家にあるものすべてさんの映画レビュー・感想・評価

家にあるものすべて

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幕間(1924年製作の映画)

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これこそ「ジェットコースタームービー」

映画が純粋に視覚芸術たりえた時代の、文字通りノイズなしの、視覚的快楽の探求。

現実世界では見ることのできないアングル、速度で遊ぶ楽しさが全編に通底している。
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泳ぐひと(1968年製作の映画)

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光彩と戯れる晴れやかな映像表現の中、満面の笑みを湛えて海パン一丁でプールを泳ぐバートランカスターの化けの皮が一枚一枚剥がれていく恐ろしい映画。怖い。

ゼイリブ(1988年製作の映画)

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言わずと知れた名作SFで、作品自体文句なしの出来だと思う。

個人的にはジジェクが言及していたイデオロギーサングラスの話でお馴染み。

野生の島のロズ(2024年製作の映画)

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商業アニメ映画の最高到達点と言っても過言ではないのでは?
少なくともドリームワークスの最高傑作だと思う。

アイアン・ジャイアントからWALL・Eを経て現在に至る米国ロボットアニメ映画の系譜に自覚的な
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少林寺三十六房(1977年製作の映画)

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圧政から逃げ延びた先の少林寺で、武闘家として覚醒してしまう青年の話。
訓練シーンがどれも良くできていて見入ってしまう。苦節の末、三節棍に辿り着くの玄人感があってめちゃめちゃ良い。

マーシャルアーツに
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The Tube with a Hat(英題)(2006年製作の映画)

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ラドゥ・ジュデのデビュー作とのこと。
とある貧乏一家の(おそらく)唯一の娯楽であるブラウン管テレビが壊れたため、遠く離れた修理屋まで、親子で運ぶ話(当然車はない)

フランシス・ハ(2012年製作の映画)

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久々に見直したバームバック作品。グレタガーウィグ主演作としてもマンブルコアの代表作としても有名だが、今見るとADHDの生きづらさみたいな話に見えなくもない。

ザ・ルーム・ネクスト・ドア(2024年製作の映画)

5.0

傑作。
これだけ重い題材を軽やかに扱える監督はアルモドバル以外にはいないだろう。
映画史文脈依存の人を選ぶ映画だとは思うが、個人的には好み。
(ジョンヒューストンの『ザ・デッド』を見て感激した体験を経
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アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方(2024年製作の映画)

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解釈次第という感じだが、アリ・アッバシ監督ならもっとリベラル寄りというか、「神話解体」に振り切った作風にしそうと思っていたが、意外とニュートラルな印象を受けた。
トランプはロイコーンのapprenti
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リアル・ペイン〜心の旅〜(2024年製作の映画)

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原題"A real pain"は「困ったヤツ」ぐらいの意味らしいが、真の痛みに向き合おうとする主題が一貫していてよくまとまった良作だった。キーラン・カルキンは本当に良い役者だ。

ミスター・ラッキー(1943年製作の映画)

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戦時下だからか、すごく不自然な展開になってはいるが、ケイリー・グラントのこういう二面性のある役柄は割と好き。

ヴァラエティ(1983年製作の映画)

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例えて言うなら『めまい』のキム・ノヴァクがジェームズ・スチュアートを追いかけ始める、つまり欲望のベクトルを反転させるだけで全く違う物語が立ち現れてくる事実が面白かったりするんだろうけど、半分以上寝てた>>続きを読む

お引越し 4Kリマスター版(1993年製作の映画)

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「子どもにのびのびやらせました」感が強すぎて若干くどい気もするが、アルコールランプのシーンとか、息子は天に昇ったと上を指差す老人の顔を映さないところとか、不意に鮮烈なイメージを突きつけてくるあたりは面>>続きを読む

ローラ殺人事件(1944年製作の映画)

5.0

シンプルに話が面白い。

フーダニット(犯人探しミステリー)でありながら、担当刑事(ダナ・アンドリュース)までもがローラ(ジーン・ティアニー)に惹かれていくというフィルムノワールで、言わずと知れた巨匠
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エンプティ・スーツケース(1980年製作の映画)

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『美と殺戮のすべて』で注目されたナン・ゴールディン出演作。
「今っぽい」映画ではあるのだが、今日のジェンダー観やアイデンティティ政治と絡めた論調で、その時代の固有性を無視する愚行は避けたいところ。

エニバディズ・ウーマン(1981年製作の映画)

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出来不出来はさておき、ミニシアターのレイトショーで見るのに最適な情緒はある。

トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024年製作の映画)

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これぞ香港アクションって感じの完成度の高い傑作だが、何が一番すごいって、ルイス・クー、サモハンキンポー他、国際的に知名度高くて引きの強いベテランから、しっかり次世代スターにバトンタッチしているところ。>>続きを読む