バチッと決まった一枚絵は見事だが、僕が映画に求める動のカタルシスに著しく乏しい、いわば情報量の異様に多い紙芝居といった感じか。お得意の横スクロール移動など、動きはあるにはあるのだが、ううむ、奥行きの感>>続きを読む
イーストウッドも流石によたよたのお爺さんになったかと思いきや、悪態をつきだすといつもの元気な頑固爺に元通り。
軽やかというか、最早やる気のないともいえる枯れた演出は円熟のなせるものということなのか、は>>続きを読む
常に何某かの仮面を被って生きる人間は、常に何かしらの演技をしている存在と言える。演じるというのは、時に自分の感情に蓋をして別の感情や表情を取り繕って振る舞うことを強制する作業である。特に、何かを守らな>>続きを読む
生命の営みをじっと観察することを強いられる(褒め言葉)95分間。
豚、鶏、牛といった「家畜」もこうして命を紡いでいるんだと言う事実をまざまざと見せつけられる。片脚がないハンディキャップを背負いながらも>>続きを読む
どう考えても、日本特撮の粋を極めた最高傑作だろう、これ。怪獣特撮で何が見たいって、いちばんは怪獣の取っ組み合い、そして街の大破壊に決まってる! 正直、無惨に人が吹っ飛んでいくシーンを観るのは歳をとって>>続きを読む
日本特撮におけるSFミリタリズム描写のひとつの到達点が観られるという意味では傑作と言わざるを得ないだろう。本作がなければ、これを更新するかのような描写を誇るシン・ゴジラは作成されなかったであろう。前作>>続きを読む
ファッション業界を舞台にしたゴッドファーザー、とでも表現できようか。ファミリー・ビジネスの興隆を目指すほど、家族としての紐帯が解れていくというアンヴィバレント性。これが面白くないわけがない。
やはり怪獣映画はデカいスクリーンで観るに限る! テレビの画面上では分からなかったディテールが堪能できた上に、迫力に欠け、なんならダサいとさえ感じた最終決戦の撃ち合いのシーンが壮大なスペクタルとして目に>>続きを読む
凄い、これは凄い。
3本の短編から成る作品であるが、そのいずれもがウィットに富んだ会話劇であり、有り体も身も蓋もない表現をしてしまえば、滅茶苦茶面白い!
恐ろしいのが、会話劇ではあるんだけど決して説明>>続きを読む
スパイダーマンがずっと体現してきたNo one diesの精神が通底している作品であったが、それでもヴィランの力を奪う行為を「治療」と称したことの欺瞞、もっというならば偽善性には首を傾げずにはいられな>>続きを読む
ラスプーチンのことしか覚えとらん! マシュー・ヴォーンについては、最近作り手としての技量に疑問符を抱きつつあったが、今作を鑑賞してはっきり腕がないのではないかという確信を持つに至った
メタに次ぐメタ、つまりは既存のトリロジーの解体・脱構築に果敢に挑み、概ねその取組みに成功しているという意味で嫌いになれない作品。燃えたのはやはりI'm Trinity.と自ら名前(=アイデンティティ)>>続きを読む
異なる年代を生きる2人の女性を主人公に据え、その視点から性的搾取やショー・ビジネスの在り方、懐古主義の是非等を描くことで、それらの歪さや欺瞞を鮮明に炙り出し、時にはファック・オフすることに成功している>>続きを読む
こういうので良いんだよ! エディとヴェノムの可愛げ、痴話喧嘩漫才、永遠に観ていられる。
鑑賞のために弾丸旅行を決行!ジェームズ・ワンのあまりのやりたい放題っぷりに始終ニコニコ、最高の映画体験だった。鑑賞後、私の後席に座っていた妙齢の女性二人が、「ほんとうに面白かった! 誘ってくれてありが>>続きを読む
なんの前知識もなく鑑賞したため、意外と生々しい性愛の話であったことに驚く。が、現実から創作へとアイデアを落とし込むトーベの芸術性とそれらは全くもって不可分なのである。ころころと変わるトーベの表情は、何>>続きを読む
これを以てMCUの祭りから降りる事に決めた。付き合いでだらだら観続けるとは思うけど、以前ほど入れ込む事はないだろう。
タナソーさんの言っていた長尺のスクリーンセーバーという表現はまさに言い得て妙かも。not for me.
2021年のベスト・ブロマンス・ムービー。
静謐なタッチだがヒリヒリとした緊張感が常に滲んでいるのが好み。
相変わらずべらんめえに面白いが、脚本が甘い。証拠潰しの件には正直がっくりきた。
2021年のエンタテインメント作品として、これに比肩するものは出てこないのではないだろうか。
ジェームズ・ガンは才の塊のような人物だが、やはり突出して脚本が上手い。アメコミ映画ながら、アメリカが実際の>>続きを読む