カルオさんの映画レビュー・感想・評価

カルオ

カルオ

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墓泥棒と失われた女神(2023年製作の映画)

3.7

とても不思議で心地よい夢を見たような気分。(実際に中盤あたりはうとうと。)
女神像を見つける後半あたりからはグッと惹き付けられた。
ラストシーンも美しかった。

天地創造(1966年製作の映画)

3.8

旧約聖書の物語を仰々しい雰囲気や押し付けがましさを感じることなく味わうことができた。
黛敏郎さんが手掛けた音楽も素晴らしかった。

お母さんが一緒(2024年製作の映画)

3.8

「ハッシュ!」「ぐるりのこと。」「恋人たち」など橋口監督自身のパーソナルな視点を感じる過去作と趣は異なるものの、人間の心情を露にする会話の面白さは十分に味わえた。
江口のりこさん演じる長女の、次女と三
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ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.8

美しくもおぞましい悪夢を見ているかのよう。
主役の少女の凄まじい演技、独創性溢れる物語に終始引き込まれた。

クワイエット・プレイス:DAY 1(2024年製作の映画)

4.1

後半からエンディングにかけての心揺さぶる展開に落涙。
そして堂々たる猫映画の1位に躍り出ました。
大都市ニューヨークを舞台にしたパニックホラーとしての面白さもさることながら、極限下での人間の弱さや強さ
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ルックバック(2024年製作の映画)

4.2

この作品が放つ問いに正解はない。
ただひとつ確かなのは、藤野と過ごす京本の笑顔が眩しく輝いていたこと。

言葉にならない。

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

4.2

キャット・スティーヴンスの歌が流れ始めた場面で涙がこぼれた。

悲しみの時、喜びの時、旅立ちの時、共に手を取り合える存在が心に温かな火を灯す。
ささやかながらも確かにそこにある幸福が、スクリーンから滲
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長ぐつをはいたネコと9つの命(2022年製作の映画)

4.0

生き生きと躍動するキャラクターと、コミカルかつ深みのある物語に最初から最後まで夢中になって楽しんだ。
プスに死への恐怖を与える狼が本当に恐くてドキドキした。
猫好きにはたまらない仕草もたっぷり詰め込ま
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

3.9

言葉にはできない、決めつけてはいけない感情や感覚に寄り添う貴重な映画だと思った。

花椒の味(2019年製作の映画)

3.9

映像から漂う香港映画独特のノスタルジーがじわじわと沁みてくる。
近くにも遠くにも感じる家族という存在を、温かな眼差しで描いた映画でした。

ブルー きみは大丈夫(2024年製作の映画)

5.0

次々と登場する個性豊かなイマジナリーフレンド<IF>たちの愛おしさにニコニコが止まらない。
子どもも大人も関係なく、ただ側にいて見守ってくれる、独りじゃないと信じさせてくれる存在がどれだけ大切か。
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ひと月の夏(1987年製作の映画)

4.0

戦争が残した癒えることのない心の傷痕。
「生きてしまった。」という罪悪感。
それでも交わした言葉ややり遂げた仕事は誰かの心に、そして未来へ引き継がれてゆく。

言葉以上に多くを語る俳優陣の眼差し、哀し
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関心領域(2023年製作の映画)

4.0

見たことのないグロテスク表現。
信じ難い現実と隣り合わせの人間の姿。
呑み込むことも吐き出すことも出来ない感情が渦巻く。

日常とは。

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

もしも想像してはいけないものを創造してしまったら。
ラスト、「怪物」と対峙した主人公の表情が脳裏に焼き付いて離れない。
人間の内に潜む闇の淵まで静かに近づいていく物語に最後まで引き込まれた。

リトル・エッラ(2022年製作の映画)

3.8

エッラがトミーに不満をぶつけた後、外に出てうずくまる姿を見て泣きそうになった。
器用な映画ではないかもしれない。
だけど確かな温もりが満ちていた。

MONTEREY POP モンタレー・ポップ(2017年製作の映画)

4.0

時代を切り取った美しい映像と「生」を爆発させる魂の歌声に心が震えた。
最高でした。

ポルターガイスト(1982年製作の映画)

3.4

パッケージから漂う不気味な雰囲気はほとんど無く、良くも悪くも「子供だまし」に感じてしまった。
でも楽しかった。

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

3.8

愛したい人を愛し、信じたいことを信じる。
風通しの良い映画だ。

村の写真集(2003年製作の映画)

3.9

その土地に流れる空気、時間、人々の暮らしを実直に見つめる。
藤竜也さんがシャッターを切る姿は、監督の映画や人に対する姿勢と通じているように感じた。
こんな日本映画がもっと作られてほしい。

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.2

アニメーションとしての素晴らしさもさることながら、「漫画」の感触をしっかりと残していたのが良かった。
最初から最後まで画面から目を離せず、無音のシーンには思わず息を呑んだ。

太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

3.8

鮮烈なカット、耳に残る印象的な音楽、そしてアラン・ドロンの美しさ。
あまりにも有名な映画で観る前からあらすじや結末は何となく分かっていたけれど、永く語り継がれる作品なのは納得の面白さだった。
でも一番
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

よくある二重人格ものとも一味違う新鮮な切り口。
(萩尾望都さんの「半神」を思い出す。)
終盤の戦闘スタイルが格好良過ぎてダークヒーローを見ている気分だった。
これでR18?

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

4.2

涙も枯れ果てるほどの絶望と死への恐怖を前に、それでも手放すことのなかった信念があった。
無声映画ではありながらも背景に流れる音楽や時折差し込まれる文章(言葉)が劇的な効果を生み、心を惹き付けて離さない
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飛ぶ教室(2003年製作の映画)

3.8

秘密基地、枕投げ、雪合戦。
一つ一つのエピソードが童心をくすぐり、映画が終わる頃にはとても朗らかな気持ちになれた。

ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

5.0

アンドレイ・タルコフスキーが今を生きる人間に遺したもの。
闇と光、煌めく水、揺らめく火、舞い落ちる羽、繊細かつ力強い俳優の眼差しと息遣い。
美を超えた一つ一つのカットが眠っていた感情や感覚を呼び起こし
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リバー・ランズ・スルー・イット(1992年製作の映画)

3.8

モンタナの雄大な風景、フライフィッシングの躍動感を捉えた映像はアカデミー撮影賞も納得の美しさ。
そしてブラッド・ピットは、まさしくスターの輝きを放っていた。

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.3

果てない想像と紛れもない真実が渦巻く二時間半。
ラスト、息子が母に放った一言を聴いた瞬間、心にひんやりと冷たい風が吹いた。
濃密で刺激的な映画体験だった。