たましいさんの映画レビュー・感想・評価

たましい

たましい

トロイ(2004年製作の映画)

4.0

ちきん王子が敵国の女を寝取ったのせいで国が滅ぶ、ガバガバ設定の「トロイの木馬」をカッコよく見せる映画。
この手に良くあるねっとりした話は少なく、粗い人間ドラマながらもキレあるスピーディなアクションが非
>>続きを読む

キャビン(2011年製作の映画)

4.1

B級ホラーのふりしてテンプレをイジリ倒す、エレベーターで怪物夏祭り始めるネタ映画。
楽しい週末が人類の終末に関わる完全に斜め上を行く展開、
往年の怪物達を蹂躙させたい制作側のホラー愛が炸裂した名作。
>>続きを読む

バグダッドの盗賊(1940年製作の映画)

3.6

後年、ディズニーアラジンに設定をパクられた、大して役に立たない巨人ジーニーがいつの間にか消える映画。
ご都合展開だが、当時のVFX技術総動員でファンタジーとアクションを表現した力作
2024 276

アンタッチャブル(1987年製作の映画)

4.0

クラシカルな雰囲気でギャングとの対決を描き、汚い言葉で喚くデニーロを拝む映画。
起承転結はっきりしたストーリーに、随所に挿し込む銃撃戦を丁寧に表現した映画のお手本みたいな名作
2024 275

チャイナタウン(1974年製作の映画)

3.4

私立探偵の主人公が闇の陰謀にフルボッコされる敗北映画。
スピード感はないが、じめッとした重い空気、徐々に迫る真相をキレイにまとめたハードボイルドな名作
2024 274

エアフォース・ワン(1997年製作の映画)

4.0

大統領直々に丸腰でテロリストを血祭りに上げるマッスル映画。
強い指導者(物理)が、交渉から操縦までこなす設定を強引に押し通す爽快さが魅力。
大統領が護衛を守る、意味不明な状況を大真面目にやってくれて満
>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.8

三重構造がやたら絡み合う、申し訳程度の宇宙人出すストーリーそっちのけ映画。
空気読まない絶妙なテンポ、水平ショットに奇抜な色彩と、相変わらず演出が変態。
豪華キャストと落語みたいなオチの温度差がシュー
>>続きを読む

フリークス(怪物團/神の子ら)(1932年製作の映画)

-

ハンディキャップはあくまで特性としてフラット、もといそのまま扱った報復映画。
当時の世間も、必要以上に配慮しまくった現代でも今後作られることはないであろう偉大な作品。
本当の怪物は誰か、シンプルな投げ
>>続きを読む

エンド・オブ・ステイツ(2019年製作の映画)

3.7

今回は主人公が即堕ち2コマする、スケールしぼめて狂人親子に焦点当てた締めの映画。
主人公以上にやべぇ奴の父親が目立ち、爽快さよりも中年の渋味と深みを押し出す要素に哀愁が漂う。
2024 270

テッド 2(2015年製作の映画)

3.5

中身はハッパをキメたおっさんのR指定クマが、アイデンティティ求めて裁判する映画。
人権とか真っ当なテイスト混ぜたせいでキレが悪くなったが、ブラックユーモアもとい、汚ねぇ作風は普遍
2024 269

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.4

世界観は秀逸なのに、前作同様テンポの悪さで催眠術かけてくる映画。
テーマ詰め込み過ぎて中途半端に終わる様なストーリーで、感動的なシーンもお通夜状態なブレの無さは健在。
レトロなネオンで終末感を味わうな
>>続きを読む

エンド・オブ・キングダム(2016年製作の映画)

4.0

定番の即堕ち餌食になったロンドンで、日本の首相が何もせず運河に沈められる映画。
今回もボコボコ殴られる大統領をワンマンで守り抜くが、出産を待つパパと思えない残虐さで狂人っぷりを発揮する主人公がエンタメ
>>続きを読む

