tockytockyさんの映画レビュー・感想・評価

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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.5

表現力は流石の一言。しかし庵野秀明に触発されたのか、筆を置きにかかっているセルフオマージュ色が強い。故に挑戦は無く、それが物語に力のない所以となっている。回答を待ち侘びた庵野監督作品と、常に芸術性やそ>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

賛否両論はあるだろうが、本作はヒーローのあるべき姿を再提示した意欲作である。

テーマとして色濃く反映されていたのは「救済」だ。それはヴィランに対してであり、シリーズ過去作に対して、そしてアメリカとい
>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレなしに語ることはできない。

クレイグ版は「人間」ボンドを描いてきた。ゆえに彼の死は潔くもある意味当然の帰結といえる。しかし周到に用意された物語とは言い難く、前作の設定を流用した「泣きのもう一
>>続きを読む

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

4.4

ガンダムを一つ上のステージまで引き上げた。人物、背景、メカの圧倒的描写力はガンダム史上最高だ。演出、音楽、細やかな原作の改変、どこを切り取っても文句の付けようがない。初見の人には不案内だし、爆発力はな>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.8

想定と期待を遥かに上回るクオリティと物語の着地。予想できたはずなのに、気付けなかった自分が悔しい。ありがとうエヴァンゲリオン。さようなら。

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.2

往年のスパイ映画と時間旅行モノ(便宜上そう呼称)を掛け合わせたような本作。世界観(設定)を解き明かしていくサスペンスでもある。シンプルな一つの発想をここまで膨らませエンターテイメントに仕立てる手腕は凄>>続きを読む

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

4.3

これ以上の出来は望めまい。EP7は思い出のオモチャ箱を押入れから引っ張り出したようなもの。大切なオモチャが壊されてしまったEP8。それを突貫工事で繋ぎ合わせ強引に押入れ(あるいは神棚)へ仕舞ったのがE>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

お見事。抑圧された弱者の心の変遷と顛末を丁寧に映像に落とし込んでいる。社会と個、健常者と障害者、貧富、理想と現実、善意と悪意、喜劇と悲劇。それらを隔てるものは何か。完成度が高過ぎて題材がジョーカーじゃ>>続きを読む

イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.9

「もしも〜」の空想物語。ビートルズは小道具に過ぎず他の何だって置き換えができる。本筋は、主人公が大切なものに気付くラブコメディなのでビートルズファンには物足りないかもしれない。突っ込みどころが満載だけ>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

2.9

日本の天気や気分の描写は巧み。物語は破綻してるし正しくはないけど、正しさが全てではないよねって背中を押されたいモラトリアムな人向け。まるで清涼飲料水をスカっと流し込む感じ。そういう意味では若者向けかも>>続きを読む

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

3.8

最強キャラクターをMCUらしく登場させた手腕に拍手。自分探し系で色々と粗は目立つ。しかし観客を惹きつける魅力と軽快感を示せたように思う。いくつかのテーマ性を感じるが、重厚にやってほしいと願うのは観客の>>続きを読む

X-MEN:ダーク・フェニックス(2019年製作の映画)

3.6

愛がない。主軸としてジーンを据えた脚本にも意気込みを感じない。風味や香りは悪くないのに出汁が利いていないスープのような物足りなさ。おまけに強引な幕引き。ディズニーが早々にリブートしたがっているのではと>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

3.7

移民系同士の友情を描くバディもの。上品に仕立てられた、という表現が正しいだろう。デフォルメされた人物像に、冗談なのか本気か分からないエピソードの羅列。凄まじい描写が来ると身構えていたので、クリーン過ぎ>>続きを読む

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

3.5

ファンタジーとリアルの狭間でドギマギさせられた。大人になったC.ロビンに目線を重ねるとプーの存在が鬱陶しく感じるよう設計されている。ということはクライマックスはその逆になるわけだが、一捻り加えられてい>>続きを読む

名探偵コナン 紺青の拳(2019年製作の映画)

3.7

京極真という地味なキャラを映画の主軸として成立させた手腕に舌を巻く。舞台を海外にしたことで些細な原作設定が気にならなくなったのも意外。それでいてキャラの描き方は間違っていない。大したものだ。ギャグアニ>>続きを読む

アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

4.9

MCU集大成にして総決戦。オリジナル6に焦点を当てながらも新しい風を吹かせて。綺麗な三幕構成で、ラストは観客へのご褒美感に溢れている。ご都合主義も何のその。難点としては超人達の演武につき、市井の人々は>>続きを読む

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

3.5

成功と喪失の物語。とても古典的だけど今風にアップデートされていて楽しめる。基本的にはガガ自身の物語に寄せている。からこそ、アリーとガガの来歴や音楽性の違いがノイズになるのは残念。演技は自然体で好感。パ>>続きを読む

ファースト・マン(2018年製作の映画)

