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どんな動機があればこんな映画が撮れるのか。
おぞましく見てはいけないのでは、と思わせるシーンがいくつもある。自分の脳に、禁忌を感じさせる機能が付いていることに気付かされた。
エンドロールのときにようや>>続きを読む
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社会主義下の住宅問題が描かれる。タル・ベーラの社会を切り取る視座が少し分かった気がした。彼は市井の人々を見つめ、共に生き、寄り添っている。
メインの夫婦、特に妻は色々な経緯もあって、精神的に不安定にな>>続きを読む
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美しい質感、滑らなからカメラワーク、溢れる詩的な台詞。
世界に存在するひとりひとりが毎分毎秒思考しているのにもかかわらず、その99.9%が観測されないことに、時折寂しさを覚える。というのもそれは、自分>>続きを読む
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「それがどうした、全てが聖寵だ」で映画は終わる。
キリスト教信者の葛藤を描く作品は数多多くある。この映画はどんな描き方をしていただろうかと考えた。
葛藤つまり「聖」と「俗」の間で揺れる展開のパターンと>>続きを読む
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カルロス・サウラは感傷を避ける。現在を生き未来を見ていたい、と言う。写真を撮るのが好きで、末娘から「写真は過去を保存することでしょ」と問われると、笑っていた。
子供たちの幼かった頃の写真を見て「いい写>>続きを読む
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最後のメイの公園を歩くシーン、背景に曇天とぬかるんだ地面、禿げた木々。いわゆる映画らしくない、格好がつかない灰色がかった画面を見て、腑に落ちた部分がある。何が描かれていたのかということ。
夜明け前から>>続きを読む
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ひたすら暗鬱としているのだろうと勝手に想像していたが、わりと韓国のメジャー映画的なポップな演出がちりばめられていた。正直それは必要だろうかと思うが、その演出を排してしまうと一気にノワールでダークな方に>>続きを読む
終わり間際にこの映画の観方が分かった気がした。人ばかり観ないで画面全体を眺めれば良かったのかと思い至った。
今は少し実感が変わってきているが、エンディングロールが流れる間、この映画の中身自体にはそれほ>>続きを読む
ナチュラルウーマンといえばアレサ・フランクリン、松浦理英子。とはいえ映画の原題はUna mujer fantásticaで、英題はA Fantastic Womanとのこと。
たしかにナチュラルウーマ>>続きを読む
民間船が助けにやってくる、そのシーンで涙ぐんだ。そんな自分に少し驚いて、国ってなんだろうと改めて考え込んだ。
戦争が起こった際に率先して国を守ろうと志願することが自分にできるだろうか。戦争なんて全てく>>続きを読む
映画はフィクションにしろノンフィクションにしろ作品内で完結している。まあ実際はそんなこともないのだろうが、観賞後はそう思えてくる。だがこの映画は不思議で、終りがなく末広がりに感じる。サイコマジック的視>>続きを読む
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ホームレス、元ホームレスの方々はもちろんだが主宰のアオキさんが印象的だった。自らもダンス以外で生計を立てながらも、参加する人達を束縛しない。そして彼らの生き様を直接的に文脈を通して表現するのではなく、>>続きを読む
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今自分は若く、街で暮らし、街の映画館で映画に触れている。周囲の環境は誰かが整えてくれていて、資本主義を内面化した自分は当然のようにそれを受け入れ利用する。価値観すらも膨大な選択肢から快いものを身に付け>>続きを読む