cobiscoさんの映画レビュー・感想・評価

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メメント(2000年製作の映画)

4.0

【嘘つきしか出てこない】
観るたびに発見があるから幾度となく観ているけど、劇場鑑賞できる機会があって良かった。

今回は記憶力が持続しないことによる恐怖を感じた。
事実が捻じ曲がり、行動の意図もわから
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

【粒と波。雨と波紋】
まずオッペンハイマーが信念の人であり、
セールスマンであることを知れた。
知らなかったことを知れる個人的な映画の醍醐味を遺憾無く感じられたのでそれだけでも満足度爆高。

オッペン
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

【事実は小説よりも奇なり】
凄まじい緊張感のある作品。基本的には法廷劇だが、意味深なカメラワーク、渦巻くグレイゾーンの連続で作品全体が軋んでいて、歪んでいる印象。

何より冒頭にかかる曲で笑いがこら
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

【血の因縁】
中性的なキャラクターが「人間が人間たる所以」のグレイゾーンへの完全なるメタファーであることがわかった。

超単純なストーリーにも関わらず、映像の見せ方がとんでもなく丁寧で重厚な作り。
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

3.7

【あるべき姿を探す】
中絶が違法だった時代。望まれない妊娠、母体を助けることすら審議が必要だったという事実。

裕福な家庭の主婦が主人公で、旦那さんが弁護士という設定も物語を締める上で非常に重要な要
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.0

【異世界体験なのに現実感】
理解を深めたくて2回見た。めちゃくちゃおもしろい。スルメ作品。なぜ劇場で見なかったのかなと猛省した。そして今更でごめんなさい。

Part.1は「役者は揃った。選ばれし者ポ
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.2

【スパイの実態と実体】
スパイの実態と実体を紐付けていくようなストーリー。
マシュー・ヴォーンにまたしてもやられた感がある展開。
悔しさすらある…相変わらずアイディアの宝庫。

キングスマンのスタイリ
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.5

【運命の蜘蛛の糸】
酷評されまくってるから期待値を下げて鑑賞。
あらびっくり。何で酷評されてるの?くらいしっかりストーリーが作られていると感じた。

アクションよりサスペンスが主軸になっているので、そ
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テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

4.5

【雷鳥女子2人のクレイジージャーニー】
何度も観ている作品だけど、この度4Kリストアで劇場公開。生きていてよかった。劇場で観れるなんて最高かよ。

悲劇と喜劇は表裏一体で、雪だるま式に膨れ上がる犯罪。
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劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

4.0

【申し分なし】
研磨の一人称視点で描かれる演出が本当に痺れた。
迷い、決断、行動、修正の繰り返し。
これらが組み合わさって躍動感と緊張感が
グッと強くなった気がする。

研磨の習性とも言える「可否」の
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.5

【チョコでみんなを幸せにしまっせ!】
昨今のディ○ニーが忘れてしまっている内容を
全部やってくれた。それくらい王道ファンタジー。
ティム・バートンの強烈なイメージにも尊敬を払いつつ、
ポール・キングな
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僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

3.7

【切っても切れない縁】
とにかくウマの合わない親子の話。
不協和音かのように表現される冒頭の展開は
もはやイラッとするくらい。
しかしそれくらい作り込みが巧いということ。

もはや現代病なのかな?とい
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

【オトナの絵本】
皮肉を美しくまとめた作品。
故にアート感が遺憾無く発揮されている。
しかし、根底にあるものと描き方が醜いもので構成されている。

序盤の白黒映像→中盤以降のカラー映像の理由が浮き上が
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

【慎ましく生きるとは】
PERFECT DAYS、とても深みのある素晴らしい映画だった。期待値以上。

馴染みのある街が舞台(浅草、押上)であることも好感。繰り返しの中にも必ず変化はあって、その変化を
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.0

【THE 日本しか作れないアニメ】

原作をこんなにも奥深く、時に抉られ、時に励まされる作品へと昇華させてくれたシンエイ動画さん、日本の宝です。

大事なシーンは言葉にしない、直接的に映さない。その理
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劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)

3.5

【日本最高峰の交通整理アニメ】

よくよく考えてみるとかなり複雑な設定に気付かされる。
故にすごい脚本力だと思った劇場版。
これを作るのは本当に大変だっただろうなぁ…という
苦労が滲み出ててとても好感
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

【敷居を跨ぐ=世界観の体験】
「世界観の体験」という言葉がめちゃくちゃしっくり来る作品だった。雑念がなかったし、何より水木先生へのリスペクトをとても感じた。

「しっかり伝えていくのだ」という制作陣の
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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

4.0

【グレイゾーンに決別する覚悟】
久々に鑑賞。
やはり一言でまとめられない作品。
(結構前に旧友に教えて頂き、ブッ刺さった作品。)

TOKYOという街がグレイだからなのか。
不倫でもなく、裏切りでもな
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駒田蒸留所へようこそ(2023年製作の映画)

