言葉とはロゴスであり、それは理性であったり、調和という意味でもあったりする。つまり言葉とは混沌に秩序を与えるもので、同時に混沌は、秩序の源泉である。
それを航海に例えて、海(混沌)を渡る船(言葉)を>>続きを読む
ハンセン病患者として瀬戸内海の島で80年間暮らしたかづゑさんの姿を追ったドキュメンタリー。
80年という時間の長さに一体どれだけの思いや、苦悩が、積もっているのだろう。生きるのが辛かったと話すと同時>>続きを読む
どこに重きを置いてみるかで評価が変わりそうな一作。父と子の車のシーンのセリフで思いがけず胸に来るものがあって、裁判の結末とは裏腹にそこはメッセージとして明確だったからそれだけで十分に満足できてしまった
シーツを被った幽霊の時間旅行。ホラーではない。
そこにいた人が遺した場所の記憶は新たな場所更新によりどんどん上書きされていく。それぞれの時代同士の共鳴はほとんどないが、それでも場所という概念では繋が>>続きを読む
フランスの共同親権。
今作の平均レビューが低めなのは鑑賞後の気分の悪さによるところもありそう
離婚後 11歳のジュリアンは父親と2週間に一度の面会取り決めがなされるが......
その離婚調停のシー>>続きを読む
戦禍、鉄道という舞台装置が2人を物理的にも精神的にもすれ違わせる。天国みたいに一面に広がるひまわり畑はもう取り戻せない過去の美しい記憶のようであり、愛する人をひたすらに想い続ける待ち人のようでもあった
絶賛の声もあるなかで少し怖かったという意見もちらほら
「こんなふうに生きていけたら」
という言葉を字義通り受け取れば、いや平山のような生き方はまるで世捨て人か囚
人のようじゃないかという感想を抱く>>続きを読む
暗闇に映し出される光の数々、
プラネタリウムと映画館をオーバーラップさせた演出が素敵だった
同じ[苦しみ]という言葉でも共有(感)しえないことの方が普通。映画冒頭早々にPMSを抱えていることが明かさ>>続きを読む
世間体を気にするとき本当に気にしているのは保身的な自己像であって、
世間体から一歩踏み出した時こそ、世間と自分との折り合いを見つけたときだ
全く世捨て人になることは現実的では無いし、かと言って世間の>>続きを読む
想像しない方向に進むから面食らってしまった。スポ根だと思っていたので......
人の身体というものは、強くあって欲しい時にはあまりに脆く、そうでない時にはあまりにしぶとい。依り代であると同時に檻。>>続きを読む
時代を皮肉った映画とそれを作品という枠組みの中でもてはやす風潮と評価、対して、描かれた題材が現実世界で起きたときの人々のリアクションは、出来事が同質であっても矛盾なんて簡単に生じる。物語と現実の感覚的>>続きを読む
あらを探そうと思えば決してないわけではないし、描き方として適切であったか正直分からなかった部分もある
それでも制作側が本作に誠実に向き合って作ったんだろうということや作品に込めた思いは十分伝わってき>>続きを読む
同じベッドに寝ている夫婦の中央上部からにょきにょきと黒い線が入る。違う場所で同じ時間帯に起きたことをそれぞれ別のカメラで捉えることは珍しくないけど、同じ場所で同じ時間帯に起きていることを監視カメラのモ>>続きを読む
フィンランド、食堂、コメディと来て既視感。かもめ食堂の元ネタはここにあったようだ。
1曲も知らない完全初見だったけど、鑑賞後すぐにサントラへ向かっていました
出落ちB級感がすごい!のだけど意外ともしかしたら、有り得る、のか......?????という、パッと見の舞台の突飛さと完全には否定しきれない設定の妙なリアリティがうまい感じにブレンドされていて面白い映>>続きを読む