村さんの映画レビュー・感想・評価

村

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.6

奇を衒ったりせず、元来のゴジラ作品を想起させるような作りの姿勢が、怪獣映画というものの魅力を存分に押し出していたと思う。

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

3.2

前半パートのストレス蓄積タイムは結構しんどくて、気を使うとたどたどしくなっていく口調だったり、会話が一切噛み合わないのに問答無用で進行していく様は私にも身に覚えがあるので、割と心痛ものだった。けれどそ>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

3.3

主人公が仕事をしなくなったことで無自覚に精神をすり減らしていたにせよ、最低限の人付き合いはしとくべきだろとは思ってしまったり色々とモヤモヤして見ていたが、娘が聡明で家族愛に満ちている姿を見て何だか癒さ>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.3

本編が進むにつれて話が繋がっていく感覚最高だったな。家族より学校や友達にフォーカスを置いてるのも是枝作品の新境地を見た気がした。

ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

2.8

複雑な家族関係の設定だったので、終始重苦しいのかと思えばシュールなユーモアでお茶を濁したり、イカれた行動取って周りドン引きさせたり、急に哲学じみた会話しだしたり、挙句の果てにミュージカル始まったり、目>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

-

俺に学がないのと、感性が乏しいから楽しめなかった、ということは重々承知しているのだが、今作は本当に面白いと思えなかった・・・。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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アニメーションの美麗さに見惚れていたら、作品に置いてけぼりにされていたけど満足だったなあ。リアル志向の作品かと思いきやファンタジーに舵を切り始めたのとかわくわくしたし、内容をギリギリまで隠し通してたこ>>続きを読む

ガール・ピクチャー(2022年製作の映画)

3.5

やはりどうしてもお付き合いやエッチできなかった子が一番不憫に見えちゃうな。他二人は一時の感情であれ気持ちいい思いはできてるわけだし。そのステップにすら到達できなかった苦悩を考えると結構心苦しい。

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.1

露骨な不快感はないにしろ、ひたすらモヤモヤし続ける陰鬱な映画だった。クラシックに疎いので講義もインタビューもリハーサルも何言ってるか全然分からなかったのだけど、支配的な振る舞いで次第に周りを不愉快にさ>>続きを読む

セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

4.2

自分も含めて多くの人は自分の身の丈を自身で目算して物事を選択するだろうし、実際それが当てはまって成功する人達はいくらでもいると思う。けれど自分が好きなもの、正しいと思う考えを押し殺してまで規定する必要>>続きを読む

午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

3.1

夫との離婚に落胆したり、経済難になったことで、厳しい条件下の中で仕事を見つけなければならなかったりと序盤からハードモード全開だと思ったら、家族間で特に大きな動揺はなく、それどころな明らかな非行少女を連>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

3.8

マイケルジョーダンの影響力の大きさと、スニーカーカルチャーの歴史の一端を垣間見れる作品。マットデイモンは相も変わらずいい演技するし、クリスタッカーはぽっちゃりしててびっくり。
ほんとナイキの販促映像な
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

3.3

利己的で図々しく、年甲斐もなく女子高生に発情したりと気後れしてしまうくらい主人公が不愉快なのだけど、軽妙で抑揚が少ないテンポ感と、登場人物が全員もれなく性格に難ありなので、コメディ色が強く気軽に鑑賞で>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

4.1

映画に携わる三者三様の栄枯盛衰をモラルガン無視のド派手映像で楽しめた。
無声映画制作の一連の流れをコミカルかつ華やかに描いた一方、各人の時代との付き合い方、抱える苦悩も見応えあり。
怒涛の名映画ラッシ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

1.5

登場人物の掘り下げが希薄なので物語に存分に移入できないし、セリフはぼそぼそ喋る部分が多くてイマイチ聞き取れない。昭和ライダーを彷彿とさせるカットやテンポ感が見て取れたものの、なまじ映像がスタイリッシュ>>続きを読む

あつい胸さわぎ(2023年製作の映画)

3.5

そこに生きている人々を撮ってそのまま映画にしたのかってくらいの何の変哲もない生活感を醸し出せている雰囲気作りが見事。各々が街中や学校、職場で交わした言葉や情報が色んな人に波及していって、新たな出会いや>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.7

数多の被害者を生み出しながら20年以上も隠蔽されていたという事実に打ちひしがれる。事実だけを見れば断罪されて然るべき所業であるのは火を見るより明らかなのに、告発に辿り着くまでの途方もない手順、具体的に>>続きを読む

