nicoさんの映画レビュー・感想・評価

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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.5

自然と共存する街に都市開発の話が来る。
それは住人の拠り所の根幹を揺るがしかねない事態と判明する。

観る者がタイトル"悪は存在しない"が頭の中で反芻する。何で?何で?それは最期まで続き、とてつもない
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

離ればなれになってしまった人に次に逢えるのはいつだろう。12年後だろうか。24年後だろうか。
その時にはお互いの生活も人間関係も違っている。時間を戻す事は出来ない。大人の心情を描く良作。

オープニン
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

まず物語として秀逸。

ストーリーテリングに唸るしか無い。
CG排除の核描写や政治家共の無神経、科学者の慢心など正直、日本人として心をエグられるシーン多数有ります。心底鑑賞に耐えない人も居るでしょう。
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.8

海外からの尋常ならざる評価と熱狂の嵐でブチ上がったハードルをアッサリ打ち砕く。
本当に『Part1』は露払いと考えた方がイイ。
最高の続編であり、最終章へ見事に繋げる。ココで終わるかあ。

完全IMA
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.3

「約束」とは米軍のアフガン侵攻の際に通訳をした対価としてアメリカへの移住権の取得。
それは即ち同胞への裏切りにも繋がる。

こんな視点の展開は初で興味深かった。ただ様々な局面での緊張感が希薄だったのが
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

夫の殺人容疑を掛けられる妻、裁判となり一部始終を傍聴し心が揺れ動く息子。

見事なサスペンスと公判モノだった。

技術的にもアップと長回し、敢えての手ブレで緊迫感を増すカメラワークにものめり込む。
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

4.1

心の奥底に閉じ込めていた大切な、忘れていた感情を無理やりこじ開けて掻き乱す。そんな映画でした。

何故あれだけ仲良しだったのに疎遠になってしまったんだろう。大人になったら分かっている。
もう二度と戻れ
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.0

各プロットの展開は良いのだが、それが何故起きているかの理解が追いつかなかった。物語進むにつれて氷解するかと思いきや闇は深まる一方。去年の『イニシェリン島の精霊』と同じ温度感。突き詰める気にはなれないの>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

5.0

想像の遥か上行く4Kレストアの破壊力。
全く別物と言ってイイ。

なんという臨場感、なんという躍動感、なんというグルーヴか。
腹を猛打され、胸を貫き、脳をも溶かす。

体験した者を「ロック・ジャンキー
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.8

身籠った女性の投身自殺から物語は始まり驚くべき方法で蘇生する。

ヨルゴス・ランティモスとエマ・ストーンの『女王陛下のお気に入り』コンビ新作で必須科目だが、バリバリのR指定&問題作。観る者を選ぶ。
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ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

5.0

開始5分で本当に地球上の「同時代」の出来後なのか、と絶句する北の事実。

何も知らなかった。恥ずかしいし、情けない。
彼等は全員命掛けだ。観る者も相応の覚悟が必要。

余りにショッキングな映像なので観
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コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

3.9

未曾有の大災害、ヒエラルキーの逆転、弱肉強食、恐怖政治、そして因果応報。

相変わらず韓国映画は徹底している。

日本の怪獣映画のナマぬるさにゲンナリした人は観た方がいいです。推薦作品。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.6

トイレ清掃員平山の起床から就寝までの淀みの無いルーティン。その中で起きる事柄は毎日少しずつ違う。
それは完璧な日々とはどういうものか教えてくれる。

こんな映画を撮りたい。観たい。という思いに駆られる
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Renaissance: A Film by Beyoncé(2023年製作の映画)

4.8

「ルネッサンス・ツアー」のドキュメント、というより彼女の生き様の縮図。
ノーメイクの姿をカメラに晒す事も厭わず、とてつもないエネルギーでライヴを創り上げて行く。

追い求めるのは究極の「ビート」であろ
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.1

音楽界最高のアイコン、レナード・バーンスタインの作曲家や指揮者を軸では無く、私生活から掘り下げる。

各年代毎にしっかり寄せて来たメイクアップがカズ・ヒロ氏による単独クレジットだったのも誇らしい。
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.3

マリー・アントワネットのギロチンから物語は始まる。

教わって来た最も有名な世界史に悪女の名高いジョセフィーヌへの愛憎が絡む。

数万単位の軍隊合戦は見応え有るし長尺を感じさせない手腕も流石。

だが
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(2023年製作の映画)

3.1

ここ数年で感じていた "北野武作品にビートたけしの出演は望んでいない" の決定打。悲惨。
もう俳優業は引退したらどうか。無理ですよ。

予告編で既にコントにしか見えない風体と近年作のダメっぷりが凝縮。
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.0

マジで前半は良かった。

終戦後、復興のレールを木端微塵に打ち砕く恐怖の物語が描いてくれる。

ハズだった。

お涙頂戴にしないと脚本書けないの?

