YuTakahashiさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ミトン(1967年製作の映画)

5.0

かわいい。でもかわいいだけじゃなく、心を繊細かつ丁寧に描いている。DVDには各10分の3作品が収録されているけど、この10分間からはこの物語の何時間分もの世界が想像できる。美しい奇跡的な名作。

セロ彈きのゴーシュ(1982年製作の映画)

4.1

この頃の高畑勲監督は完璧といっていいと思う。丁寧に描きつつもその中で絵的な冒険も忘れない。後の「山田くん」や「かぐや姫」にも通じる水彩画のような背景の処理などもすでに見受けられる。宮沢賢治の原作を高畑>>続きを読む

現金に体を張れ(1956年製作の映画)

4.6

痛快。ゆっくり見せたり、早く見せたり、この監督は時間の使い方が本当に上手い。まさに「THE END」という感じのエンディング映像が格好良すぎる。

あなただけ今晩は(1963年製作の映画)

2.6

ビリー・ワイルダーのこれまで見た作品は脚本がとても良く練られている印象だったが、この作品は特に中盤以降の雑さは目に余るものがあった。『情婦』や『サンセット大通り』を作った同じ監督とは到底思えない。>>続きを読む

リュミエール!(2016年製作の映画)

4.7

「リュミエール」のただ映像を撮るだけではなく、たった1分未満の映像の中でお客さんを楽しませよう、驚かせようとする姿勢。それだけで胸が熱くなる。良くない訳がない。

黒猫・白猫(1998年製作の映画)

4.0

『アンダーグラウンド』にも負けず劣らず、今作も映像の熱量が凄い。狂乱の渦もしっかりと一枚の絵として完成しているところがこの監督の素晴らしさだと思う。オリジナリティの塊。ただ熱量が凄すぎて鑑賞後ぐったり>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

4.8

トーキング・ヘッズというバンドがこの時期やりたいアイデアに溢れ、そこに猛進していたんだと感じれる作品。演奏の集中力、グルーヴ感がすごい。そしてそれらを映像にしっかり収めることに成功している。全音楽ファ>>続きを読む

ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)

5.0

バンドを経験した身として、ラストは打ち震えてみるしかなかった。監督は「音楽」というものの持つ素晴らしさを、見事にこのバンドの物語の中に落とし込んでいる。そしてこれは音楽好きだけが楽しめる作品なんかでは>>続きを読む

ディア・ハンター(1978年製作の映画)

3.6

3時間という上映時間にしては、後半の展開が雑で、ラストの勝負に向けての辻褄合わせのように感じるシーンが何箇所かあった。デニーロは相変わらず上手い。戦争シーンを極力排除して、戦争の悲惨さを描くという視点>>続きを読む

プレイタイム(1967年製作の映画)

4.0

オファスのセットがミニマルで素晴らしい。後半はウォーリーを探せのようだった。何度も観れる名作コメディ。

ゴーストスクワッド(2017年製作の映画)

3.6

百合あり、スプラッターありと、井口監督の趣味全開。ただこの映画はノーメイクス主演の前作『キネマ純情』と比べて、明確な「死生観」や「罪と罰」といったシリアスな井口監督の思想を強く感じた。

自分はそんな
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お茶漬の味(1952年製作の映画)

4.8

夫婦とはどういうものかというのを小津監督らしく丁寧かつ繊細に描いていく。淡々としてるはずのラストシーンに込み上げるものがあった。タイトルだけでは決して観なかった映画。大傑作。