3.8

妙に淡々とした作品だ。宇宙モノを美しく描きたい欲求と、史実通りにやろうとするドキュメンタリー魂の同居がそうさせたのだろう。フィルムで撮影されたシーンが多く、解像度粗めの画面が美しい。が、フィルム特有の>>続きを読む

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.7

速い!スゴイ!面白い!!!行き着くところまで行き着いたと思われたアニメの表現に、もうひと変化加えらること示してくれた大作。多次元宇宙やクロスオーバーといった設定は他の作品でもみられるが、それをスパイダ>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

3.7

ハリポタくらい読んでるよね?という強気な姿勢が鼻に付くけど戦略としては間違ってない。ストーリーを消化するのに精一杯で描きたいポイントが散漫になってしまったのが残念。世界観は良いのにね。今後に期待。※追>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.5

2018年最高を更新。人間・フレディを描いたドラマだった。規格外のボーカルをより近しい存在として描くことで見えてきたのは「帰属」というキーワード。フレディが、クイーンが、人々が。それぞれ何に帰属するの>>続きを読む

機動戦士ガンダムNT(2018年製作の映画)

2.7

下手クソか!説明セリフで詰め込むも1クールやれるくらいのドラマを駆け足で飛ばすものだから薄い薄い。「物語」は悪くないだけに残念。福井氏も無理だと分かっていたのだろう。本作のコトバを借りるなら、これはま>>続きを読む

ヴェノム(2018年製作の映画)

3.1

ポップでティーンな内容にズッコケる。が、スパイディに歩調を合わせるならこれくらいが妥当なのか。ヴェノムというキャラクターの性質上、残虐描写なのか、重めの物語なのか、何か一つ振り切ってくれれば化ける可能>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.8

前情報を全く入れずに観たので「感情のやり場に困りました」かな。とても面白い脚本なのは間違いない。これから鑑賞する人へアドバイスがあるとすれば、ドラマだと思っていただければ良いかと。

オーシャンズ8(2017年製作の映画)

2.9

金・女・ギャンブル、男の欲望を軽やかにゴージャスに描いてみせた11のグルーヴ感はある種の奇跡だった。8はどうか。女・恋・見栄・友情・名声・自由…いずれもピンとこない。見え隠れする主義めいたものが逆に古>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

4.0

トムのライフワークを観察する映画です。世界情勢とか政治とかお話の整合性とかそういう次元の映画ではないんです。ワークアウトをして彼女とイチャイチャする。あくまで日常なんです。

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018年製作の映画)

3.4

ハンソロが全くハンソロに見えないし、もし彼がハンソロでなければこの映画は何なんだ?ってくらい軽薄なところがハンソロっぽい映画。

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.1

オールディでナードで引きこもりな映画。だからこそ胸アツだ。都心の通勤電車を見ても皆スマホばかり。あながちない未来ではない。S.S.監督作品らしくはないが、借り物ばかりだからこそここまで遊べたのだろう、>>続きを読む

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年製作の映画)

4.0

単発の独立した作品でなければ映画ではない、というのであればこれは映画ではない。にも関わらず映画として独立した構造にもなっているのだから凄まじい。クリスが沢山でご馳走さまです。

名探偵コナン ゼロの執行人(2018年製作の映画)

3.2

ものすごく構築的な脚本で感心。検察とか公安とか正義のお話です。FDも所狭しとぶっ飛びます。さむいセリフもまぁいいでしょう。対象年齢が40歳以上なだけです。
※追記

トゥームレイダーファースト・ミッション(2018年製作の映画)

3.3

思いのほかハードアクション。意気込みは感じるがそれ以外が凡庸。ライジングものとしては色々と詰めが甘い。目新しいのは題材くらいか。何らかの”らしさ”を確立できれば新しいヒロインになれる可能性も。

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

4.2

心の機微を捉えながら一つの物語、ひいては映画に仕立てているのは流石の一言。登場人物の生い立ちと、映画のキャラクターとしての成長をダブらせているのは分かりやすい。再現にしろ演技にしろ、ナチュラル過ぎて演>>続きを読む

キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

4.2

大事なのは疾走感とノリ。ノイズになりそうなもの(じゃないものまで)をバサバサ切るのが潔い。疾走感が上がったぶんノリは落ち着いた。が、十分楽しめる。前作のバーガーのくだりを繋げるとは痛快だ。

清須会議(2013年製作の映画)

2.3

ただひたすらに長い。冗長。大泉洋は良かった。それだけ。

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.4

K.ブラナーによるK.ブラナーのポワロ。ソツなく完璧な演技に仕上げるあたりさすが。D.スーシェ=ポワロである以上もはやビジュアルは関係ないのだ。要所で変化球を入れてくるのも良い。が、長編原作にも関わら>>続きを読む

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

2.9

物語がほとんど展開せず過去作の資産を食い潰しただけ。基本的に旧キャラ頼み、新キャラは賑やかし。説明セリフ過剰、画作り下手。J.J.復帰は良い知らせ。新しい物語を創造してほしい。

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