カナッパユイッパさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

カナッパユイッパ

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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

1.5

いやいや、それはないでしょ!
天秤なら天秤を貫こうよ。
「由宇子は天秤なんだ!」と思って観始めたら、ねえ!
確かに、全てが難しく、複雑に絡み合い、加えて良い人を演じ始めたら、どうやって天秤を貫くのかと
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スティルウォーター(2021年製作の映画)

3.7

マット・デイモンが演じる主人公は、正にアメリカン・マッチョで単細胞で、猪突猛進形だが自分としては好感が持てる人物に描かれています。
主人公がフランス人のシングルマザーとその娘と次第に心を通わせ、家族の
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愛について語るときにイケダの語ること(2020年製作の映画)

4.1

馬鹿でスケベで自惚れ屋の男、男ってそんなもんじゃないですか!
って感じを楽しんで、演じて、開き直って、男をやり切っているイケダ、、、そんな正に男の性を傍観するイケダ。
まじめで、ひたむきで、切ないぐら
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フタリノセカイ(2021年製作の映画)

4.2

世にはびこっている「上っ面のLGBTQ論」や「金儲けの種を擁護するLGBTQ論」に辟易しています。
そうではなくて、この問題は、当人が未来に向けて導いた結論を、周囲がしっかりと受け入れていくことでしか
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皮膚を売った男(2020年製作の映画)

4.0

難民問題と美術品とうこれまた怪しい人たちが暗躍する世界、この二つをミックスした話は先が読めなくて、展開をわくわくしながら追っていけます。最後の想定外の結末は、気持ちよくしてやられた感があり、本当に楽し>>続きを読む

SAYONARA AMERICA(2021年製作の映画)

4.3

本当に細野さんは、やっぱりアメリカの音楽が好きだったんだと、再認識した映画です。しかし、そのアメリカ好きの細野さんがアメリカの曲を演奏し歌うと、細野節になるところがなんとも言えずカッコいい!
様々な解
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アレックス STRAIGHT CUT(2020年製作の映画)

4.0

最初、率直に思ったのは「2002年に公開されたオリジナルの構成では、最後まで観ることができなかっただろうな」です。
見ている途中で、「それないんじゃない」「それやめなよ」って感じて観てましたが、その時
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ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

3.9

物語としては、大そうなものではないです。90年代の普通の男の子がサブカルチャーの女の子に振り回されるノスタルジックな物語。その大したことのない物語を細部に渡り物凄く丁寧に再現した舞台・映像・音楽・編集>>続きを読む

JOINT(2020年製作の映画)

3.5

全体に映像や役者の迫力がかけています。
また映画独特のに匂いがしません。
ストーリーや構成も凝っているようですが、何を描きたいのが分かりずらいです。
更にそれまで散々複雑にしたのに、あの安直なエンディ
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ワン・プラス・ワン(1968年製作の映画)

4.1

チャーリー・ワッツの追悼緊急上映ということで、期待を胸に観に行きました。
感想は、「うーむ、紹介されたいた内容と結構違うぞ!」
ストーンズの「悪魔を憐れむ歌」が完成するまでの過程は、試行錯誤の中、作り
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.1

オムニバス3編のすべてに共通するのは、登場人物が割りと抑揚と抑えて、平坦な口調で淡々と(多少相手を無視して)会話を進めるスタイルでした。それぞれの物語にスッと入るこむことができて、このスタイルは好きで>>続きを読む

スザンヌ、16歳(2020年製作の映画)

3.7

大人に恋して、それがかなったときにはしゃぐ少女の姿は、まさに16歳の感覚を表現した可愛らしく素敵なシーンで好きでしたが、他は、、、うーん?って感じですね。しかし、成長過程の少女が自己の葛藤を乗り越えた>>続きを読む

リトル・ガール(2020年製作の映画)

4.4

トランスジェンダーを扱った映画ですが、家族愛の映画です。それも母親と父親の子供に対する無条件の愛、その愛により母親が強くなり、女の子になりたいサシャが愛の中で成長する様が本当に暖かく描かれています。>>続きを読む

DAU. 退行(2020年製作の映画)

4.1

旧ソビエトの独裁体制がもたらした狂気と混乱と退行が見事に描かれていて、圧巻です。ただ、旧ソビエトの独裁体制に関しては、これまでも様々な書籍などで語られており、特別目新しい新事実を見出すことはありません>>続きを読む

DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)

3.2

「前評判の割には詰まらなかったな。」って思っていましたが、それでも続編の「DAU. 退行」を見て納得しました。
これは、有料の予告編だったんですね。道理で詰まらないはずです。また、ラストは次作に期待を
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最後にして最初の人類(2020年製作の映画)

4.2

これこそ映画館で観るべき映画です。この映像、この演奏は映画館でなければ臨場感を味わうことができないと思います。
唯々、映像と演奏は素晴らしく、空想の旅に誘ってくれます。
ただ、映像と演奏だけでも情報量
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大地と白い雲(2019年製作の映画)

4.0

内モンゴルの草原に住む一組の夫婦の物語です。
まず本当に映像が素晴らしい、広い草原、空と雲の形、虹の大地などは、それだけで見る価値があります。妻サロールの歌が素晴らしいです。また、夫チョクトが馬をオー
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素晴らしき、きのこの世界(2019年製作の映画)

