JMさんの映画レビュー・感想・評価

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

原子爆弾の開発において理論と実践の両方で重要な役割を果たしたロバート・オッペンハイマーの栄光と葛藤、政治に翻弄された様を描く伝記映画。アメリカの戦勝に貢献し、「時の人」になるが自らの研究が人類にとって>>続きを読む

ロードハウス/孤独の街(2024年製作の映画)

3.4

元格闘家が込み入った事情でフロリダの大きなバーの用心棒の仕事を引き受ける。青い海、太陽が燦燦の空の下、次々やってくるガラの悪い連中と対峙して退治するストーリー。陰のあるキャラを正統派二枚目のジェイク・>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.2

第二次大戦下のフィンランド。侵攻して狼藉するナチスの連中を初老の砂金採りのおじさんが返り討ちする。とにかく斃れない、不死身の男は実はフィンランド特殊部隊の伝説の隊員だった。エンタメ作品としては悪くない>>続きを読む

ある人質 生還までの398日(2019年製作の映画)

3.5

シリアでISISに囚われたデンマーク人の一年以上に及んだ拘束を描く事実に基づく作品。成り行きでカメラマンになったごく普通の男が過酷な拷問や劣悪な環境を耐える。支えになったのは同じく囚われた西側のジャー>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.4

バチカンのエクソシスト(祓魔師)が強力な悪魔と対峙して戦う映画。ラッセル・クロウ演じる祓魔師がちょっと抜けていて味があり、いわゆるホラー映画とは趣を異にする。アクション映画寄りの作品で結構楽しめる。序>>続きを読む

ブライアン・ウィルソン/約束の旅路(2021年製作の映画)

3.6

ブライアン・ウィルソンは傑出した音楽家のみならず20世紀アメリカの重要なアーティストであることは周知の通りだ。インタビューをベースにしたこのドキュメンタリーではそれを再確認できる。カリフォルニアの青い>>続きを読む

いまを生きる(1989年製作の映画)

3.7

アメリカ、全寮制の男子校、それも卒業生の多くがアイビーリーグに進学する名門校が舞台。厳格な校則、伝統が誇りだが、それを揺さぶるのが同校出身の英語教師キーティング。言われたことを鵜呑みするなと10代の価>>続きを読む

大統領の執事の涙(2013年製作の映画)

3.7

奴隷解放後も過酷な状況にあったアメリカ南部の黒人。奴隷のような身分から辛苦を重ねて、ホワイトハウスの執事になった男の物語。生き残るためのクレバーさと誇りをもって7人の大統領に仕えた職業人生はまさにサク>>続きを読む

ミュンヘン(2005年製作の映画)

3.7

1972年ミュンヘン五輪の選手村でイスラエル選手団がパレスチナ過激派に襲われた凄惨な出来事からの報復を描く。イスラエルで密かに特命を受けた4人は欧州を舞台に犯人達を探し出し抹殺していく。スピルバーグ作>>続きを読む

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.6

ヨーロッパの山中にある名門ホテルを舞台にした、ちょっと風変わりなストーリー。
レイフ・ファインズはこのようなコメディで主役張っても完璧。ウィレム・デフォー
、エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、ハー
>>続きを読む

オットーという男(2022年製作の映画)

3.9

偏屈おじさんオットーは駐車、ゴミの捨て方、門の開け閉め、とにかくうるさい。大切していた妻に先立たれて、自ら命を断とうとしている孤独な男であり、実は規範を大切にする几帳面な優しい人物でもある。気の良い近>>続きを読む

スパイ・ゲーム(2001年製作の映画)

3.4

ブラッド・ピット演じるCIAのエージェント、ビショップは中国で捕えられて処刑へのカウントダウンが進んでいくが、両国の政治的な事情で実質的に見捨てられることなる。これに対して長年の上司であるCIA高官の>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.7

#Me Too ムーブメントがいかにして生まれたか。映画界の権力者ハーヴェイ・ワインシュタインのセクハラを世に知らしめたニューヨーク・タイムズの二人の女性記者の地道な調査報道と取材に応じるかを葛藤する>>続きを読む

バーン・アフター・リーディング(2008年製作の映画)

3.4

冒頭とラストでCIAの高官役が「ややこしい話」と述べる通り、痴話揉めをここまで映画としてまとめるのは見事といえる。ちょっとしたボタンのかけ違いの連鎖とつながりが厄災になるのがコーエン兄弟作品の真骨頂で>>続きを読む

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

3.7

1970年代初頭、水銀公害に苦しむ熊本県の水俣。ニューヨークからやって来たフォトジャーナリスト、ユージン・スミスが地元の住民、被害者らとの関係を築きながら、世界にその実相を知らしめるまでを描く。冗漫さ>>続きを読む

ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

3.5

デンマークを離れアフガニスタンで任務にあたっていた軍人マークス。留守中に妻が列車事故で亡くなるという悲報から物語が始まる。
巡り合わせでマークスの仲間になる数学者やハッカーの力を借りて、事故ではなく陰
>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.8

ライブでやり直しがきかず、観客に晒される舞台芸術は映画よりも遥かに格上の芸術。舞台俳優は役者で映画俳優は有名人。そんな舞台至上主義的考え方。マイケル・キートン演じる俳優リーガンはヒーロー映画の主役とし>>続きを読む

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

3.7

ブレイク直前、怖いものなしの勢い。トレーラーハウスでアメリカの街々をライブツアーで巡るべヴィメタルバンドのドラマーのルーベンはある日突然、聴力が低下して聾唖者になる。ミュージシャン生命が絶たれる失意の>>続きを読む

