keさんの映画レビュー・感想・評価

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正欲(2023年製作の映画)

4.0

「なぜ、理解する(してあげる)側に自分を置くのか。」
これが私には一番痛い言葉だった。

ただ、他者を本当に理解することなんてできないし、他者に理解してもらうこともできないと、私はとっくに知ってしまっ
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窓辺にて(2022年製作の映画)

3.9

東京国際映画祭の監督Q&A付き上映で鑑賞。
スコアは初見でのもので、恐らくリピートして、高くなるはず。
台詞のやりとりが魅力的という評価は知っていたけれど、初見ではどうしてもそれに身を委ねることができ
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犬も食わねどチャーリーは笑う(2022年製作の映画)

3.2

予告編では、登場人物に今一つ好印象が持てず見るのが不安だったが、結論から言うと最後まで楽しく見ることができた。

と言いながら、実際に見ても主人公の二人はもちろん、その周囲の人物全てに「え?なんで?」
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サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)

4.0

少年たちのひと夏の冒険…的な物語を想像していたら、むしろ誰の記憶の中にもある、何でもない、だからこそ特別な夏休みの日常の物語だった。

しょっちゅうやってくる親戚のお姉さん、少年の胸をときめかせる美少
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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

4.0

基本的には、主人公「オギー」の成長物語ではあるのだけど、次々に視点を別の登場人物へと移しながら描くことで、それだけではない多面性を持つ良作に仕上げている。

生まれた時から、良くも悪くも特別扱いされる
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.5

一果と出会うことで、凪沙の人生が決定づけられたように、一果役の服部樹咲(はっとりみさき)という原石との出会いが、このミッドナイトスワンという作品の成功を決定づけている。

そして、その荒削りで未知数の
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台風家族(2019年製作の映画)

3.0

元々は深く考え過ぎずに、漫画的なデフォルメキャラやテンポよく転がっていくストーリーを楽しむべき作品なのだろう。
それが、なまじ役者陣が上手すぎて、どうしても生身のリアリティや深みが出てしまう分、伏線の
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半世界(2018年製作の映画)

4.0

学生時代を共に過ごした紘・瑛介・光彦の3人(稲垣吾郎、長谷川博己、渋川清彦)。
2人は地元で家業を継ぎ、1人は自衛官になるために地元を後にした。
物語は、自衛隊を辞めた瑛介(長谷川)が、突然故郷に帰っ
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ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

4.5

公開当時に映画館で見て文句なしに面白かった記憶だけが残っていて、今回20年以上ぶりにAmazonプライムで鑑賞。
やっぱり、記憶どおりに面白かった。

警察署で知り合った5人の「ユージュアル・サスペク
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海獣の子供(2018年製作の映画)

3.5

原作は未読で、米津玄師が主題歌という以外の予備知識一切なしで見た。
感想はただひとこと「海を浴びた」

物語は、夏休み早々、チームメイトとのトラブルで部活を出禁になった主人公・琉花が、ジュゴンに育てら
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まく子(2019年製作の映画)

3.5

カテゴリーとしては「児童映画」に分類されるとは思うが、必ずしも子どもたちにわかりやすい映画ではない。

ただ自分の少女時代を振り返ると、その時はよく意味がわからなくても強烈な印象を残す作品は何本もある
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凪待ち(2019年製作の映画)

4.0

(2019/6/17 Filmarks白石監督のティーチイン付き試写会)

2018年6月18日の宮城県塩釜市のクランクインから1年、白石和彌監督が自身初の「家族」をテーマに据えた今作。

とはいえ、
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ワンダフルライフ(1999年製作の映画)

4.0

今や日本を代表する監督となった是枝裕和監督最初期の実験的な作品。

天国の入り口で、死者に「最も大切な思い出」を選ばせるという設定を使い、全編通して挿入される死者たちの物語と、彼らと面会して物語の聞き
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ファーゴ(1996年製作の映画)

3.7

愚かな男が自分の画策に足を掬われ、関わった人間を一人残らず不幸にして終わる。
その顛末が恐ろしくグロテスクなのに滑稽。(いや、滑稽なのにグロテスク?)

主演のフランシス・マクドーマンドが終始淡々と日
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白河夜船(2015年製作の映画)

3.0

原作が好きすぎて、あまり冷静な判断ができない。

台詞回しを原作に近づけすぎて、かえって不自然になっている。
逆に未読の人には、観念的すぎてストーリーが掴みにくいかもしれない。
あれはやっぱり小説だか
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おみおくりの作法(2013年製作の映画)

3.5

好き嫌いがわかれる作品。

ほとんど説明もないままに、淡々と進んでいく物語を耐え抜いた人にだけ贈られる、最上のエンディングが待っている。

LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

3.5

幼少期の過酷な体験はあるものの、現在は恵まれた境遇にある主人公が、周囲の愛情を拒んでまで自分のルーツにこだわり、内面的に沈んでいく。

もちろんインド社会の現実の深刻さや、不条理にも引き離された肉親や
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シンプル・シモン(2010年製作の映画)

4.0

アスペルガー症候群の青年・シモンが、最大であり唯一の理解者である兄の新しい恋人を見つけるために奮闘する物語。

そう書けば単純だが、その動機は多分に自己中心的だし、彼の個性ゆえに一筋縄にはいかず、肝心
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ピクニックatハンギング・ロック(1975年製作の映画)

3.5

ただただ美しい絵。

ストーリーはミステリーだが、事件の重大性に比べて謎解きの不全感は否めない。

でも誰がどうしたということは、多分ほとんど問題ではなく、この耽美な美しさに存分に浸ることが正しい見方
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スティング(1973年製作の映画)

4.5

初めて見たのは子どもの頃。
小学生の私に、映画ってこんなに面白いのかと教えてくれたエンタメの名作。

子どもながらに、絶世の美男子のロバート・レッドフォードよりも、時にユーモアを交えながらも決めるとこ
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パレードへようこそ(2014年製作の映画)

4.0

サッチャー政権下のイギリスで起きた炭鉱労働者たちの闘争と、それに連帯したレズビアンズ・アンド・ゲイズ・サポート・ザ・マイナーズ(LGSM、字幕では「炭鉱夫支援同性愛者の会」)の実話がベース。

そう聞
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