Pollyさんの映画レビュー・感想・評価

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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.8

SFとB級映画とアクションとコメディとヒューマンドラマの全部載せみたいな作品だった。アカデミー主演女優賞取る意味がめちゃめちゃよく分かった。

怪物(2023年製作の映画)

4.0

是枝監督は血の繋がりや社会の保証がなくても家族になれるのだということをいつもメッセージとして伝える監督だと思っていたけど、それらをこれまで描いてきた中で今このテーマを持ってきたことに、人並みな感想では>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.4

いい意味で2024年にこの質感の映画を観られるとは思っていなかった。でも執拗に繰り返されるウクライナの戦況ラジオが否が応でも今の話なのだと鼻先に現実を突きつけてくる。他愛もない(こともないことも起きた>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ケースワーカー、角田、スーパーの店長の逃げずに向き合う姿勢に涙が出た。だからこそ終わりはつらいけど、良くなる予兆を感じたまま死ねたのは三上にとっては幸せだったと思う。役所広司の演技が素晴らしい。

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.5

10年前に見たくて仕方なかった映画を10年越しに観てきた。こういう終わり方かーという驚きはあったけど、この作品の魅力を正面から受け取るには年を取りすぎたと感じた。10年前に友達と観たかったな。
エンド
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

3.5

「心臓より先に脳が壊れる全ての人へ」

金を払って将来確実に起こる鬱を買いに行ったような気分。人は死んだら終わりじゃなくて、葬式をして、墓に入れて、家を片付けて、ようやく人生を終える。映画としては母親
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

ジャームッシュと濱口竜介のいいとこ取りみたいな作品だった。これでPERFECT DAYSと名付けるの、意地が悪い。そして意地が悪いと感じてしまう自分の意地が一番悪い。平山より豊かな生活をしている人たち>>続きを読む

ブラインド・マッサージ(2014年製作の映画)

3.1

健常者でも盲人でも、性欲にまとわりかれながら生きねばならないのが気持ち悪いと思ってしまった。目の見えないシャー院長が美しいと言われているからという理由でドゥホンに好意を持ち出す描写に、人間は目が見えよ>>続きを読む

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

3.8

恋愛時代というタイトルだけど、この作品に出てくるバカっぽい男女の恋愛よりモーリーとチチの友情とも執着ともつかない関係性の綱引きが1番良かった。プールサイドでモーリーがチチにタバコの火をあげるシーンが1>>続きを読む

パーマネント・バケーション(1980年製作の映画)

3.4

苦手な方のジャームッシュだったけど、一つの場所に居られない主人公の気質に自分との共通点を感じて自己嫌悪。情緒不安定な人たちを見せられるのはたとえフィクションでもしんどいものがある。そして相変わらずどの>>続きを読む

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.5

"その後"が観客が息苦しくなるほどに綿密に描かれていて、後半はかなりしんどかった。決定的な悪者がおらず、悲しさや悔しさをどこにぶつけて良いのか分からなかった。一言でいうと救いがない、に尽きる。
映像は
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ハロルドとモード/少年は虹を渡る(1971年製作の映画)

3.2

朗読劇を先に観劇済み。原作の雰囲気をうまく踏襲して作られた劇だったんだなと朗読劇の評価も上がった。2人のバストアップのショットからどんどんズームアウトして一面の白い墓で画面がいっぱいになっていくシーン>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.3

めちゃくちゃ面白いという前評判を頭に叩き込んで観に行ったうえでめちゃくちゃ面白かった。3時間に感じさせない展開と圧。インド版走れメロスっぽいなと思ってたら指摘してる人既にいましたね。筋トレをしたくなる>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.5

食人の賛否を問うことがテーマではなく、この作品における食人のような扱いを受けているマイノリティの生き方を描いた作品。冒頭、普通の女の子たちはネイルで爪を染めるけど、マレンは血で望まぬ色のネイルになるの>>続きを読む

東京暮色(1957年製作の映画)

