集によって、編集されてない生のリアルを提示されたとき、自分自身>>続きを読む

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

1.1

光の加減、音楽と場面の外し方、時間の伸縮性の表現を使うことが俗に上手い映画と言われるのであれば(カンヌ受賞!)、あまりにも教科書通りすぎて、失笑するしかない。あまりにもすべての場面が技巧自慢にしか見え>>続きを読む

あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

3.9

まずは基本的なことから。映画はコマ撮りだ。パラパラマンガの写真版のように。つまり、映画は一枚一枚の写真の連なりだ。もし君が、自分の部屋でこの映画を見ているなら、目をつむって好きなところでリモコンの一時>>続きを読む

軽蔑(1963年製作の映画)

3.0

ゴダールの映画は、よくわからない、退屈と言われがちだ。その理由はあまりにも何もかもが映りすぎているから。この映画は映画内映画のあるがままのドキュメンタリーとも言える。

この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

3.5

アニメには焦点というものがあまりない。描かれた景色がすべて並列に並べられる。
優雅に飛ぶトンボも、悲しみにくれる表情も、雑草も、爆弾もすべてこの世界の片隅でありかつ中心でもある。

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.4

物体がとてつもないスピードで進んでいく、ただそれを見ているだけでここまで気持ちが良いものなのかと当たり前の快楽に改めて気づかせてくれた。ロックンロールを聞いたときのような衝撃。

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.9

資本主義に包まれ誰もが生きがいを探す時代。この退屈な日々を少しでもごまかしてくれるような麻薬を求め、今日もワイドショーから生贄探し。そんな時代の多数の犠牲者のなかの一人にフォーカスして人間の残酷さを克>>続きを読む