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

3.7

アジア圏はだいたいこんな感じと、雑に括られた繁華街が退廃的なSF映画。
テンポ悪いストーリーに目を瞑れば、アートの様な世界観、人造人間の葛藤など芸術・哲学的要素に突き詰めた良作
2024 266

エンド・オブ・ホワイトハウス(2013年製作の映画)

3.8

授業中よく考えてた、学校がテロリストに占拠される妄想をそのまま映像化した90年代テイストの映画。
朝鮮工作員が喧嘩売ってきて本丸が即堕ちする粗削りな内容だが、燃えるシチュと爽快なガンアクションの質は優
>>続きを読む

駅馬車(1939年製作の映画)

4.0

訳ありメンバーが馬車にすし詰めされて危険地帯を走る映画。
人死に出そうな疾走感ある馬上シーン、真っ向勝負の決闘、人間ドラマとアクションがキレイに噛み合った名作。
ライフルのスピンコックが渋い
2024
>>続きを読む

テッド(2012年製作の映画)

3.6

初手の両親のリアクションが優秀な、さあハッパ決めようぜテディベアの汚い映画。
到底子供に見せられないブラックコメディで、ナレーターと字幕のユーモアが面白い。
ストーリーは覚えてもいない
2024 2
>>続きを読む

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2(2011年製作の映画)

3.7

話の軸がブレずに伏線を回収した、デスノートの所有権争いみたいな最終決戦を繰り出す映画。
執念のプリンス:スネイプ先生等、各キャラにもスポットを当て、最後の舞台も学園にしっかり戻した集大成らしい仕上がり
>>続きを読む

カリガリ博士(1920年製作の映画)

-

冒頭から隙あらば自分語り始める、精神異常者のサイコホラー映画。
モノクロと奇怪な小道具で病的な雰囲気を出し、オチもきれいで芸術的に偉大な映画だが、大して面白くはない。
これを現代で絶賛するのは多分古典
>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.7

ポンコツ多様性ヤクザの一派を私情でカチコミかける、態度悪い方のリコリス・リコイル。 
敵が弱すぎて消化不良だが、力の抜けた間と空気感がアクションとのアクセントになっていて上手い
2024 260

Pearl パール(2022年製作の映画)

4.0

強烈なメンヘラがシリアルキラーに昇華するまでの前日譚。
延々一人でいるような閉塞感、色彩鮮やかな風景と血飛沫がミア・ゴスのマジキチスマイルを引き立たせる良作。
2024 259

翔んで埼玉(2018年製作の映画)

4.1

茶番劇のせいで、北関東で括られたヒエラルキー底辺の3県が回し蹴りされる映画。
普段のイメージを過激に誇張するが、だいたい合ってるのでネタとして優秀。
GACKTも間違える「いばらぎ」じゃない「いばらき
>>続きを読む

チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

3.7

調子に乗った餓鬼どもに教育的指導を叩き込む、工場見学映画。
ブラックユーモア包み込んだ工場の様子が明るく華やかでチョコを食べたくなるが、映像に反して内容は甘くない
2024 257

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1(2010年製作の映画)

3.5

学園の呑気な採点システムが懐かしい、逃亡と探索を繰り返す、アクション多めの前編。
ハードな世界観になるなら初めからやってほしかったと思いつつ、ようやく話をたたみ始めたので満足
2024 256

シン・ゴジラ:オルソ(2023年製作の映画)

4.1

日本らしい会議と肩書きの狂想曲、石原さとみのインチキ外人感が絶妙な、凝固剤ガブ飲み映画。
話通じなさそうなゴジラに対し、ガン詰めされる総理含め、徐々に本気出すお役所が熱い。
冒頭のスピード感ある空回り
>>続きを読む

コン・エアー(1997年製作の映画)

