Sさんの映画レビュー・感想・評価

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青の帰り道(2018年製作の映画)

4.2

この映画の大好きなところは、あの頃の青が遠くに行けば行くほど色濃く輝いてしまうことに気づいてしまったり、それが酷く羨ましくて懐かしくて悔しくなるのに、二度と同じ場所には帰れない苦さがよく描かれていると>>続きを読む

トルーマン・カポーティ 真実のテープ(2019年製作の映画)

3.5

誰もが1度は会いたい人
だが1度会ったら二度と会いたくない人

そんな破天荒な天才、伝説の小説家であるトルーマン・カポーティ
彼の本当の姿は、一体どんなものなのだろうか
結局のところ私には分からなかっ
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エゴン・シーレ 死と乙女(2016年製作の映画)

4.0

はたして、なにが「芸術」なんだろうか。

ある時代で芸術だと信じて疑わなかったものが、実は後の世ではありふれたものであることがある。
はたまた一方で、ある時代で虐げられ認められず生涯影を潜めていた芸術
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もののけ姫(1997年製作の映画)

4.4

人間としてより強く、気高く、逞しくなるために、やむなく自然を壊していく私たちは、いつしかその恩恵によって生かされていたことを忘れてしまう。

「八百万の神」
その偉大さを、素晴らしさを、生と死の尊さを
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四月の永い夢(2017年製作の映画)

4.2

蒸し暑くて、髪の毛が汗で体に張り付くような、蝉の声が鳴り響くジメジメした夏の空気
世界はもうすっかりそんな夏を迎えたけれど、初海はずっと、覚めない夢を漂うような 曖昧な春の陽射しに閉ざされて、四月の夢
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さくらん(2007年製作の映画)

3.5

目に映る全てのもの、聞こえる全ての音が艶やかで優美

金魚の赤
満開のもみじの赤
口紅の赤
そして、血の赤

どこからか流れ聴こえてくるエレキギターの音色と、水を掬うような英語の調べ

豪華絢爛にみえ
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(500)日のサマー(2009年製作の映画)

4.1

『前もって断っておくが、これは恋物語ではない』

ボーイ・ミーツ・ガールのお話だと言っているにも関わらず、なかなか珍しい前置きから始まるこの物語。
確かにこれは男女のラブストーリー的恋物語ではない。で
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ロミオ&ジュリエット(1996年製作の映画)

4.1

シェイクスピアの少し難解で、それなのに美しく耽美な詩的表現とバズラーマンの創作的な現代演出の掛け合いに魅せられる

たった5日間の愛
愛は決して時の長さだけが育むものではないのだろう

2人の愛は触れ
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タイタニック(1997年製作の映画)

4.8

「人生は贈り物 ムダにはしたくない」
「毎日を大切に」

息が詰まる貴族としての生活がとても耐えられないローズにとって、歌って踊って絵を描いて、まるで大空を飛びまわる鳥のように自由で芯の通ったジャック
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.4


青い海 えんじ色の電車 茂る翠 地面に照り返される夏の西日 汗で張り付いた子供の額の髪 縁側で薫る蚊取り線香

わざとのこした生活音が、リアルすぎる生活の輪郭を壊さずに浮き出させる

一言も何かに対
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ブラック・スワン(2010年製作の映画)

4.2

ラスト、主人公ニナが言う「完璧だったわ」

ベスにも成し得なかった「完璧」は
黒鳥に自分自身を飲み込まれてもなお、成し得たかった「完璧」の本質は

果たしてなんだったのだろうか。

そしてその「完璧」
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