ilさんの映画レビュー・感想・評価

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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

3.4


喋れない夫人(ほぼ未亡人みたいなもん)に、カラダ目当ての間男が夫人の宝物であるピアノを手に入れた事である取引を持ちかける。

それはキーブロック1個分のピアノレッスン(と言う名の枕営業)。

はじめ
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.3


綾野剛の一発目の裏声紅を聴くだけで見る価値ある。

これはまぁ原作の勝利と、原作の設定を忠実に再現した役者達の演技の賜物ではある。

ヤクザ数人に教えを請われた際の、
岡くんがどんどん口悪くなってい
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ブラウン・バニー(2003年製作の映画)

3.2


最後の方のシーンを撮りたかっただけなのでは映画。

ラストを見れば、主人公が何故そんな振る舞いだったかが分かるが、あらすじでバラされてしまっててリドル追いもクソもない。
幸いあらすじ見てなかったので
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月に囚われた男(2009年製作の映画)

3.2


あの女性は結局何だったのか。
ただの消費期限によるバグとしてだけならホラー的演出が掛かりすぎでは?

2001年宇宙の旅と2049足して3で割ったような話。

AIがお助けロボット過ぎてそれが無いと
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3


オッペンハイマーとは何者であったのか。
原爆、大量破壊兵器、科学とは何であったのか、そして如何あるべきか。

責任、呵責、計画の成功、ヒューマニズムの帰結。

つまりは優しさの表裏=自己都合、弁護と
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スモーク(1995年製作の映画)

3.4

今更鑑賞。

「煙草の煙の重さは何グラムか知ってるか?」

そんな会話から始まるヒューマンドラマ。

金は天下の回りもの。

良いことしたら良いことが返ってくる。

など、人生訓めいた話もありながら、
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.2


いちいち気まずい煙草とコーヒーのあるシチュエーションコント。

イニシアチブがひっくり返ったり、テーマを天丼させたり、合体させたり、ミュージシャンや俳優が出てたりが面白い。

格差や、居合わせた状況
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

3.4


今更鑑賞。

猿のシーンの日の出との合わせ方が絶妙。
60年代で既にフェイスタイムやAIのイメージが確立されてたんですね。

そしてAIの危うさまで。

この映画では、人類がAIに勝るのは身体性を持
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

3.5


名作今更。何故かレッドドラゴンは観たことある。

90年代の映画って脚本が古くてあんま今見たら面白くないのが多いけど、流石のレクター博士。トマスハリス。

善悪とかの凡庸な倫理観に囚われないサイコパ
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プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.5


シンプルな話の入りから、
事態は迅速に解決すると思われた。

しかし難航。

親たちは焦燥、苛立ち、メンタルヘルス緊急事態。

敏腕警察は遠回りしながらも解決へと向かう。しかし、手がかりがつかめない
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ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

3.2


宇宙でのハラハラ、ギリギリ大脱出。

「ロシアファック!」が全て。

メンタル克服イマジナリージョージクルーニーは少しウルっとくる。

大地を踏み締めて重力を感じる気怠さに、
かすかに安堵と喜びがあ
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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

3.3


言語ほぼ不通話な異国のアウェイ感。

外国から見た日本(わりとネガティヴな視点多め)をそれでも面白く見ようとして、
見れなくて、そんな2人が出会って、
むず痒い不倫未遂をお送りする、やるのかい、やら
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ファーゴ(1996年製作の映画)

3.1


この年代らへんの米映画ちょい苦手なんだよな。色味とかカメラの質感的なものは映画映画してて好みではあるんだが。

主人公像?中流階級具合?
プロット?
話の顛末?

事実を元にしているとは言え、
あま
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ベケット(2021年製作の映画)

3.3


黒人のタフさエグいな映画。
亡くした命と拾った命でプラマイゼロ。
ラストにかけての捨てがまりバーサーカー主人公のアクションシーンは強烈。

ギリシャに旅行中のカップル。
急遽変更した宿に車で向かう真
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.4


間であったり、ずっとキメッキメの構図、色彩、倫理観。

シリアスにコメディを加える事で重くなりそうな話もサクサクと軽快な食感で見せる手管は凄い。

Dr.パルナサスの鏡(2009年製作の映画)

3.4


映画、その他ナラティブに関するメタファー、並びにテリーギリアムの心情吐露とも解釈できそう。

性急に駆け抜けるドタバタ劇、シーソーゲーム、それもある意味らしさだし、話というよりかは、世界観構築の想像
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エンター・ザ・ボイド(2009年製作の映画)

3.5


臨死体験。
をリアルに、写実に、さもそうであるかのように繰り広げる。

特筆なのは視点。
一人称視点(しっかり瞬きもする)から、トリップ、死では神視点、同じ現象でも視点が変われば、それが過去の追想で
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フィッシャー・キング(1991年製作の映画)

3.8


やっぱりテリーギリアムが最高。

情けは人の為ならずだし、
PTSDのホームレスとウ・ヨンウ的彼女との恋路。無駄に歌の上手いオカマ。
仕事干されてやけっぱち期に付き合った彼女とのあれこれ。

色々都
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

3.5


自然主義的思考発露。

プレイヤーと批評家。

天使=透明人間、思考読み、しかし物理鑑賞不可(波長の伝播は可能)

