yonezuさんの映画レビュー・感想・評価

yonezu

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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.2

EEAAOはじめAsian Representation的に移民のアイデンティティが語られ、評価(誰からの?アメリカ社会での?)に繋がることが多くなっているけれど、この作品ではセリフにもあるように「A>>続きを読む

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.6

DIVAの絆!!!アニー・レノックス、本物かと思った。
リュック・ベッソンの映画を久々に見たのですが、リュック・ベッソンなので細かいことはあんまり気にしてはダメだなと思った。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

-

私たちは原爆を落とされた"被害者"であると同時に、虐殺を引き起こした"加害者"でもあるという両側面に向き合わねばならない。
相対化せず、それぞれに対して同時に向き合い続けること。
観ている途中に『日本
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.8

"This is How to make 救世主"という感じの宗教/信仰についてのお話なのですが、どうやって救世主として祭り上げられていくのか、この太陽系第3惑星での事例を重ねて見ると大変興味深いです>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

大まかな流れは『クレイマー、クレイマー』や『マリッジストーリー』などでの既視感もあり、細かい仕掛けは面白いがイマイチ乗り切れない感じがした。
母語とする言語の差異による伝わらなさを見せる妙とかは良かっ
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

-

人の記憶とか、記録媒体とか、写真とか、物語とか、目とか、観ながら色々考えてたけどパッと感想を書くのが難しいかも。でも、時代や時間が経過しても「映画」というアートフォームを信じている心は伝わってきたよ。

Here(2023年製作の映画)

4.0

前職を辞める際の有給消化期間にひとりで京都で2~3日旅行というか、ただ街をふらふら歩いたりして過ごすみたいなことをしていて。
その時に大学時代の先輩から「銀閣寺の苔がすごく良いから」と言われて「なんで
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

途中で何度か涙が出ていた。
ダンテだかボッティチェリだかのような地獄を覗き込んだ時の絶望感。
知性を愛し、武器とし、必死に生きていきたい。(西洋中心史観っぽいけど)

「君たちはどう生きるか」と問わ
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機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

コズミック・イラにもサランラップがある。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

年末年始、周囲の知人や友人達とこの作品についてひとしきり話をした気がする。何回話したんだろう。
ある友人は観た後に、この作品の企画的な流れ(というか商流)を知ってショックを受けたと話していた。
身近で
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バッド・チューニング(1993年製作の映画)

4.0

それぞれの青春の、一瞬の中にある人間の成長(というか背伸びくらいの錯覚なのかも知れないけれど)を見て、全く同じような経験をした自分にとって今観ると「ずいぶん遠くへ来てしまった」と切なさの方が感覚として>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

リリー・グラッドストーンがあまりにも"mother"過ぎて。。。ファースト・カウと言い、彼女が映るシーンは視線の動き、口角の動き、存在だけでも一気に空気を持っていかれるので圧巻。

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.2

現代を生きるプロレタリアートたちの素朴な暮らしと演歌かと思うくらい渋すぎる恋愛が染みた。渋々の染々なのに挙動がお茶目だからつい笑っちゃう。Shimmie Shimmie Ko Ko Bop

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.0

史実や記録に残らないが確かにそこに生きていた人の営み、友情について。冒頭シーンのフィードバックによって余韻が何重にも重なって押し寄せてくる。

ボトムス ~最底で最強?な私たち~(2023年製作の映画)

3.9

2023年はアヨ・エデビリで始まり、アヨ・エデビリで終わった!!
ギャグと暴力に全振りしたモキシー、ブックスマート。
話の展開自体はよくあるティーン映画のテンプレなのにロジックが狂ってて笑う。
何のフ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

(自分が日常的に"テレビ"や日本の"芸能界"的なものを視界に入れないようにしていること、比較的に左派/リベラル寄りであることを前提に)
実質、山崎貴の映画を初めて観た。
どこまで突っ込んでいいのか、も
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.2

ル・シネマでゴースト・ワールド観てきた。
高校3年の頃、地元にTSUTAYAができて、受験勉強が終わったら寒い深夜にチャリを漕いでDVDを借りに行ってた。その時に家のプレステ2で初めて観た以来だった。
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バッファロー’66(1998年製作の映画)