4.0

【ウイスキーは未来のためのお酒】
やはりP.A WORKSさんのお仕事シリーズが好きだ。

SHIROBAKOはエンタメ要素も強かったけど、駒田蒸留所は現実路線強め。

故に主人公の高橋くんに妙な共感
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

【呪縛、圧倒、絶望】
無になった日本にさらにゴジラに負をぶち込まれて、「オワタ」感がのっけからすごい。

戦争に植え付けられる呪縛。
人智を超えた未知の生物の存在感の圧倒。
何もかもを失い残ったものは
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

【白人の欺瞞が生み出した黒い歴史】
特濃3時間半。故に納得の3時間半。ダレる箇所ゼロ。
いきなり最初から面白い。一気に引き込まれる。

やはり映画の面白い所は「知らない世界を知れる」ということにある。
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北極百貨店のコンシェルジュさん(2023年製作の映画)

3.9

【絶滅危惧種となっている思いやりの目線】

「そうか!秋乃さんみたいな人が絶滅危惧種なんだ!」と気づいた。

資本主義という考え方は生きる上で非常に重要だけど、生きていく上では協力、つまりチームワーク
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.2

【他者を真に理解することはできない】
初劇場鑑賞。
迫力というか引力が桁違いだった。

現実と虚構の混濁。どっちがどっちだかわからなくなる展開。

「あなた、誰なの?」が繰り返される毎に浮き上がってく
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MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

3.3

【まごうことなきステイサム映画】
これはサメ映画ではなく、ステイサム映画。
1より格段にパワーアップしてた。

メガロドンもたくさん出てくるし、ド派手なCGと「細かいこと気にすんな!」展開がステキ。
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MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)

3.0

【メガロドンにゴリエのチアダンス】
これくらい何にも考えなくても良い映画。
2の公開に合わせて再鑑賞。

「これがやりたいんだよね!」という制作陣からのメッセージがわかりやすくて最高。

ある意味、完
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.0

【意思、意志、遺志】
一体これは何を伝えたいのだろう…?と思慮深く観ていても、最終的に如何様にも解釈できてしまう構図だった。

パヤオさんからの「君たちはどう生きる?」という問いに対して自分なりに解釈
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.0

【小さな旅館での壮大な出来事】
小さな旅館で繰り返される原因不明の2分間のタイムループに様々な人々が翻弄される超コンパクトSF作品。

「え?どういうこと?」きがタイムループする度に浮き上がってくる緻
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トランスフォーマー/ビースト覚醒(2023年製作の映画)

3.3

【気づいたら夢中に】
トランスフォーマーといえば、ビーストウォーズ!という世代なので、気になって鑑賞。

とにかくマイケル・ベイのトランスフォーマーが刺さらなくて迷っていたけど、好きなものがこれでもか
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怪物(2023年製作の映画)

4.1

【心の在り方と心の多様性】

人には誰にも言えない秘密があって、その秘密のために嘘をつくことがある。たぶんこの世に嘘をついたことがないなんて人はいないと思う。

その嘘の作用効果が怪物を生み出すことが
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

【フラッシュが超速でお片付け!】
DCユニバース起死回生の一作。
マッジで面白い。こんなにワクワクしたのは久々。

ワガママな先輩たちの散らかしようを
フラッシュがお片付けしてくれた。
ジャスティスリ
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クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

3.0

【よくがんばった3部作完結編】
結論、1と2が良すぎたことは否めない。

もはやマイケルBジョーダンとジョナサン・メジャーズの推し活に近い感覚で見に行ったので、眼福だったけど、映画としての物語の起伏は
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劇場版 優しいスピッツ a secret session in Obihiro(2023年製作の映画)

4.0

【スピッツは日本の重要文化財】
WOWOWで去年放送されたということすら知らなかった…
劇場、しかもDolby Atmos環境でスピッツサウンドを堪能できるなんて貴重な経験だと思ったので、平日だったけ
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.1

【人間讃歌を理解すること】
ザ・ホエール、すごい作品だ。

密室劇かつ会話劇なのにすごい緊張感。

人間なんてのは綺麗な部分も粗悪な部分も必ずある。

自分がこの世から去ると分かった時、残される者に
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.8

【脳みそ空っぽと見せかけて家族ドラマ】
「意外と面白い!」という評価を見かけていたので、気になって鑑賞。

やっぱり日本って予告編が与える印象が全然違うよな…と思う。予告編より全然しっかりした幹のある
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インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

4.5

【カナシミが主人公だと感じた理由】
ディズニープラス最高。
インサイド・ヘッド最高。
何年ぶりだろう。改めて見返した週末。
2023年現在、ピクサー作品でトップになったかもしれない。

ヨロコビ、カナ
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.5

【紳士も少年だったからこそ遺せるモノ】
リメイク元未見。観ねば。

「生きる」という行為自体に目的があるのか?と考えるのか、目的の元に「生きる」のか?では目的があれば「生きる」ことに輝きをもたらせるの
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