4.0

凶悪犯すし詰めの護送機に場違いなゲジゲジ眉毛が乗せられる、アメリカンマッスル映画。
古き良き90年代の硬派なアクションで、クルマが空を飛び出した辺りから様子がおかしくなるが、名作に違いない
2024
>>続きを読む

からかい上手の高木さん(2022年製作の映画)

4.3

デコに異常な執念を持つ作者から、タマ姉たまんねぇを超えるヒロインを産んだアニメの劇場版。
いつも通りの内容で、特定世代を狙い撃ちしたノスタルジー、単体ヒロインで長期連載できた魅力あるやりとりは刺さる人
>>続きを読む

トリプルヘッド・ジョーズ(2015年製作の映画)

2.4

マチェットニキの勇姿は好きだが、キレの悪さから、早く喰われろよとサメの気持ちになれる映画。
パッとしない登場人物より、頭同士で協力したり、喧嘩したりするサメが人間らしい。
観たいのは水着じゃない
20
>>続きを読む

ヴィジット(2015年製作の映画)

4.0

3つの約束などどうでもよく、婆さま深夜徘徊をどう誇張するかに全賭けしたような映画。
ひと通り奇行を満喫したあとの畳み掛ける一家団欒、無理矢理いい話に不時着しようとするゴリ押し感と、雑だがゾクゾクする良
>>続きを読む

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

3.5

崩壊した世界でマンションに引きこもる世紀末映画。
リーダーが狂気ぶちまけるかと思ったら、体張って責務全うする普通の人で物足りない。
どこかの国の縮図を表してるようで、設定が上手い
2024 250

ファイナル・デッドブリッジ(2011年製作の映画)

4.0

橋で社畜輸送車が落下する、ジャケ画でホラーの体裁を取り繕う、いつもの映画。
フェイント、溜め、芸術の域に達した大喜利を遺憾無く発揮した集大成。
シリーズへのリスペクト溢れるオチ、卒業生祝辞のエンドロー
>>続きを読む

シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)

3.8

ノルマへの詰め文化に既視感を感じる、たましい売り渡した銀行員達の物語。
倍返しコース待ちの溜める真相究明、ヤミが破裂する様子を阿部サダヲの明るい演技で表現する良作。
ぶっ壊れたのは遠藤さんだけじゃない
>>続きを読む

ダブルヘッド・ジョーズ(2012年製作の映画)

2.7

エサの頭数が多く、襲撃まですること無いので水着で間を持たせる、描写も評価も残酷な映画。
効率もつまらなさも倍になった出オチ感で、一匹のサメがひたすらコンボ数稼ぐ過重労働は現代の社畜。
2024 24
>>続きを読む

ハリー・ポッターと謎のプリンス(2008年製作の映画)

3.6

ストーリーも人間関係も不穏な、児童文学の範疇越えるダークファンタジー。
校長頼りの一極集中型は変わらず、学園ライフ満喫からの温度差激しい展開が特徴的。
初期の採点システムは消えた
2024 246

みなに幸あれ(2023年製作の映画)

4.0

爺婆さまの不気味さ、もとい奇行と棒読みがほとばしる、意味不明ダンス映画。
倫理観なしの世界観で、悪ノリと狂気が炸裂するシュールさは人を選ぶ。
現代ヒエラルキーを皮肉るが、誇張しすぎて訳わからなくなるク
>>続きを読む

バッド・デイ・ドライブ(2023年製作の映画)

3.4

降りたら爆発と脅迫され、トイレ休憩なしで強制ドライブする映画。
詰めの甘いストーリーで、加速どころか失速するラストだが、バカでかいGLSクラスで街中を疾走するのが珍しくて好き。
2024 244

Winny(2023年製作の映画)

3.7

今ではプログラムどころか狩猟生活に勤しむ東出主演、割れ厨を大量発生させたwinnyの映画。
技術革新の芽を積む日本社会への閉塞感を裁判を通して描き、問題提起として優秀。
利用者モラルの問題より、規制す
>>続きを読む