VFXもゴジラの造型も文句無かった。そのゴジラさえ
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.3

デヴィッド・フィンチャー新作。
予告編のあのバキバキの映像美が2時間弱。とてつもないスピード感で瞬く間にエンドロールです。

脚本なのか撮影なのか演出なのか。全てであろう。
何を置いても即座に映画館で
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.6

インディアンの生活にズカズカと入り込む白人。理由は莫大なオイルマネーが絡んでいる。

デ・ニーロ+スコセッシでクズ野郎の系譜。それも今回は極め付け。胸糞悪いにも程がある。

そしてディカプリオが予想通
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

1.9

駄作。

ご都合主義もいい加減にしてくれ。
ラストに向かうにつれ、余りの悲惨さに見てられなかった。

擦られまくった設定。緊迫感を生み出せない脚本。陳腐な未来設定。ことごとく、でした。

予告編で1ミ
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テイラー・スウィフト:THE ERAS TOUR(2023年製作の映画)

5.0

特大スペクタクル一大絵巻。
現代ポップス・フィールドの頂点はココです。何より凄まじいのはこの楽曲のソングライティングが全てテイラー本人という事。天才の疑いようも無い。
観た人全員をオトせるんじゃないか
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.0

前作微妙だったのでスルー予定も絶賛評多い事から観賞。
オープニングの"9秒"から引き込まれる。
後は恐怖と怒りの増幅のさせ方が上手く、残忍性とカメラワークがマッチしていた。

何より熱かったのが「復讐
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コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.0

コカイン吸引したクマが暴れまくる、っていうまんまB級作品。まぁご都合モンです。
レイ・リオッタに気が付かなかったのは不覚でした。それと80年代に振ったサントラは上手くマッチしていて良かった。

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

2.6

最近あまり邦画は観ないのでなるべく酷評は避けたいのですが、、、
出だしこそ良かったが、あっという間にテレビドラマ展開になり貧弱なキャラ設定と出がらしの物語展開に辟易。何の勉強もしてないんだろうな、って
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ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)(2022年製作の映画)

3.8

革新的だった60年代、政治に走った70年代、復活した80年代以降、とよく纏められてました。
撮ってる映画は150本との事。私の知ってるゴダールなんて一つまみに過ぎない。
そしてこの映画観て『映画史』を
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クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル トラヴェリン・バンド(2022年製作の映画)

3.8

個人的にアメリカのバンドで最も好きなのがクリーデンスです。未発表音源も中々出ないし、ましてや映像なんて夢のようです。
去年リリースされたロイヤル・アルバート・ホール音源の何と映像まで発掘。ロックファン
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.3

前作が微妙だったので期待値低く観賞。
今回は見事に振り切ってます。特に後半のアクションは必観。"どうやって撮ってんの?"って思わせたら勝ちですよね。ラストも良かった。
腹に響くDolbyAtmosでの
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.9

途中まで何やってるか理解が全く追いつかない。
劇中劇とその内幕の錯乱がピークに達する頃には脳内ぐちゃぐちゃにさせられてた。
ポイントは写真と台詞。ここの繋ぎ止めが上手くいかないと厳しいかも。個人的には
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.9

う〜ム。変態だ。
おぞましく、不気味で、気持ち悪い。目を背けたくなるモノに人は惹きつけられる。
正にクローネンバーグはそこを突いて来る。
病的な面白さ。2時間、食い入るように観イッってしまった。やはり
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クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年製作の映画)

3.4

劇中のゾーイ・ベルの言葉

「彼は女性を敬い、黒人を同列で扱う。」

この言葉が端的にタランティーノ作品の素晴らしさを物語っている。

タランティーノ作品と同時代を並走出来る幸せを噛み締められる映画で
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バービー(2023年製作の映画)

4.2

バービーとケンが訪れた世界は価値観が真逆の場所だ。そのまま現代社会へ問題提起にも繋がる世界。
ギャグが全面に出されており上っ面だけで判断すると痛い目に遭う。グレタ・ガーウィグの皮肉と風刺が突き刺さり新
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イノセンツ(2021年製作の映画)

4.1

初めは小さな兆候だった。
1人から2人になり4人揃った時、起こるのは奇跡か悪夢か。

子供の無邪気さがやがて目を覆いたくなる残虐性にすり替わる。

『わたしは最悪。』のエスキル・フォクト監督新作に付き
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