下品さでいえばフランスの実写版より配慮された作りで、ストーリー上の必然性はないもののトー横キッズといった令和の日本のエッセンスも一応入っている。アクションはタクティカルに魅せつつもコメディ的な動きを取>>続きを読む
メインとなる監禁場所に様々な部屋や奥行きがあり、映画映えする舞台設定に感じる。通常の映画なら中盤くらいにやりそうなところを最初からやってしまい、これからどうするのかと思ったらそこから展開が二転三転する>>続きを読む
元々『スター・ウォーズ』シリーズとして製作されていただけに、ストーリーや世界観はほぼそれと同じ印象だが、そこにスローモーションを多用した演出や神話的なカットでスナイダー映画らしい味付けが加わっている。>>続きを読む
『ジョン・ウィック』シリーズの87イレブンがアクションを担当しているが、敵がヴァンパイアであるため普通の人間にはできない関節の曲がり方や身体の動き方をするため、テクニカルでありつつも現実的にはあり得な>>続きを読む
最初に別の人物の視点からウィリアムを見せることで観客に堅い人物であるような印象を与え、中盤は観客に徐々にそのイメージを解体させ、終盤は作品内の周囲の人物に同様のリアクションをさせる構成になっている。>>続きを読む
(通常上映・日本語字幕版)
実際の社会問題をミステリーに仕立てた作品として日本では『市子』が記憶に新しいが、本作ではコピノという、韓国の男性でフィリピンで現地人と子作りをし、そのまま父親が帰国してしま>>続きを読む
劇中でVHSで示唆されるもう巻き戻せない時間を声変わりとして演出していたり、ヤクザは本来中学生が関わってはいけない存在であることを強調するために少しゾッとするシーンがたまに挟まるコメディだった。
また>>続きを読む
(通常上映・日本語字幕版)
元々ムキムキではあったが、ここまで違うタイプのマッチョに改造できるのが信じられないくらい仕上がったザック・エフロンにびびりつつ、その肉体とは対照的に、父の父権的マッチョイズ>>続きを読む
(通常上映・日本語字幕版)
観光制度の一環として自分の処罰をクローンが肩代わりできるリゾート地での出来事を描くスリラー。主人公にとってのクローンは罪悪感のメタファーに捉えられるが、そういった抽象的な概>>続きを読む
治安が悪すぎるロードハウスの用心棒ジェイク・ギレンホールによる舐めてた相手が殺人マシンでした映画。エリーがどこにいるかわからないのに爆破させたり登場人物がやたらと脱ぎたがるため『コマンドー』を想起させ>>続きを読む
同じくティーンの女性たちが殺される未来を知った主人公がそれを防ごうとする話の『マダム・ウェブ』よりもミステリー要素が楽しい作品。本作で扱われるタイムトラベルのルールは、タイムトラベル中に改変したことが>>続きを読む
冒頭はシュールすぎる展開の連続で変な笑いが出てくる作品でそこが魅力的だったが、後半は失速した印象。オリジナルとは違うアプローチであの奇妙な世界観を描こうという気概は感じられる。
東出の浮世離れ感は役柄に合っていたと思う。
メインの著作権侵害幇助のラインもそうだが、仙波関連のシーンは特に、権力が相手の作品特有のスリラー的な怖さがあった。
肉体変容ホラーの名手を父に持つ監督が本作で描くのは精神の変容(厳密にいえば侵食)ホラー。とはいえ、それを表現するためのイメージとして、肉体の変容を演出として用いるあたりは父の素質が受け継がれているよう>>続きを読む
(通常上映・日本語字幕版)
3時間かつほぼ会話劇なのに、スピーディーな展開で長さを感じなかった。
また後半は、オッペンハイマーと一緒に観客まで罪の意識を共有させられ、色々な人から自分のやったことを糾弾>>続きを読む
映画全体が軍国主義バリバリのプロパガンダな癖して、普通に軍隊モノとして面白いのがなんか腹立つ作品。ゴア描写や性的描写が満載なのに、どこか描き方がさっぱりしていて観やすいのが要因としてありそう。
雑兵虫>>続きを読む
水に浮かぶ髪の毛や水漏れといった日常の不快感をホラー演出として落とし込んだ変な家ならぬ変なマンション映画。出てくる水がほぼほぼなんか汚いのも良い味を出している。
思えば水という不定形かつ色々な場所から>>続きを読む
『オッペンハイマー』の予習に。
アインシュタインが、ユダヤ人である自身や原爆に対してどういうスタンスだったが理解できる作品。
ナチスの行いに対して「この蛮行に対する文明社会の消極的な態度が理解できない>>続きを読む
