こさんの映画レビュー・感想・評価

こ

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時の支配者(1982年製作の映画)

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効果音がほぼ全部、普通の物音とずれていて新鮮。聞き慣れないけど聞いていて快適な音が多かったので、気持ちよく観られた。音の異化効果が強いカートゥーンみたいな雰囲気。具体的には、ルーニー・テューンズのワッ>>続きを読む

処刑人(1999年製作の映画)

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キャラクター中心のアクション映画で、おとぎ話っぽい。兄弟が戦う場面を映す前に、デフォーが事件現場で善が行われた様を推理して感じ入るのを映す編集が繰り返されて、とんとん拍子に話が進む。「あ、やっぱり勝っ>>続きを読む

罪と罰(1935年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ピーター・ローレが演じるラスコーリニコフの見た目が、イメージと違っていて面白い。ラスコーリニコフといえば不健康そうな長身というイメージだったけど、確かにあの批評を雑誌に投稿する大学生といったら、この短>>続きを読む

悪魔のやから(1976年製作の映画)

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皆動きが大げさかつちょこまかしていて、鶏小屋みたいな雰囲気の映画。清潔感のあるセットの中で、BGMも少なくて、人の動き以外のノイズは少ない。詩人が床に寝そべって詩を書いているところは似合い過ぎて好きだ>>続きを読む

赤い靴(1948年製作の映画)

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バレエのシーンが中盤くらいでクライマックス。もう一回くらい来てくれるかと思ってみていたけど、まとまったバレエのシーンは一カ所だけだった。バレエの部分は、途中からいつ普通のシーンに戻るのか不安になるくら>>続きを読む

依存魔(2019年製作の映画)

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アトリ、メンフクロウ、ニワトリ、ツルが出てくる。鳥が象徴的に登場する。主に男側の感情と関係がありそう。逃避行が段々とボートで川を進むようになっていって引き返せなくなる展開は、『地獄の黙示録』、『アギー>>続きを読む

8 1/2(1963年製作の映画)

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映画館の空気が悪くて、車酔いみたいになった。部分部分で切り取って見られればもう少し疲れずに見られるかもしれない。本当に疲れて、ハーレムの場面のサンバの人が登場する場面では、もう少し声を小さくしてほしい>>続きを読む

青春群像(1953年製作の映画)

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無為に過ごす若者数人の話。の中では、今まで見た中で一番ソフトな質感がある。後半、物語が加速してきたと思っても身内で解決するし、途中で友達がへまをする。シリアスになりそうになってもそうはならなくて、柔ら>>続きを読む

アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)

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宇宙っぽい音楽との組み合わせで、都市と、宝石とかクラブとかの光沢がSFみたいに見えてくる。
主人公は小物で愚かな男。1、2日の内に自転車操業を繰り返して主人公の活動が加速する展開。主人公の動きをずっと
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ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)

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横広がりの構図がきれい。単調な雪景色と士官学校の制服姿の人の中にポーが紛れ込んでる感じ。結局、犯人も探偵もポーとランド―、黒魔術の関係で起こっていたので、図と地が分かれていて平板な舞台から陰鬱な深みに>>続きを読む

赤い夜(1974年製作の映画)

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細かい仕掛けもりもりだった。実際の時間より長く感じたけど、退屈ではなくて飽きなかったので情報量が多かったからだと思う。一通り騒動を起こした後に散らかったまま終わる。各役割ごとに余分な登場人物が何人か付>>続きを読む

呪詛(2022年製作の映画)

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映画撮影用のカメラ以外のカメラの映像を繋ぎ合わせてる映画。少し無理がある気がする。怖がらせる場面は、『女神の継承』と似ていて、何かが憑依して明らかに様子がおかしい人たちが中心。
特に村から逃げる場面で
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話の話(1979年製作の映画)

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主人公の動物の顔がアップになるところで、今まで背景に使われてた遠近法が使われている。顔の部位でいうと、鼻が近で、目が遠になるので目の部分が曇って映される。無言の動物の正体が分からないと思わされる感じ。>>続きを読む

霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

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ハリネズミ、コグマ、犬、ミミズクの細かく絡まってもさもさしたような毛の質感が夜の感じを強調してると思う。蛾とか、ヨタカみたいな質感。動物のササっとした動きと毛の質感の相性がいいと思う。多分、切絵を背景>>続きを読む

アオサギとツル(1974年製作の映画)

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霧で曇った場所が舞台。霧と背が高い草を使った奥行き感。アオサギとツルの造形はかなり平面的で氷上も存在感も淡いので、水辺の風景に溶け込んでる感じが強い。
顔があまり変わらないので表情が読みづらい。鳥の顔
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キツネとウサギ(1973年製作の映画)

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ウサギの手の振り方が、雑に思えるくらい力が抜けていて、多分それが理由でなんともいえない質感になっている。
他の作品と比べて平面感が強い。背景はほとんど文様のように描かれているし、動物たちも平面な図式。
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ケルジェネツの戦い(1971年製作の映画)