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

4.0

ニノと松坂桃李の演技が迫真すぎて後半ずっと泣いてた。1歩間違えればくどくなりそうだった遺書渡しや抗議シーンも演者の演技力で相殺して抵抗感なく観れる。
しかしながら北川景子の白髪ヘアメイクの違和感が気に
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.9

とっつきやすくてシンプルでおもろい。
大仰に他人巻き込んでいって展開していくんじゃなくて、人知れず壮大なものに立ち向かっていく感じも好き。
ロードムービーっぽくなってたのもグッド。

かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-(2022年製作の映画)

3.3

15巻あたりのお話正直そんな好きじゃなかったけど、アニメで見たら案外気にならなくなった。

チケット・トゥ・パラダイス(2022年製作の映画)

4.0

いやいやめちゃくちゃ仲良いじゃん。
円熟夫婦のお戯れじゃん。

RRR(2022年製作の映画)

3.8

この演出どうしても入れたかったんだろうなって作り手の心理が透けて見えるくらいにド派手な映像で驚かしてくるんだけど、かといってストーリーは二の次ということは決してなく、しっかりアクション映画としての様式>>続きを読む

恋人はアンバー(2020年製作の映画)

5.0

映画館ですすり泣いてしまった。眩しすぎて直視できないくらい多幸感に満ちたカップルごっこを展開した前半から一変して、抗うことの出来ないセクシャルマイノリティの壁に阻まれ、各々が寄り添うことが不可能だと確>>続きを読む

王立宇宙軍 オネアミスの翼 4Kリマスター版(1987年製作の映画)

4.7

開発主義への危機感を滔々と伝えてくれるし、世界観や作画の作り込みが素晴らしく、凡作のSFに埋没せずに個性を放ってた。
制作陣が心血注いで作り込んだことが在り在りと伝わってくる。
それまでのアニメとは一
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四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

4.0

前作のようにモノローグを多用せずに会話で進行していく様は意外ではあったけどこれもまた一興。真っ当に充足した大学生活を謳歌できている「私」がなんだか感慨深い。

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.8

銃声の音ハメはナンセンス。それ以外の要素はハイセンス。

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.3

ミュージカルでホラーを演出するというかなりアバンギャルドな表現方法に挑戦しているが、これがなかなかハマって面白い。程よいサスペンス要素も相まって視覚的にも脚本的にも楽しめる良作。

ディーバ デジタルリマスター版(1981年製作の映画)

3.1

ガレージの中の裸体ペイント、青いライトに照らされた細長い部屋にぽつんと置かれたバスタブ、しこたま重ねられたジタンと途方もない数のジグソーパズルなど独特な美的感覚に彩られた映像美とセットづくりに息を呑ま>>続きを読む

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.5

物語の起伏自体は小さいけれど、その分人物と会話をスポットに当てて丁寧に繊細に切り取っているので飽きが来ない。友達の色恋沙汰に巻き込まれたり、遊んでなさそうなやつが裏ではちゃっかりやることやってたりする>>続きを読む

セイント・フランシス(2019年製作の映画)

4.7

女性を取り巻く様々な問題を軽率に映画で表現しようとすると現実味が薄くなったり、逆に徹底的に描こうとすると説教じみたり人によっては受け入れがたかったりすると思うけど、今作は映画作品としての魅力を発揮しつ>>続きを読む

勇気ある追跡(1969年製作の映画)

3.3

最後まで旅を共にする3人の意見が一致することはなかったが、何故かそこまでギスギス感が生まれてこないのが不思議だ。相互に失礼な態度しか取ってない印象だけれども、ビジネスライクな関係だったとしても、このく>>続きを読む

灼熱の魂 デジタル・リマスター版(2010年製作の映画)

3.4

演出も撮影も節々に重苦しくて印象的なカットがあってかっこいいんだけど、オチの衝撃に比重がかかりすぎて映画全体として最高だったかというとそうではないかも。母親の生涯を追っているうちに自身の出生に辿り着く>>続きを読む

C.R.A.Z.Y.(2005年製作の映画)

2.6

ひたすら家族喧嘩を重ね続けることに正直辟易としてしまったけど、絶妙にもやもやさせる胸糞演出として一役買っていたと思うのでこの部分は一概に否定できない。しかしながら物語は味気ない作りになってしまったなと>>続きを読む

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.1

大合戦を期待して見に行くと肩透かしを食らうかもしれないけれど、これはこれで意外性を見せてくれたってことで得心が行く出来だと思う。これから最終章へ向かう作品の読者へのサプライズというか導入としての側面で>>続きを読む

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