3.7

DVDでしか見たことのなかった『バッファロー'66』。
劇場で見ないとこの質感って体験できないなと思った。
Wet Leg"Wet Dream"の歌詞に作品名が引用されてるけど、この映画をエサに女性を
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飛行士の妻(1980年製作の映画)

-

男って本当に身勝手だし、若さみたいな言い訳もあるだろうけど相手が見えなくなっちゃってる発言とかのリアルさを感じた。
北千住のブルースタジオで鑑賞したけどブルーのシートにイエローの目張り、スクリーンの前
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ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

4.8

線、角度、奥行き、配色、なぜ全てのショットがこんなにも完璧なのか。本当に意味が分からない。
タイル地の外壁や障子や襖絵、東アジア特有の構造物を最大限に生かした線と立体感に対するこだわりがあまりにも美し
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.5

画が綺麗。だけど、「チャプター1」みたいに始まった瞬間に『フレンチ・ディスパッチ』で襲われた強烈な眠気がトラウマのように蘇ってきた。

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

3.8

登場人物が全員馬鹿なので笑ったり心の中でツッコミを入れるしかないし、ポストモダンやトレンディみたいな滑稽さやチープ感も分かってるんだけど、映っている圧倒的な画の美しさに全力でぶん殴られるので惹き込まれ>>続きを読む

さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.8

子供の頃に何度もWOWOWで放送されていて、いつも完走できなかったし内容もまともに理解できていなかったけれど、大人になって完走できて本当に良かった。
レスリー・チャンの表情や所作があまりにも美しく哀し
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

#metoo、トランプ以降の現代アメリカでのハリウッド、リベラル左派、キリスト教保守のポジションを分かりやすくまとめている感じの映画だった。自己批判も含めて全方位にチクチク喧嘩を売りつつも、対抗すべき>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

-

「訳が分からなくてつまらない」みたいな感想を見た時に、そりゃそうだろ『君たちはどう生きるか』って言ってるんだからと思った。"分かる"前提で生きていたら、創作をしようなんて思っていたら、苦労はないよ。我>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.9

これは絶対に映画館で見ないと。Dominic Fikeの曲が最高!なんか話はマトリックスみたいだったけど次回に期待!

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.2

ポール・メスカル演じる父親と年齢が近いこともあり、すごくジーンと来てしまって映画館を出てLosing My Religionを聞きながら一駅歩いて帰りました。

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

-

映画終盤の麦戸の「話そう」というセリフと一連の会話があまりにも素晴らしかった。哲学を少しずつ勉強していてよかったと思う。

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.8

うっすらと意識を侵食してくる不快なノイズや動作、仕草に終始圧迫された。映画が終わったら急いで外気を吸うために映画館を後にした。

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

メルヴィルのような英米文学を通ってないコンプレックスと自分がキリスト教的観念に対する知識があまり無いので、そこが分かるともう少し理解できるのかもと思った。
観終わった後に何の映画だったのか咀嚼するのに
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.7

官能的な視線や間合い、所作が美しいカメラワークの中に溢れていて贅沢だった。前半と後半で関係性や感情の動きがガラッと変わって若干追いつかない所があったけど見終わってから咀嚼する必要があった。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.5

最高。
複雑なものを複雑なまま受け入れること。
"This is A life"のlifeは単数系、uni-verseの中のひとつの人生。
凡ゆる可能的世界の中で最悪かもしれない人生でも、この世界にと
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

劇的な展開や過剰な演出など不要で、淡々としたペース進んでいく所が最高にタイトで良かったし、だからこそ実際の音声テープが静かに流れるシーンやワインスタインの高圧的な姿勢の恐ろしさが際立っていた。そして、>>続きを読む

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.5

ワンダ・ヴィジョンをよりフェミニズム的な文脈で作り直したように感じた。テーマは分かりやすく、男性支配や権力構造を自覚する=ウォークなんだけど、もう一歩どこか踏み込んで欲しいと思った。フローレンスピュー>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.0

冒頭のミット打ちや縄跳びの音がジムの中でビートのように鳴ってる場面で完全に入り込んでしまった。荒川区の空気感が美しくカメラに捉えられていた。
感情や熱量の話もあるけど、聾者であるケイコとのコミュニケー
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

以下、見ていて思ったことのメモ
・コロナ禍でアジア系に対するヘイトクライムが起きたことを念頭に置くと、アメリカなど白人優位な社会から見た雑な括りとしての「アジア系」としてまとめられることやそれに伴うマ
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