オリジナル未見だったので、レストア具合は判断できなかったのですが、絵も音も非常に鮮度が高く楽しめました。何よりダンスミュージックとして古びておらず、今でも充分踊れそうです。
晩年のチェリビダッケが指揮する交響曲の、異常なテンポの遅さと、それによる巨大なスケール感の表出を「老人は長風呂が好きですから」と喝破したのは評論家の吉田秀和だったかしら(そう見抜いた本人も相当老人で>>続きを読む
底辺の生活描写ながら、どこか救いのある表現で、破滅の一歩手前で踏み留まる。粗い粒子で映し出されるテキサスの田舎街風景が主題の一つといっていいほど目に焼きつきます。
昔だったらモザイクが掛かっていた>>続きを読む
芸術作品のためなら何をしても許される。全ては芸術のため。音楽界、美術界、演劇界、文壇問わずそういう風潮が、昔は確実にありました。現代においては、そういう感覚が甚だしく通用しなくなっており、むしろパワ>>続きを読む
主役はライダーでなく、緑川ルリ子=浜辺美波です、と言って良い程の抜群の存在感、透明感。画面に彼女が映るだけで見惚れてしまうレベルです。それだけでも一見の価値アリ。
描き方はコメディですが、テーマは深遠かつ普遍的です。様々な局面で下される己の選択は正しいのか?違う人生を歩んだ確率は?この世界は一体何で出来ている?家族とは親子とは?等々、様々な問いがシュールな設定>>続きを読む
ほぼほぼ「カメ止め」通り。リメイクというと、何処か勘違いして大事なところを外しちゃったりする事もままありますが、このフランス版は、「家族の絆」という主題も明確に継承されていて、間違えようがない展開でし>>続きを読む
話は荒唐無稽、展開も御都合主義。普通ならウソ臭過ぎて見てられないところですが、これがキチンとストーリーになってるのは監督の演出力によるところが大きいと思います。敢えて大袈裟にしないというか、山を作らな>>続きを読む
A.Iによって産みだされた主人公と、そのプログラムを作ったカップルが、そのA.Iを不当に手に入れた現雇い主と戦う物語。A.Iがゲームプログラムというのが当世風ですね。
超B級アクションコメディ。会話やキャラなど、気が利いてるなと思う反面、やや、やり過ぎの場面もあり、好き嫌いは別れそう。自分には「心底面白い!」というより「面白がれる」という感覚でした。
リゾート地の景色を、ヴィヴィッドな色彩で撮影した、美しい画面が印象的です。全体的にコンパクトで、テンポ良く飽きさせず、尺も丁度いい感じ。タイムループ「コメディ」ですが、「良いもの見せてもらいました」
55年前の作品だけど、意外と古さは感じなかった。骨太な映像叙事詩といった感じ。
PTAの映画で、こんなに清々しい気持ちになったのは初めてです。プロットがストレートだったからでしょうか。
映像に関しても、当時の風俗、ファッションや音楽、ロサンゼルスの雰囲気など、PTAの撮りたい絵と>>続きを読む
1987年のお正月。同時上映(!)の「プリティ・イン・ピンク」目当てで「ついでに」観たのが前作でした。「トップガンなんか観に行くの、ちょっと恥ずかしくね?」っていうか、そんな年頃だったのです(当時2>>続きを読む
ミュージカルパートが残念。室町で猿楽でしょ?しかもミュージカル、作曲・大友良英って聞けば、期待しますよ。どうやって料理するんだろうって。能楽ベースの謡サンプリングとか。で、出てきたのが古臭くて薄っぺら>>続きを読む
期待以上の出来でした。設定も冒頭手際よく提示され、スッと世界に入れました。演出のテンポも良く、演者の皆さまもキャラを上手く表現して「当て書き」か?と、思うくらいでした。
自分はリアルタイム世代(6>>続きを読む
実話ベースの物語ですが、「実話度」が高めです。鑑賞後調べてみると、そこも実話⁉︎っていう所がかなり多く、驚かされました。やはり「事実は小説より奇なり」ですな。
冒頭のシーンを観て「これは自分、寝るな」と思ったが、途中から持ち直し、最後まで観れた。アクの強さはいつもながら、作劇上の緩急もあり引き込まれた。前作が?だった故、それに比べれば...という感じ。意欲>>続きを読む
映像は面白いと思いますが、ストーリーの細かい所が頭に入ってこない(そこが大事なのに)。かろうじて寝ないですんだのは、演者が揃って達者だったからかな。アンダーソン監督のファン向け。一見さんにはハードル>>続きを読む
これがドキュメンタリーである事に戦慄を覚える。本当、いろんな意味で、よく撮れたな〜!
ニコラス・ケイジ主演による園子温監督のハリウッドデビュー作。傑作、衝撃作もありながら、駄作、問題作も数多い、振れ幅の大きい監督ですが、今作は▲。なんとなく映像から遠慮が感じられました。スタッフさんが意>>続きを読む
出演している人々(観客も含めて)のスタイリッシュさに圧倒されます。ファッションとは己れの信念を表出するものだ、という事がこの映像を観るとよ〜く分かります。ライブパートでは、マヘリア・ジャクソンとメイビ>>続きを読む
歌うビリーの姿を観たのは初めてでした。A I技術でモノクロがカラー化されることの恩恵は大きいですね。ドキュメンタリーとしては「間接話法」(ビリー周辺を取材して、後に不審死する女性記者のテープから語らせ>>続きを読む
70年代&ソウル音楽好きには必見。アレサ、バンド、合唱隊の「うねり」が格別です。個人的には、普段、外国語の歌詞は「音」として認識しているので、「字幕」を追って歌詞の意味も考え(賛美歌なのでなおさら)な>>続きを読む
認知症をテーマにした作品が増えていますが、本作は認知症患者の視点から物語を描いたもの。知った顔がいきなり見知らぬ人に変わり、同じ出来事が繰り返され、何処に居るかさえ判らなくなる。まさにホラー。尺が程良>>続きを読む
「ファンク」が体に染みついている我身には、至福の時間でした。
欲を言えばもっと「イイ音」且つ「大音量」で観たかった。
続編を強く希望! こんな気の遠くなる作業を強いるのは、気が引けますが。
炸裂する「チン○・マン○実存主義」! 余りに即物的な描写なので拒否反応も多大でしょうが、これが綺麗事ではない、人間の「本当のリアル」です。「俺は、おゲージュツ映画なんか、絶対撮らんもんね!」という監>>続きを読む
ヤクザ•グラフィティー! 群像劇として秀逸です。ただ、展開が早いので人物相関が頭に入りづらいのが難点。
人物造形が丁寧なので、「上滑り」気味なセリフでもリアリティがある「青春映画」です。
救いようがない大人に傷つけられた子供たち。「絆」を求め、「復讐」しようとしますが、結局「親子」であることから逃れられない。このやりきれなさを最後のチカラ技でうっちゃるPTAの力量は圧巻です。