河野さんの映画レビュー・感想・評価

河野

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ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

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サスペンスなのでこうこうこれがあってああなってああなるという話なのだが、何年前に観たのでそのプロットたちは忘れてしまった。しかも、そのプロットはあまりに緻密な点描画みたいで思い出そうともしたくない。し>>続きを読む

ぐるりのこと。(2008年製作の映画)

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全部を描こうとしているところが、最大の魅力の映画だと思う。全部を描けなくても全部を描こうとすること。全部を描けないから全体を描こうとすること。それは例えばリリー・フランキー演ずる男が職業としていた、裁>>続きを読む

その夜の侍(2012年製作の映画)

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『その夜の侍』の意味は、安藤サクラが歌う三日月のことで、あのシーンが全てだったようにも思う。それ以外の伏線は実は全てこの表題に対するフェイクだったように思う

歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

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『そして、父になる』という是枝作品があるが、本作の方がむしろこの題名に近いテーマであるような気がしてならない

閉ざされた森(2003年製作の映画)

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裏の裏は表で、裏の裏の裏は裏で、裏の裏の裏の裏は表で、裏の裏の裏の裏の裏は裏で…などと、1枚のコインをいくらトリッキーに回転させたところで、詰まる所、それは2パターンの結末に収斂され、つまり50%の確>>続きを読む

精神(2008年製作の映画)

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この主題で撮る映画は、誠実ささえ持てば現代にとって価値でしかあり得ないと思う。精神疾患群と健常群との間にあるカーテンを、カーテン越し(モザイク)で撮るドキュメンタリーは映画に限らずTV番組においても多>>続きを読む

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

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電車の中で別々に本を読む2人が、電車の外で一緒に本を読んでいる(かのように会話する)2人に変わっていく映画。脚本を映画にしているというよりも、映画を脚本にしているように感じる

ボーイズ・オン・ザ・ラン(2009年製作の映画)

3.0

製作の未熟さを逆手にとって、経験が豊かでないからこその作られ方をしているように思える。繊細な生地を最初から諦めて、荒くてもその荒さが目立たないような厚手の生地を選んで服を作るのに似ている。その服とその>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

この映画はオムニバスのように独立した4つのセクションのようにも見えるが、そうではなくパートして連結した1つの曲のようにも見える。例えば、最初のセクションで、乗客であるアクタースカウトの中年女性が、タク>>続きを読む

スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

(町山智浩)妨害もすごいんですけどね。で、これね、調査ジャーナリズムと言われているもので。ジャーナリズムって、最近日本もアメリカもそうなんですけど、ほとんどが批評ジャーナリズムになっちゃっているんです>>続きを読む

バスルーム 裸の2日間(2011年製作の映画)

3.0

原題「MADRID, 1987」である。邦題のせいで原題が持つであろうマルチテーマが短絡化や単一化させられるが、しかし逆に邦題のその薄っぺらさみたいなものが作品の内側ともリンクしている。言葉は時に老人>>続きを読む

ヒミズ(2011年製作の映画)

3.0

震災をメタファーとして描かずにダイレクトに作品の中に混合するのは、作品に同時代性を含ませる。震災を知らない世代が来るであろうことは、戦争を知らなかった私たちが戦争映画を避けたがるみたいな事態を簡単に予>>続きを読む

選挙(2006年製作の映画)

3.0

「選挙」という非日常、不定期、特殊であるポイントをカメラが捕まえて離さない。非日常、不定期、特殊であることを言い訳にすれば、それは簡単にするすると終われ終われで抜けてしまうけれども、実は非日常、不定期>>続きを読む

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

3.0

ある芸術家が「準備している時が一番もりあがる」という題名の展示をやっていて、それもこの映画の通りだとも思う。完成させなかった、成功しなかった故の埋められない穴みたいなものが、作る人のみならず観る人を吸>>続きを読む