4.0

孝子が家庭に戻る時の「やっていきます。やってけなくても、やってかなきゃならないと思います」という言葉が印象に残っている。家庭・家族は自然と形成されるのではなく、強い意志を持ってやっていかないと成り立た>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

2.7

動物ってこんなに情緒豊かな演技が出来るんだと感心した。特に母羊と猫。あと映像が綺麗。ただそれだけ。5年前に観てたら面白いと思えていたかとしれない。
こういう映画を観ることによって満たされる欲というのが
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戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

4.3

10年ぶり2回目。恋という感情を知る前に恋をしてしまうこと、定義すら赦されないその思いの行き場のなさ。戦争を微分すると結局個人に行きつく。搾取され壊されるのはいつも個人。

ラストエンペラー(1987年製作の映画)

3.8

予算いくらだったんだろう…という愚問が真っ先に思い浮かぶほどの豪華絢爛さ。絶対に良い作品を作り上げてやるという執念が感じられてよかった。ジョン・ローンの美しさと溥儀の空虚さが苦しかった。

昔日本史の
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.0

登場人物の名前も背景も全く知らない状態で観たけどそこそこ楽しめた。バスケの試合として。映像の緩急の付け方が巧い。

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

唐辛子を大量に入れたらどんな料理も激辛料理になるのと同じで、人の死と動物の頑張りは大抵の人の涙を誘う。だからそれ以外で泣かせてみてよ、と号泣映画を謳う作品に常々中指を立てて生きているので、その要素をダ>>続きを読む

もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)

3.0

ラストが賛否両論と聞いていたから自分がどっちに転ぶのかワクワクしながら観てたけど残念ながら否のほうだった。どんでん返し感やメタ感を出したかったんだろうけど、その手法はもう50年前に寺山修司がやってるよ>>続きを読む

緑の光線(1986年製作の映画)

3.6

女が常に男を探しているという前提には共感しかねたけど、この時代に観ても違和感がない、妙に生々しい面白さがあった。デルフィーヌのプライドの高さや自己肯定感の低さ、孤独を感じるシチュエーションの描き方がう>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.9

絵画のように美しく綿密な画面構成、贅肉を削ぎ落とした無駄のないセリフとショット、その間を表情と佇まいで語る役者、どれも素晴らしかったが、素晴らしかったがゆえに映画のテーマである女として生きる苦しみが一>>続きを読む

2046 4Kレストア版(2004年製作の映画)

3.5

想像してたよりもSF色は濃くなく、カーウァイの走馬灯のような作品だった。順番的にこれを最後に観るべきと聞いていたけど、その順序で観て正解だった。
2046という数字は疑いようもなく香港50年不変のこと
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欲望の翼(1990年製作の映画)

3.7

自分にとっては人生が激変するほどの大きな出来事であっても世界視点で見るとありふれた出来事であって、実際登場人物みんなが他人に同じことをしている。特別な点なんて何もない。主語を入れ替えて人は同じことを繰>>続きを読む

天使の涙 4Kレストア版(1995年製作の映画)

4.0

元々『恋する惑星』の一部として描かれるはずだったらしいけど、分けて正解だと思った。『恋する惑星』と一緒にしてたらフェイ・ウォンのチャーミングさに覆われて、この金城武のチャーミングさが霞んでしまっていた>>続きを読む

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

人間って普通に見える人でもみんなどこか変でおかしい。モウと金髪の女がどうなったのか、果たしてあの女はなんだったのかは結局分からずじまいだったけど、みんな恋して忘れて、恋したことすら忘れて、何もなかった>>続きを読む

ブエノスアイレス 4Kレストア版(1997年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ウィン、なんてひどい男なんだ。フェイは早く別れちまえ!とモヤモヤしながら観ていたけど、フェイもフェイでパスポートを隠したり、手が治らなければいいのにと思ってたりとなかなか酷いやつだった。共依存のお互い>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.0

良い作品だとは思ったけどそれ以上のインパクトを残さなかった。期待を越えもせず裏切りもせずといった感じ。同監督の類似テーマ作品なら万引き家族のほうが好みだった。是枝監督は優しくてあたたかい人ですね。そし>>続きを読む

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