ストーカーとはチェルノブイリ原発事故を彷彿とさせる被曝空間を道案内するガイドの総称。「感知不可能な力」に対して人間はどのように関わることができるのか。ホロコーストという出来事で頂点に達したかのように思>>続きを読む
戦争下、子供たちを疎開先に運ぶ飛行機が墜落し、無人島へ漂着。子供だけの生活が始まる。野蛮であることと文明人であることが遂行的に構築される。武器、狩、血といった道具立てによる「野蛮化」。しかし本作での「>>続きを読む
統合失調症の主人公が過干渉の母親を殺して家に立て篭もるという実話に基づく作品。過干渉の母親というのは個人的にトラウマなので気の狂った主人公よりもよっぽど怖かった。絵はHerzogらしくHDRな感じ。彼>>続きを読む
カフカが原作の映画を初めて見てみたけど、これはなかなか良くできている。毒虫が変にCGやメイクなどを使わずに役者の動きによって表現されているところ、始めは違和感ありまくりだけど、慣れるとむしろこれが正解>>続きを読む
ウディ・アレン扮するただの冴えない会社員が色々あって南米の小国で独裁者になってしまう話。異化作用を利用した現実の暴露が端々で見られるけど、それがきちんと笑いにつながっていくところがうまい。死がファッシ>>続きを読む
戦艦上で実際起こった水兵反乱事件をもとにエイゼンシュタインがロシア第一革命二十周年記念に合わせて委員会の依頼により製作したプロパガンダ映画。有名なオデッサの階段の場面はやはり独特の魅力があって印象的。>>続きを読む
孤児の青年が不発弾をいじって誤爆し失明。それがゆがんだ噂となり広まり神父襲撃事件の犯人にされてしまう。真相を問いただされる神父はひたすら沈黙を守る。沈黙も行為であり、ある意味では発話以上の意味を持つ場>>続きを読む
チフス菌実験のためにシラミ培養の仕事に就く男の見る夢とうつつの錯綜体。時空間が乱接続していくところや事件の発端と結末が見えず宙吊り状態であるところはまさに悪夢そのもの
「考えるのは好き。夢を見ることと考えることは同じよ。夢を見ることは素敵なこと」
シュルツ「砂時計サナトリウム」（1937）というポーランドの作家の同名短編集所収の一作の映像化。幼年時代へと向けた成熟が真の成熟であると言う作者の芸術観が砂時計というモチーフに込められているように思っ>>続きを読む
美しいまなざしをもつ少女の繊細な心情を独特の静謐な映像とリズムで表現しつつ背後には父母の不仲を底流させていて非常に複雑で重層的で幸福な悪夢のような話
核戦争後の世界に生き延びた人々がみんなネジの外れた気狂いで見ているこちらはよく分からないけど最終的に向こうの人たちで勝手にハッピーエンドを迎えてしまう話
運玉義瑠という義賊の民話をベースに「復帰」前後の沖縄の人々の心情の機微をいわゆるマジックリアリズムの手法を用いて幻想的かつ現実的に表現した傑作
田舎のお城に疎開中の家族をナチの小隊に殺された医者がたった一人武器を手にして復讐し、しまいには将校を火炎放射器で燃やし尽くし敵を全滅させてしまう話
事故で顔を失った娘のために父親の外科医が夜な夜な美しい女性を拉致して顔の皮を剥ぎ娘に移植するけどぜんぜん上手くいかなくてしまいには娘が父親を殺し森へ消えてしまう話
ある革命家の暗殺の真相を探るためにとある田舎町にきた主人公が奇妙な町の人々の陰謀に巻き込まれてしまいにはその町の「一部」になってしまう話
自分で作った案山子が人間になって現れたと思い込んだ可愛いメンヘラ少女がその男を愛すのだけどしまいには遊び飽きた人形同然に破壊してしまう話
アルジェリアに住むフランス人の医者が現地のアラブ人の男の恨みを買ってしつこくつけまわされしまいには二人で灼熱の砂漠を彷徨し続ける話