ジェントルメン(2019年製作の映画)

3.6

アメリカからイギリスに渡り、オックスフォード大学に留学したミッキー。成功したのは学問やメジャーな事業ではなく、大麻栽培とそれを捌くネットワークの構築。奇想天外なやり方で草を栽培するのが面白い。中年にな>>続きを読む

ソフィーの選択(1982年製作の映画)

3.7

第二次大戦後のアメリカ・ブルックリン。ナチスのユダヤ人迫害から逃れてきたポーランド出身の女性ソフィーとハーバード卒の生物学者を自称する恋人ネイサン。風変わりなカップルの隣人として南部から引越してきた作>>続きを読む

アルピニスト(2021年製作の映画)

3.5

傑出したカナダの登山家マーク・アンドレ・ルクレールの天才ぶりと孤高の単独登山の凄まじさを描くドキュメンタリー作品。構成が巧みであり、極限の山々の映像の迫力からCGも使ったフィクションかと思うくらい没入>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.2

実験的でスタイリッシュな摩訶不思議なエイリアン映画。ざっくりいうと『宇宙戦争』を特殊なシチュエーションで描くような感じ。悪くないが、時間ある人には薦めることができるかな。

AIR/エア(2023年製作の映画)

3.8

NIKEのブランドを確立したエア・ジョーダン誕生のインサイドストーリー。今やアパレルのブランド価値1位のスーパーブランドのNIKEだが、80年代初めのバスケ界ではアディダスとコンバースのブランド力にま>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.9

名門音大カーティス音楽院、ハーバード大学で学び、ウイーン大学で博士号。ベルリンフィルの首席指揮者に就き、音楽家の頂点に君臨する主人公リディア・ター。
栄光と名声を極める日々を過ごすが、その権勢ゆえ、他
>>続きを読む

42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)

3.6

メジャーリーグに初めて黒人選手として加わった人物の苦難と伝説を描く。野球を題材にアメリカの歴史の一端を学べる作品。今では考えられないようなことが常識だったことに驚く。

THE INFORMER/三秒間の死角(2019年製作の映画)

3.3

FBIに協力して薬物取引を行う組織に入りこむ情報屋。プラン通りに内偵は進まず、梯子を外されてからが大変になる。主演のジョエル・キナマンは相当なイケメンで、二枚目な感じがギャングの一味には見えない。『ハ>>続きを読む

13人の命(2022年製作の映画)

3.9

凄い話、見事な映画。タイの山奥、水没した地下洞窟に取り残された13人の少年達を救った実話。とてつもなく困難だった救出オペレーションを描く。勝手連的にイギリス、オーストラリアから駆けつけた潜水の手練れ達>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.4

日本の新幹線を舞台にしたギャングスタームービー。コメディの要素が強く、ハハハと笑って観る作品。タランティーノ作品ほど日本のカルチャーへのオマージュみたいものは深くはない。ブラッド・ピットが主演であるの>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.7

中年の危機、キャリアの危機を酒の力を借りて乗り切ろうとする四人のオジサン教員のちょっと奇想天外なストーリー。寂しさに酒で抗おうとする人の機微や切なさも伝わるし、クスッと笑える。他方で、アルコール依存の>>続きを読む

モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

3.4

9.11テロ後、アメリカが置かれたテロへの脅威と抑止への対応。それと人権問題との葛藤。さまざまな問題は簡単に白黒を論じられなかった状況を描く。ジョディ・フォスター演じる人権派弁護士の強さ、知的さが全編>>続きを読む

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)

3.8

市民の身分を持つ自由黒人として家族と幸せに暮らしていた男が拉致されて突然奴隷になる。原題は12 Years a Slave、12年間という長い時間を苦難に満ちた暮らしを余儀なくされる。今、アメリカは自>>続きを読む

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

3.3

見た目良し、アタマ良し、そんな完璧な女が隠したサイコパスぶりを発揮して自らの支配欲を成就するストーリー。ベン・アフレックは右往左往する旦那役を冗漫だが、悪くない感じで演じる。ラストはモヤっとした感じ。>>続きを読む

善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

3.9

市民が国家の監視下に置かれた東ドイツ。国家保安省のエージェントの任務は自由主義の芸術家の24時間盗聴で、緻密な仕事ぶりでそれに臨む— しかし、その任務の中、次第に監視対象の考えに共感して当局に背くこと>>続きを読む

チェ 28歳の革命(2008年製作の映画)

3.2

革命を目指すチェ・ゲバラが、単純なアナーキストではなく、医師であり、規律を重んじる清廉な人物だったことを描く。その人物像の正否は詳らかには知らないが、西側から見たゲバラの評価、時代感や歴史の一端を学べ>>続きを読む

インビクタス/負けざる者たち(2009年製作の映画)

3.7

ネルソン・マンデラという人物の器の大きさが分かる。辛苦を重ねてきたリアリストだからこそなのかもしれない。モーガン・フリーマンは大統領とかリーダーが役似合う。クリント・イーストウッド監督作品はいつも上質>>続きを読む

クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

3.6

英国のごく普通のビジネスマンがソ連の機密情報の西側への運び屋になる。1960年代の米ソ冷戦下、キューバ危機の頃の実話とのこと。米英の情報機関が後ろで支援するとはいえ、素人には相当荷が重い役回りだったは>>続きを読む

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