戦争をどう描くのか。
抽象的に表現することこそが、本当のリアルを描き出すことである。本作品、そして監督であるエミール・クストリッツァが描き、突きつけてくるもの。それは戦争を悲劇として片付けず、戦争や>>続きを読む
誰もが犯す些細な「罪」や「愚かさ」。
社会の雑踏に飲み込まれ、「普通」のことのように紛れ込んでしまうそれらが、「ラザロ」の存在によってはっきりと見えてくる。
ピカソとブラック、キュビスムについて話す場面が面白い。
ジャコメッティは、ピカソに対してこんな風に評価していたのか、と新たな知識を得られた。
癒されたいと思い、ふらっと鑑賞。
寂しさとか心細さとか、やるせなさとか、そんな事を考えてしまう日常に、そっと手を差し伸べてくれる。
様々な愚かさが登場人物の心の中に積もり、罪悪感に苛まれながらも再び罪を重ねる。
カメラマン宮川一夫が生み出すどのシーンを切り取っても美しい演出は、何度観ても飽きることがない。
観た人のレビューが、こんなに分かれる作品は珍しい。
戦争をコミカルに描くことは問題だと思う人もいるかもしれない。ただ、戦争をコミカルに描くことしかできなかったとも言えるだろう。この作品の解釈はとても難>>続きを読む