3.9

前半は、★4.2で本当に素晴らしい内容に尽きます。きのこが、今の環境問題のすべてに答えを与えてくれる?
そう思いたくなるほど内容が豊富で斬新で興味深く、きのこを中心とした豊かな協奏の上に我々人類を含め
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ライトハウス(2019年製作の映画)

4.3

それほど期待せずに観たのですが、大当たりでした。
完璧なまでに混乱と狂気と恐怖が描かれ尽くしています。
また音響、映像、物語の3要素が完璧に融合され、見ている側に許容範囲の不安定さを与えて、映画の中に
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.4

期待外れでした。
「血中アルコール濃度を常に0.05%とするのが理想。するとリラックスでき、仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」を予告編で見たときから、ストーリーの展開はある程度予測できて、それでも
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Our Friend/アワー・フレンド(2019年製作の映画)

4.6

二度泣きました。
夫婦、家族、友達、様々な側面が描かれた映画です。それぞれの人物の心情描写が繊細で映画に入り込むことができます。一度目は妻の病状が進行するクライマックスで泣きました。
この映画が本当に
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Summer of 85(2020年製作の映画)

3.8

ラストシーンを除けば傑作です。本当にラストが残念です。
しかし、自分の若い時を思いかえすと、まあ妥当なラストとも言えます。
でもやっぱり、凡人が若い時を振り返って、妥当だと思える結末って、、、やっぱり
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Billie ビリー(2019年製作の映画)

3.8

確かにビリー・ホリデイの歌声は、いつ聞いても素晴らしい。それを最新技術を駆使してカラー映像でよみがえり、映像と合わせてビリーの歌声が素晴らしことは再認識できました。
しかし、この映画は何を描きたかった
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草の響き(2021年製作の映画)

4.2

この様な物語が映画になる時代になっていることの不思議を感じました。少し前の日本では小説で話題になっても映画化されることは無かった様に思いました。それだけ、今の日本人の価値感が多様化したことの証をこの映>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

かつて愛読した村上春樹の短編を映画化したということで期待値は高かったし、村上春樹の小説の空気感はよく再現できていたと思います。しかし、あの長い芝居の稽古場面は必要だったのか疑問が残ります。
また、自分
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パンケーキを毒見する(2021年製作の映画)

3.6

大手メディアが政権に忖度して、まともに批判できない日本において、このようなドキュメンタリー映画は、存在自体が偉大であり、スタッフ陣には敬意を表したい。
しかし、菅義偉をディスっているかのようなタイトル
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

5.0

本当に最高です。自分の下らない感想など書く気にならないですね。
ここにあるものすべてが素晴らしく、今の日本に足りないもの
元気、勇気、希望に満ち溢れた映画です。

明日の食卓(2021年製作の映画)

3.8

ちょっと映画に騙されしまいました。
ネタバレになることは、避けたいので何に騙されたは書きません。しかし、騙されたことに不満はなく、むしろそこを含めて良くできた映画だと思います。
なんといっても描かれて
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瞽女 GOZE(2019年製作の映画)

4.0

厳しくも優しさに微笑みたくなる映画でした。
一部の特殊な例かもしれませんが、盲目などの視覚障害者を含めた障害者を社会全体で受け入れることが現代よりも当時の方ができたいたようです。
確に瞽女、故・小林ハ
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二人ノ世界(2017年製作の映画)

4.2


スクリーンに引き込まれ目が離せなくなりました。
何の希望もない、男の聴覚と女の触覚と嗅覚が合わさったとき、傍から見るとブラックジョークを通り越した悪夢にしか見えない景色。その景色の内側には希望の欠片
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.0

認知症が進行して世界が、それまでの記憶の順番逆転し、主人公が入れ替わり、目の前の景色が記憶の景色と入れ替わる様々な記憶の錯綜が見事に描かれています。
健常者ぶっている我々も、脳がパニックを起こしたとき
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天国にちがいない(2019年製作の映画)

3.7

本当に偶然ですが、イスラエルとパレスチナの衝突による衝撃的なな映像をよく目にする状況で見た映画なので、より皮肉さを感じました。
日々の報道で多くの人がパレスチナの状況に心を痛めながらも、実際に手を差し
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聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

3.9

このヒリヒリした感じ、久々に魂がきしむ感じの映画でした。
吹き溜まった感情を吐き出す獰猛さと、祈りを続ける敬虔さに目が釘付けになります。
様々な仮面が剥がされて最後は人の業のぶつかり合いが見せつけられ
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街の上で(2019年製作の映画)

3.6

高評価が多い映画ですが、自分は入り込めませんでした。
構成もおもしろかったし、主人公の人物造形も真面目て受け身で自意識過剰で好感を持てました。
演劇的でも重たくなることが無いし、奇妙な会話や場面が全体
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生きろ 島田叡 戦中最後の沖縄県知事(2021年製作の映画)

3.7


映画は本人の肉声などはなく、伝聞と残された資料による類推が淡々と続きます。それが、徐々に島田叡と言う人物として目の前に再構築されたとき、組織の中にあって己の信念を問いて正しさを貫く尊さに涙が止まらな
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愛のコリーダ 修復版(1976年製作の映画)

2.2


私の作品を理解する力量不足なのか、何を描きたかったのか?
今一つ伝わってきませんでした。
もしかすると大島渚と言う方は、物凄く才能が有る方で、それ故になんでも一人でこなしてしまい、どこか身勝手な思い
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