いくたろさんの映画レビュー・感想・評価

いくたろ

いくたろ

映画(1382)
ドラマ(0)
アニメ(0)
  • List view
  • Grid view

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

3.7

叔父と一緒に暮らす7歳の少女。早世した母親から「資質」を受け継いでいた彼女の親権を求めて、ずっと疎遠だった婆さんがひょっこり訪ねてくる。天才数学一家のホームドラマ。互いに挫折を経験しているからこそ彼女>>続きを読む

ハート・オブ・ウーマン(2000年製作の映画)

3.0

女性観の歪んだプレイボーイなオッサンが、風呂場で感電したことで女性の心の声が聞こえるようになってしまうお話。心の声がやや表面的な気がしなくもないけれど、M.ギブソンのあたふたする様子が可笑しい。相手を>>続きを読む

人生は、時々晴れ(2002年製作の映画)

3.0

ロンドン郊外の団地を舞台に、いつの間にか壊れてしまっていた家族の日常を淡々と描いていく。生きていくのに精一杯だから気付かない。不器用だから伝えられない。そんなすれ違いの積み重ねがそれぞれの心を枯渇させ>>続きを読む

八日目(1996年製作の映画)

3.4

最愛の子供たちと会えなくなった男と、母親に会いたくて施設を抜け出したダウン症の青年と。孤独な二人に芽生えた友情をファンタジーのエッセンスを織り交ぜながら描いていく。雨の中の再会、二人だけの一分間、浜辺>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.0

スクリーンに登場した怪物を実在すると思い込んでしまった幼い少女のお話。正直よく分からなかったが、子役アナ・トレントの不思議な魅力に惹きつけられた。「秘密」を持つことで少しだけ大人に近づいていく。弱々し>>続きを読む

あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

3.5

ゴミ捨て場のサーフボードが夏を連れてくる。サーフィンに熱中していく彼と、寄り添う彼女と。耳の不自由な男女のひと夏の出来事。二人だけの世界が拡がっていく様子を静かに淡々と描いていく。ひときわ静かな夏の終>>続きを読む

縁路はるばる(2021年製作の映画)

3.0

奥手な青年が続けざまに魅力的な女性とめぐりあう。しかし、彼女たちはみんな遠方に住んでいた。ゆるい恋活コメディながら、大陸の影響力が高まる香港の世相をやんわりと紛れ込ませていて、どこか気骨さも感じられる>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.9

声を失った清掃員と、水槽に閉じ込められた奇怪な生物と。米ソ冷戦下の極秘研究施設で孤独な魂が惹かれあっていく。言葉に依らないからこそ純粋で美しい愛の形。権威主義に囚われた「男らしさ」が放つ醜さが、その美>>続きを読む

ぷりてぃ・ウーマン(2002年製作の映画)

3.2

ふとした思いつきが老いた心に火をつけた。演劇をすることになった仲良し婆さん7人組が初舞台を踏むまで。平均年齢69歳の青春物語。いろいろ引っ掛かるところもあるけれど、悪戦苦闘しながらも生き生きと芝居に打>>続きを読む

赤ちゃんはトップレディがお好き(1987年製作の映画)

3.4

成功だけを夢見て仕事一筋に邁進してきたバリバリのキャリアウーマンが、いとこ夫婦の忘れ形見の赤ちゃんを引き取るお話。芽生えた母性が教えてくれた「成功」の意味とは。慣れない育児にてんてこ舞いなD.キートン>>続きを読む

私がやりました(2023年製作の映画)

3.7

大物プロデューサーが殺されたところから始まる奇妙なサクセスストーリー。売れない女優と駆け出しの弁護士と。家賃滞納中の二人が「演じる」ことで抑圧的な時代を切り拓いていく様子が痛快。終盤、物語を掻き回す往>>続きを読む

ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

3.3

セレブ暮らしながらスランプで塞ぎ込みがちなオペラ作曲家が、精神科医の妻に薦められて愛犬と一緒にあてもなく街に出る。都会の片隅で人知れず燻っていた悩みや苦しみが集約され、オペラへと昇華されていく。誰だっ>>続きを読む

パリの調香師 しあわせの香りを探して(2019年製作の映画)

3.5

人柄はいいけれど失業寸前の運転手が、繊細ゆえに人付き合いの苦手な調香師に雇われる話。匂いと匂いとを調合して香水になるように、躓きを経験した二つの人生が混ざり合っていく。主役の二人が魅力的で、とりわけ調>>続きを読む

寝ずの番(2006年製作の映画)

3.3

上方落語界の重鎮が死んだ。偉大な師匠を偲んで弟子たちが酒を片手に猥談に花を咲かせる。どストレートな下ネタだらけ。◯◯◯や◯◯◯といったワードが飛び交って、当然卑猥ではあるが、不思議と気品のようなものも>>続きを読む

人生は、美しい(2022年製作の映画)

3.0

余命宣告を受けた主婦が、モラハラ亭主を引き連れて初恋相手を探す旅に出る。湿っぽくなりがちな題材をミュージカル仕立てでカラッと、締めるところは締めて描かれている。最後まで亭主のキャラは好きにはなれなかっ>>続きを読む

隣のヒットマン(2000年製作の映画)

3.2

閑静な住宅街。後悔だらけの結婚生活を送る歯科医師の隣に伝説の殺し屋が引っ越してくる。一癖も二癖もありそうな曲者が続々と出てきて序盤からどす黒い空気が漂いまくるコメディ作品。B.ウィリスの存在感がもたら>>続きを読む

さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)

3.4

京劇に身を捧げた役者の愛憎の軌跡。苛酷な修行の中で育まれた情念。理解されないだろう思いを遂げようと彼は虞姫そのものになろうとした。だが、その唯一の希望は時代のうねりに飲み込まれていく。指先までもが艶美>>続きを読む

ビッグ(1988年製作の映画)

3.5

「早く大きくなりたい」という願いが叶って体だけ30歳になってしまった少年のお話。誰もが無邪気で純粋だったはずなのに、いつの間にかそれらを無くして大人になっていく。その無くなっていく過程を、可笑しさとほ>>続きを読む

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

4.5

同級生たちが巣立った学校のグラウンドをフラフラと走る二人乗りの自転車。それはあの頃と同じ。「リターン」とはそういうことなのだろうか。二度とは戻らないがゆえの青春の残酷さ。それに気付いていないのもまた残>>続きを読む

タイタンズを忘れない(2000年製作の映画)

3.5

人種で分けられていた高校が統合。アメフト部も統合されることに。合宿で育まれてた人種を超えた友情が、ギスギスしたままの学校へ、街へと波及していく。正直、現実はそんなに甘くはない。だからこそチームのみんな>>続きを読む

夢を生きた男 ザ・ベーブ(1991年製作の映画)

3.7

夢を掴み取ったその華々しい人生とは裏腹の両親から見捨てられた過去。豪快で型破りで無邪気で未成熟で。そんな伝説的ホームランバッターの実像に迫っていくお話。ベーブ・ルースの伝記をトレースした良くも悪くも無>>続きを読む

八月のクリスマス(1998年製作の映画)

4.1

最期の夏の日に、彼女と出会った。小さな写真館を営む主人公。残された時間を悟った彼の何気ない日常をスケッチのように積み重ねていく。物静かな彼の人柄のように、どこか穏やかさと優しさが感じられる作品。多くを>>続きを読む

東京上空いらっしゃいませ(1990年製作の映画)

3.1

死んでしまったキャンペーンガールの少女が、お人好しの死神をだまして現世に舞い戻るお話。死んでるのに暗くはなくて逆に明るい空気感が、ぎこちないけれど初々しい牧瀬里穂の魅力を引き出している。終盤の歌って踊>>続きを読む