少し遠目から二人を隠し撮りするようなカットでドキュメンタリーチックになるときもあれば、後半恋人は必要かどうかで議論になるときは接写になりより二人のクローズドな関係を意識させるカットもあった。
内容自体>>続きを読む
ファンシーなタイトルに対してめちゃくちゃ殺伐としたスリラー。鑑賞中に「こいつやばいな」と思った登場人物がどんどん変わっていくのと同時に、その狂気度も高まっていく展開が最高。エグみを表現するのにあえて見>>続きを読む
傑作を撮るという言葉が反復されるように、自身のフィルモグラフィーを超えようともがく白石監督の苦悩が感じられる。今回はアクションがいつも以上に気合が入っていると思っていたら、エンドロールに阪元裕吾作品常>>続きを読む
劇中のいわゆる嫌な人を、「良い」人に矯正するのではなく、「そういう人はどこにでもいる」と突き放す結構ドライな姿勢なのが、実際のところ悲しいかなその通りであるため好感が持てるし、そのうえで心の傷を抱える>>続きを読む
木々を人間、森を世界と解釈すると、カリスマという邪な存在に世界が蝕まれていくという、『回路』のようなストーリーに捉えることができる。
ジョーは終わってみると可哀想すぎる気がするが、一度激昂するシーンはあるものの全体的にクールであり、それは作品全体のテンションにも当てはまる。ポストプロダクションも素晴らしく、この美術館を見ているような>>続きを読む
地味めな画が続き観客に想像させる演出が多いが、オスカー・アイザックの渋すぎる佇まいや、作品全体のドライで不穏な空気感がかっこよくなぜか見入ってしまう作品で、収容所のシーンの気持ち悪すぎる映像表現や吐息>>続きを読む
最初はよくわからない単語がだんだん主人公二人と一緒に理解できてくるのが面白い。間の抜けた劇伴や引きの画が多く、ひたすらシュールに未知の惑星からの脱出劇が独特な世界観で繰り広げられる。こういった極限状態>>続きを読む
現代へのアダプテーションもあるが、リメイク版とは真逆のアクシデントになるのが興味深く、タイトル回収も気持ち良い作品だった。
(通常上映・日本語字幕版)
前作はIMAXの鑑賞だったが、そこまで熱狂したという訳でもなかったため今回は通常上映での鑑賞。とはいえ、part1でのサンドワームを誘き出すための振動や、命令に従わせる能力>>続きを読む
それぞれ人間に対する役割を持つ概念を擬人化させたキャラが出てくるのは「インサイド・ヘッド」を彷彿とさせるし、短編の『デイ&ナイト』的な要素もありディズニー作品の影響を多いに感じた。とはいえ、ドリームワ>>続きを読む
西条の話し方がアニメアニメしすぎていて最初は気になるが徐々に慣れてくる。
恋の定義についての議論が繰り返される会話劇だが、テーマの割には良い意味で過激なシーンがないため観やすい。全体的に妙に漂白され綺>>続きを読む
作品内で自己紹介的に言及されているように、旧シリーズのキャストが登場する「原点回帰」要素があったため、一作目しか鑑賞せずに本作に望んだのを少し後悔した。オリジナルが持っていたホラーあるあるに限らず、前>>続きを読む
ティム・バートンの『ダーク・シャドウ』的な吸血鬼を持つ家族のゴタゴタ劇に、実在の人物にフィクションを加えた設定が楽しい作品。チリの歴史や政治に疎いため隅々まで堪能できた気がまったくしないが、とあるキャ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
オープニングとエンディング以外は市子の周囲の人物から客観的に彼女という人間を探っていき、彼女が辿ってきた過酷な道程を追体験させる構成になっている。ただあくまで他者の視点のため、彼女の内面までは捉えるこ>>続きを読む
(通常上映・日本語字幕版)
マシュー・ヴォーンの新作スパイアクションであり、『キングスマン』シリーズのような良い意味でバカなアイデアのアクションを期待していたためしっかり満足できる娯楽作だった。ストー>>続きを読む
(通常上映・日本語字幕版)
予告やあらすじから連想するようなミステリーの側面以上に、裁判を通じて明らかになっていく夫婦関係をメインに据えており、法廷モノというより倦怠夫婦モノという印象が強い。裁判のシ>>続きを読む
音楽の使い方などの部分は現在の作風に通じる部分もあるが、ポップさは希薄に感じるマシュー・ヴォーンの初期作。まさかここでボンドとQが共演していたとは。