mGmGさんの映画レビュー・感想・評価

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アナザヘヴン(2000年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

オカルトサイコスリラーかと思ったらオカルトバディものというSPEC寄りのジャンルだった。理解できないものが蠢く怖さではなく、誰にでもある悪が増長されるという分かりやすい構図に収まっていた。
加藤晴彦さ
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国宝(2025年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

誰にでも分かる物語でありながら3時間画面から目を離せず、二重になった「演じる」という行為の豊かさに満ちた映画だった。

美しさしか正しさが無い世界では子供への体罰も窮屈な男性社会も罷り通り、その中でし
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ミッシング・チャイルド・ビデオテープ(2025年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

この映画が気になった人が好んでいるであろうホラー描写やオマージュが多かった。
最初からこの物語は虚構ですよと分かりやすく提示した上で、ファウンドフッテージが虚構としてリアリティを帯びるのは新鮮な体験だ
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鬼談百景(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

お墓鬼ごっこという恐ろしいシーンからの子供ミニゴア、そして最後に走ってくる赤い子供。この一連の流れが良かった。
霊でもなんでもない化け物としての赤い女も良かった。短編集だからこそのチャレンジが色々見ら
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ザ・コンサルタント2(2025年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

主人公(プラス今回は弟)が愛くるしいあまりヒューマンコメディと人殺しアクションが同居する謎の手触りシリーズ。
もうアクションとか無くても成立するくらい楽しい兄弟なのが凄い。その関係性をアクションシーン
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サブスタンス(2024年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ボディホラーはあまり恐怖に共感できないので楽しめるか不安だったが、もはやそれはどうでも良かった。

それぞれの名前で章を区切っていた事から、主人公と映画だけが彼女たちを一人だと認めていたように思う。で
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ジブリってこんなに不条理に寄った作劇でも良いんだと驚いた。分かりやすいメッセージは運命論とか未来ある子供に何を遺すか、そしてお前はという眼差しだけど、それをこんな距離感で描けるのはすごい。

絵が動き
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マインクラフト/ザ・ムービー(2025年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

有意義に対する徹底的な反抗にも思える、無意味でしょうもない場面やギャグの連続。物語は単体の場面としてだけ存在し、連続性やカタルシスは無く効果を成していない。
でもそれが面白くて少し心地よさを感じるのは
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

4.0

前作に引き続き悪いアニメの実写化のようで「キツい、、サブい、、」という場面が多いが「今大丈夫だ!」という場面もあり成長を感じる。
前作は最早持ち味と言って良いわざとらしさがクオリティの不安定な土台の上
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トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

OPに怒涛の協賛CG、高密度に組まれたセット、キャラ立ちした登場人物によるほぼ超能力アクション、そしてコテコテ吹替によって完全にあの頃のアクション映画だった。
ただのクラシックの模倣だとつまらなくなる
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ビーキーパー(2024年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

勧善懲悪のために邪魔になる要素は全て消した潔いアクション映画。よくあるNetflixアクション映画にお金をかけたような作品だった。
何も考えずに楽しめうる映画と何も考えさせる余地がない映画は違っていて
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ボーダーランズ(2024年製作の映画)

3.9

原作の他ナンバリング作品をプレイしていたので義務感から視聴したがそこそこ楽しめた。
原作の無理ある人物描写や面白みのないストーリーテリングは受け継がれていたのに、多種多様で変てこな武器によるしっちゃか
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Broken Rage(2024年製作の映画)

3.8

やりたい事は悉く空回っていたように思うけど、このエスキースがいつかの布石になっていてほしい。これを踏まえた上で良い塩梅のバイオレンスとユーモアが融合したカッコいい喜劇を観たい。ここではお茶目な監督や宇>>続きを読む

劇映画 孤独のグルメ(2025年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

劇場版ではなく劇映画と銘打った理由がわかるとても話の面白い映画だった。笑えてお腹が空く事は幸せだと思う。
登場人物の機微やドラマとして作られた世界から飛躍するような脚本が温かい喜劇として組み合っていた
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戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

嘘の世界で嘘の人たちが嘘のモキュメンタリーを撮っているのでモキュメンタリーという設定は死んでいた。むず痒くなるようなセリフや演技もチラホラ。でも続編が作られた事は嬉しい。加害的な男性性という従来のホラ>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

4.2

映画である、という事が予算面でしか活きていなかった。話自体はとても面白いのに間延びしたり失速したりする箇所が多かった。明らかに興が乗ったであろうシーンはいくらかあり、そこはとても楽しめた。ドラマを映画>>続きを読む

天使にラブ・ソングを2(1993年製作の映画)

4.4

娯楽作品としての強度がすごい。「ご都合主義」「細かい事は抜きにして」そういった要素がマイナスになっておらず、この物語に必要なものだけがギュッと詰め込まれていた。こんなにも自発的な生徒たちが当たり前のも>>続きを読む