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

3.8

戦場のどこかにいるはずの二等兵を救出せよ。オマハビーチの激戦を生き抜いた兵士たちにそんな指令が下る。常に隣り合わせの生と死と。1人の命か、8人の命か。そんな答えの出ない選択を迫られている。そんな気分に>>続きを読む

Re:LIFE リライフ(2014年製作の映画)

3.0

アカデミー脚本賞を受賞したっきり泣かず飛ばずの脚本家が地方の大学に講師として招かれる。学生と向き合った瞬間に気付かされた自分自身の薄っぺらさ。それを踏まえたところから始まる人生のリライト。派手さはない>>続きを読む

白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

2.8

ジャズピアニストを志す青年と、彼と瓜二つのジャズピアニストと。夢の吹き溜まりのような夜の銀座で二人の人生が奇妙に交錯していくお話。思っていたのとは違った現実。それにぶち当たる事前と事後を描いているよう>>続きを読む

ONCE ダブリンの街角で(2007年製作の映画)

3.3

路上ミュージシャンと、彼の歌にふと足を止めた移民女性と。たまたま街角で出会った男女が音楽を通じて心を通わせていくお話。恋の行方を遠巻きに見守っているような手持ちカメラの映像がどこか優しい。ほんのり切な>>続きを読む

フィールド・オブ・ドリームス(1989年製作の映画)

3.6

原風景のようなトウモロコシ畑の球場。時代が移ろい社会の価値観が変わってもベースボールだけは不変だった。すれ違ったきりだった父との絆。その心の引っ掛かりが彼に「それ」を作らせたのかも。薄暮に浮かび上がる>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.8

殺人現場をたまたま動画撮影してしまった中学生3人組が、犯人から金を脅し取ろうとするお話。それはこのガチガチの格差社会を駆け上るための無邪気な計画だったのかも。あれよあれよと展開していく後半の畳み掛けが>>続きを読む

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

3.8

一片のパンを盗んだことで19年間も投獄されていた男の波乱の人生を描いたミュージカル。セリフのほとんどが歌に置き換えられていて、冒頭から音楽の力に心が揺さぶられっぱなし。とりわけ“One Day Mor>>続きを読む

ビッグ・マグナム黒岩先生(1985年製作の映画)

2.6

荒廃が極限にまで達したアナーキーな学園に横山やすしが赴任してくる。ツッコミどころ満載。コンプライアンスなんて概念が存在しなかった昭和のテイストがぎっしりと詰まったコテコテで破茶滅茶な作品。二丁拳銃を携>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.6

三者三様それぞれの思惑が絡み合って紡ぎ出されたグロテスクな人間模様。イングランド王室を舞台に、女王からの寵愛をめぐる三角関係を描いたドロドロで生々しいお話。光の描写が、とりわけロウソクの炎の描写が美し>>続きを読む

ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

3.5

悪名高き王に心惹かれてしまった女性が歴史を覆す大発見をするまでのお話。飽くなき探究心が平凡だった彼女の人生に彩りを添えていく。実話ベースながらファンタジー風に味付けしているところが良くて、彼女の恋愛感>>続きを読む

キリマンジャロの雪(2011年製作の映画)

3.5

くじ引きで解雇された男の自宅に強盗が入り、妻と行く予定だった旅行資金が奪われてしまう。労働者の悲哀を軸に、熟年夫婦の絆と人間愛を描いた作品。良かれと思った行動が誰かにとって不条理として作用してしまう。>>続きを読む

星の旅人たち(2010年製作の映画)

3.5

バックパッカーだった息子を失った爺さんが、息子が歩くはずだった全長800kmに及ぶ聖地巡礼の道を息子の遺灰を携えて歩くお話。ゆっくりとした時間の流れが、個性的な面々とのゆるい繋がりが、彼の心をほぐして>>続きを読む

>|