これじゃ除き魔だ。

いや、それではあまりにも陳腐だ。
いや、陳腐でもよいのかも。
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

3.2


今見るとそんなにハマらない。
リンチに対しての予習が足りてないせいだろうか。

視座をどこに置くか。
という問題になるわけですが、
まぁ見方によってはいけすかないオシャレ描写と冒頭シーンの謎を辿るプ
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

3.2


5回目の挑戦にてやっと見終えた。

ラスト10分の持ち時間切れた後の詰めみたいな省略が、逆に面白かったというか、ユーモラスやオチではあった。

ラストの曲をかける為のごっつのキャシィ塚本オチ。

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女神の継承(2021年製作の映画)

3.5


「悪さをすると、お化けが出るぞ」
の写実的拡大解釈。

教訓として、
業深い所業に対しては、
相応のしっぺ返しを喰らう。

それは如何にあらゆる神への信仰を持ってしても太刀打ちできないほどの、
逆に
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COUNT ME IN 魂のリズム(2021年製作の映画)

3.4


ロックに心酔してた中坊の頃に戻れる。

ドラマーのモチベアップムービー。

やっぱりボンゾとキースは別格。
というか、あの頃のドラマーってなんであんなにカッコいいんだろうね。

映像の質感と音感だろ
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.5


3時間に細かく細かく、と思えば大胆に、
壮大な物語を凝縮し、IMAXカメラの馬鹿デカい画角、迫力の映像と、映画としての表現をこれでもかと詰め込んでいる。

面白くないわけがない。

ただ、2部目だか
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マジック・マイク ラストダンス(2023年製作の映画)

3.4


愛、エロス、パッション、ダンス。

プロット?整合性?

んなもん裸で踊りゃ関係ねぇだろ。
な、ごりごり脳筋ムービー。

本能に直接訴える形で、
官能的扇情で釘付けになる。

踊る阿呆に見る阿呆方式
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クライングフリーセックス(2018年製作の映画)

3.0


ほんとバカ映画としてのクオリティは最上級。

映画としてはとんでもなくクソ。

この振り切り方が良さ。

BOOB SLINGER(2016年製作の映画)

3.0


シュールバカ映画。

仕組み分かるところ。
無駄CG。
ラストの乗馬の扱えてなさ。
謎に最序盤の風景の構図だけ本格的。

面白いツボはまぁ既定路線の外で、
それを純度高く出せる胆力を評価しないといけ
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恋は光(2022年製作の映画)

3.9


ちょっとヤバい。最高。(語彙力)

なんで原作知らなかったんだろう。

そしてなんで実写だったのだろう。
シャフト制作でアニメ化して欲しい。

まぁ逆にフラットに観れた分実写入りで良かったかもしれな
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

3.3


作画エグい。

胡蝶の夢ネタというとお察しか。

うる星やつらの世界観を踏まえて押井守節をふんだんに散らした今作。

前の作品は世界観を寄せすぎて良くなかった。別の映画を観た時、他の人がこんな好き勝
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.5


最終日滑り込み。

アキカウリスマキがアキカウリスマキして、
擦り倒したベースラインに移り変わるヘルシンキを当てたような映画。

の中に復帰した訳はある種明快で、
戦後邦画のような純朴で淡々と映画す
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ノスタルジア(1983年製作の映画)

3.4


美麗で几帳面な構図、映像と、詩的なニュアンスによるストーリー。

抽象による複合的情報群はシーン毎にミクロ、マクロの解釈の余地を与える。

狂信者の叫びはある種タルコフスキー自身の吐露であるかもしれ
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ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

3.6


カットオフしたのはミークスだけではなく、
オチも。

解決編抜きのミステリ小説風で、
その後登場人物達は助かったのか。
それとも全滅したのか。

意見は分かれるだろう。
議論を交わす為の交渉材料はふ
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過去のない男(2002年製作の映画)

3.4


記憶喪失になり、ゼロから人間の営みを再生して行く物語。

過去に救いがなかった分、過去をなくしてからの過去こそが本願だったってオチは優しい。

ラストシーンはともすればキザだけど、絵面や牧歌的展開、
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殺し屋(1956年製作の映画)

3.1


日本のタルコフスキー特集番組内にて。

語り手が、
厨房とカウンターの仕切りが現実と超現実の仕切りとして機能してるみたいな話してて興味深かった。

浮き雲(1996年製作の映画)

3.3


カティ・オウティネンの虚無顔。

誠実が負けるなんて嘘だろ。
を尽く鬱々展開から逆転するドラマで魅せる。

敗者シリーズ一作目。らしい。

職にあぶれる=絶望という中でも、
少し呑気目なシリアスで描
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ハズバンズ(1970年製作の映画)

3.1


悲哀の二文字で片付けてしまってもいいが、
カメラの切り取るドライな眼がよりその逃避行を浮つかせているようで。。。

スケールが小さいなかでのリアリスティックで野蛮な、現代では死んでしまった男性性の短
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