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壁画(?)をぼやかして映して、遠近感を出している場面が多い。群衆の場面で多い。
色合いがきれい。仏像みたいな金色と青緑色と赤色の組み合わせが多い。馬の脚が長いシルエットが好き。
戦争の話なので、『25
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25日・最初の日(1968年製作の映画)

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横方向の直線の動きが多い。走る赤い人の速度感が印象的。

X エックス(2022年製作の映画)

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『悪魔のいけにえ』式のホラー映画では、一人ひとりのキャラクターがすごく大事だと思ったのと、その方式でうまくいってると思った。AV撮影の流れとその前の場面は、女キャラクターの二面性を強調する場面だった気>>続きを読む

ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

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ファミリー・ネストとセットで見ると、主人公の台詞があまりにも長くて観念的だった。長い独り言めいた台詞と長回しが相乗効果を出していて、惰性と延長の主人公の空しい生活ぶりが際立って見えていた気がする。冗長>>続きを読む

ファミリー・ネスト(1977年製作の映画)

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登場人物が自分の境遇を吐露する長回しの場面が印象的。登場人物達の抱える問題が部屋がないことにほぼ全部帰結しているのが印象に残る。部屋不足からくる家族の不和の話が中心で、重要な問題かもしれないけど、そこ>>続きを読む

マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)

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音楽が一番印象的だった。カラーだったら汚く見えてしまう点では、『神々の黄昏』と似てる。白黒だからこそ不潔なもの、グロテスクなものが神秘的な映り方をしていて、それを生かして秩序と無秩序を最大限の幅で映し>>続きを読む

地獄に堕ちた勇者ども(1969年製作の映画)

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ツイン・ピークスっぽい。製鉄所の溶鉱炉で始まるところとか、後半の二人の死体がソファーにいるカットとか、赤を基調にしたセットとか、出てくる女性の雰囲気とか。
映画が進むにつれて登場人物が絞られて行って、
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ブンミおじさんの森(2010年製作の映画)

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カメラの移動が少ない(なかったかも)。
イリュージョン的な効果をそれ以外でほとんど使っていないから、精霊とかの存在が質感を持って感じられるのかもしれない。猿の精霊の姿が段々と見えるようになってくる場面
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数に溺れて(1988年製作の映画)

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この映画も女性恐怖が感じられる映画。女は残忍で、男は馬鹿か無力。夫殺しが順番に進むから、見ていてこの先どうなるかは大体わかるけど、この映画の中で完結した意外性のなさが儀式っぽかった。あと夫を殺す妻たち>>続きを読む

未来惑星ザルドス(1974年製作の映画)

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少し白みがかってかすんだような色合いがなかったら、ほとんど仮装パーティだったと思う。設定と筋立てが先走って、ビジュアルが追いついてない感じがする。変に直球なビジュアルで、わざと笑いを狙ってるようにも見>>続きを読む

8 1/2の女たち(1999年製作の映画)

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よく裸になる。
明らかに一段露骨な会話。父親と子ども同士のやり取り。露骨であることが逆に無機質な印象を与えている。
ペニスに対する直接的な言及が多い。
監督のパーソナルな部分がよく出ていると思った。父
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プロスペローの本(1991年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

船が沈む、小便小僧。同じカットに編集なしで大勢の人が動き回る映し方は、少しゲルマンみたいなエネルギーがある。グリーナウェイの映画に出てくる水は、写真の感光液みたい。
本が映される場面は、pdf感がある
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BUG/バグ(2007年製作の映画)

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序盤にホラー映画というかシャイニングみたいな映し方をするし、ホラー映画だと思ってた。
虫はほとんど一回もちゃんと映らない。
途中まで肝心の虫を映さないし、本当にいるのか分からずらいので、ジャンルの判別
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ヘルレイザー2(1988年製作の映画)

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自由度が高くなったのかなと思った。ジュリアが一番目立ってた。前作でも一番好きなキャラクターだったので期待通り無敵感出してくれてて嬉しい。監督が前作から変わっていて、もしかしたら監督も前作見て同じこと考>>続きを読む

ヘル・レイザー(1987年製作の映画)

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思ったよりB級の感じがよくカバーされてた。ゆっくり動きを追う撮り方が、陰鬱さを出してチープさを抑えていてかっこいい。迫力がある感じで、妻のメイクと顔もかっこいい気がする。ピンヘッドとフランクに関しても>>続きを読む

ヒッチャー(1986年製作の映画)

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突拍子もない始まり方で、最初はホラー映画の王道的で器用な感じ。日が昇ってからは、設定を絞って、見せ方のひねりを繰り返してくるのは洗練されていてかっこいい気がする。ロードランナーとか、マッドマックスに近>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

映画館で二回見た。ホラー映画にありがちな写し方が多くて、そのなかでも設定が強いと効果が強くなる設定とか写し方が多かった。分かっててごり押ししてくる感じ。手持ちカメラ撮影とか、監視カメラ映像とか、背後と>>続きを読む

M(1931年製作の映画)

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トーキーになってかえって静けさと物音とが際立った。少しの物音も気になるようにできていて、神経質な印象があってサスペンスらしい緊張感がある。誰か特定の人に焦点が当たることは少なくて、誘拐された女児の母親>>続きを読む

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