レッド・ワン(2024年製作の映画)

3.9

光るものは本編の中に1割未満あるが、それ以外のネタは他作品の寄せ集めという悲しい作品。これからの未来も含めて、子供の感性を過小評価してると思う。いくらでも面白くなる設定がたくさん出てきていただけに残念>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

むせかえるほど芳醇な画面の中で、人間である事を理由に物語が進んでいく事に映画の素晴らしさを感じる。
お話の為に人間が動くのではなく、ある人間たちが居て、その反応でお話が勝手に進んでいく。フィルムの質感
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劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ100(2023年製作の映画)

4.4

絶妙な塩梅でキャラ付けされた登場人物や作品内でスルーされる怪異、不意に訪れるユーモアがリアリティを担保していた。
要所要所でヒントが出されており、それを追うために画面に集中せざるを得ないという状況がよ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

人が何を信じたいと思うか、映画内に漂っていた1つのテーマが最後に観客の方を向いていた。正義を執行する場にも偏見と差別は根付いている事が、人を裁く難しさを際立たせている。結局最初の解剖から事件の主だった>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

ドロステの時もそうだったが、ワンシチュエーションの窮屈さを全く感じさせない化け物みたいな作品だった。
まず面白くなるまでが半端なく早い。余計なお膳立てや会話はなく、この設定ならこんな事やあんな事も出来
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「ゲーム原作だから出来ること」と「映画化だから出来ること」が高水準で達成されていて素晴らしかった。原作がある映画の一つの完成系だと思う。ありがちなメタ視点を簡単に取り入れないのも好印象。
価値観も現代
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天使にラブ・ソングを…(1992年製作の映画)

4.5

何度観ても良い。無条件に泣いてしまう。
カルチャーを学んでいくと観るたびに違う所が見えてくる。宗教が持つ暴力性や排他性も前より意識できるし、主人公の宗教や人間との関わり方がより自由に見えた。

女神の継承(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ストーリーとしてリアリティからの飛躍があるのは好きだが、効果音やカメラアングルなどの映像的演出がモキュメンタリーの面白さを損なわせていた。登場人物の行動に対する歯痒さがあったのも勿体無い。
しかし生活
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ほんとうに映した!妖怪カメラ(2015年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

まさかの短編集でお得感があった。長い間顔を出してくれる幽霊が愛おしい。北の国から調の語りはなんなんだろうと思ったわけで。

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

序盤からとてもカメラの存在を感じた。映画である、ひいては映像であるという事にとことん自覚的な作品だと思う。物語や時間を切り落としパッケージするという暴力性や神秘について自覚した上で、徹底した環境音やも>>続きを読む

回路(2000年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

この時代に感じていた恐怖や閉塞感は今も健在で何処か安堵した。そして今自分が追っているホラーはこの映画の遺伝子を受け継いでいる事も嬉しく感じる。
幽霊の肩を掴める事、人間の真似をした歩き方、目的がある悪
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

相変わらず話がおもしれ〜〜と思いながら観たが、辛すぎるので2回目は観れないと思う。今現実でもそうだが虐殺を正当化させようとする場合、相手を強くキャラクター化する必要があるのだと感じた。
前後編通しても
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

仲間や居場所が出来て良かったねという気持ち。オープニングの一幕で常に壊れそうな主人公自身の悲哀が表れていて印象的だった。

蛇の道(1998年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

雑然と見えるようで整理された画作りや展開が印象的だった。それで言えば数式という物が度々描かれていたのも納得できる。地面に描かれていた数式は、まるで蜘蛛の巣のようだった。
この映画を象徴しているようなポ
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.3

原作は1巻しか見ていないので何とも言えないが、凡庸なアニメ化によって原作の持つ非凡なテクスチャが失われていたように感じる。それによってオタク会話のキツさや演出のミスマッチが浮いてしまい、しばしば世界に>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.4

加害者側から観た「良心の叱責」という思想、実際に起こった悲劇との距離感、醜い責任転嫁、愛国。聡明で優秀な科学者が戦争に加担した事で起こった顛末を描かなければならない、というノーランの意志を感じた。俯瞰>>続きを読む

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.2

良いところはあるし目にも楽しいけど、あれ?これ面白いか?となる。小ネタやギャグのユーモアを見せたいという気持ちが血湧き肉躍る興奮を邪魔していた。ストーリーラインもなんやねんと思うし、CGも昔のゲームの>>続きを読む

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.4

映画らしい映画を観ると嬉しくなる。今作も全編を通してそんなことを感じていた。

特定の登場人物の主義主張で映画全体に整合性を持たせるのは難しいが、そもそも群像劇なので各々に答えがあると思えば観やすくな
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

どうしてあの狂ったシーンの連続で1本の映画としてまとめ上げられるのか分からない。素晴らしい音楽や意図されたカメラワークが一役買っていたのは確か。自分の感受性がもっと生きている時に観たかった。

最初は
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